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ベルリン生活 振り返って

 ベルリンに移住してもう1年半は経つけれど、この度日本に本帰国することに決めました。ビザも後2年更新できたんだけど、いろいろ考えてやはり今後は日本を拠点にしていくつもりです。でもヨーロッパにも定期的にきて活動できたら良いなぁと思ってます。ベルリン生活も残り1ヶ月。この期間にベルリンでの生活を振り返っていきます。

 まず初めの一年はワーキングホリデービザで滞在してました。ここではその中でしたお仕事のお話をしようと思います。まずはフリーランスのベビーシッターとして幾つかのお仕事を掛け持ちしていました。そしてミニジョブとして日本食のレストランでも1年以上働きました。その他には、お掃除や小学校の見守り当番のお仕事など、できるものはなんでもしていました。

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 まずはベビーシッターのお話をしようと思います。ベビーシッターは思った以上に需要があり、特に片親が日本人のハーフのお子さんに日本語で遊んで欲しいとの依頼はよくありました。計6家族とのお付き合いをさせてもらいました。年齢は1歳から6歳までで、ほぼ皆さん日本人のハーフでした。子供と遊ぶのはとても楽しかったです。ドイツは子供に優しい人が多いので、電車の中で叫んだり泣いたりしても一緒になってあやしてくれる人や温かく見守ってくれる人もいました。そして冬でも多少の雨でも、子供をなるべく外で遊ばせるのがドイツ式。『Frisher Luft(新鮮な空気)』が大好きなドイツでは、冬でも公園に多くの人が集まります。また子供にあげるお菓子やご飯もこだわりを持っている親が多く、BIO(オーガニック)のものだけや砂糖やチョコレートは小さいうちは一切あげないと言った家庭もたくさんありました。BIOは子供だけでなくドイツ国民においてとても大切で、身近なものでした。これについてはまた後ほど違う記事で詳しく書けたらなぁと思います。ドイツの幼稚園は基本的に無料(食費は別途かかる場合は多い)で、場所によってはシュタイナー教育やモンテッソーリ教育など、こだわりを持っているところもあります。ただ子供の数に対し、幼稚園の数が足りないので、妊娠直後にもうすでに幼稚園を探し始める人もいるくらいです。ただ個人的に教育はお金がかからないし、国からのサポートも多いし、そして何より周りの大人の子供に対する見方が温かいので、ドイツでの子育てはやりやすいだろうなぁと思いました。

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 ちなみに私はベビーシッターのフリーランスとして税金番号(Steuernummer)を収得し、請求書を出していましたので、最後は確定申告の必要がありました。ドイツの確定申告は前年度分を翌年の5月末までにします。ベビーシッターをお小遣いのように手渡しでお金をもらう人もいるようですが、本来は役所に届け出る必要があります。私のように年間収入が17500ユーロを超えない場合は、税金は納めなくても良いとのことでした。


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(店内のメニューボードなどのイラストも担当させてもらっていました。)

 次に日経飲食店でのお仕事についてです。私の働いていたお店はベトナム人オーターが経営するものでした。ドイツはベトナム人が経営するお店が多いです。私が働いていたのが『Iimori Ramen』と言うラーメン屋さんでこじんまりとしたお店でした。私はオープニングスタッフとして入店し、ケルナリン(ウェイトレス)として働きました。当時まだドイツ語で自己紹介すらできなかったにもかかわらず、日本人はおらず、オーナーはドイツ語のみという状態で大変でした。立地はベルリンのミッテ(中心地)にあったので、英語ができる人も多かったですが、なるべくドイツ語で接客できるように頑張りました。そのおかげか半年後にはある程度、お客さんやオーナーといろいろなお話ができるようになってきました。ドイツは正社員とアルバイトのような働く形態は日本ほどあまり重要ではありません。ただフルタイムになると保険に入れたり、その分税金を納める必要が出てきます。私はミニジョブと言う形態(月450ユーロまで)で働いていました。この場合、税金を納める必要がないので稼いだ額はそのまま収入にすることができます。また私の場合は、実はこれはあまり大っぴらにできないのですが、450ユーロを超えて働いていましたが、その分は手渡しで貰っていました。そしてドイツの飲食店で働く大きな利点として、チップ制度があります。基本的に支払額の10%程度をチップとして上乗せで払う習慣があり、これは税金もかかってこないので、働く側としてはありがたいお小遣いになります。初めの頃はウエイトレスは私一人だったので、もらったチップのほぼ半分をいただくことができました。その後、他の方と働くようになりましたが売上も上がってきたので、それに伴いチップも増えました。やはり良い接客をすれば、お客さんもその分チップを弾んでくれるので、仕事も頑張ろうと思えます。ちなみに一般的にベルリンの接客は愛想がないです。「お客様は神様」みたいな考えも一切なし。基本的にお客も店員も対等でした。だからこそ適当な人も多く、別の問題も生まれてしまうのですが。特に役所や交通機関はお客が逆に怒られるようなこともしばしば。だからこそ日本のような笑顔で接客は珍しく、チップも多くもらえたのかもしれません。ただ黙々と業務をこなすだけでなく、笑顔で親切丁寧に接客をするって疲れますもんね。それをきちんと評価して形にしたのが、チップなのだと思います。日本にもチップ制度ができたら、みんなもっとやりがいを感じるだろうになぁなんて。私は今まで日本での接客経験は割と長いのですが、ドイツの飲食店で働くのがこんなに良いとは知りませんでした。ベルリンの日経の飲食店で働いて、苦労する話もよく耳にしますが、良い部分もあるのでまだドイツ語ができないという方や、ドイツに来たばかりの方には良いかと思います。


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