お庭の植物のティンクチャー
2011年の12月に八ヶ岳に移住をしたのですが、春が来てすぐにたくさんのハーブの苗をお庭に植えました。
そんなハーブのうち、うちの庭の土と相性が良かったのか、それから2020年3月に湘南に移住をするまで一番元気に育ったのがローズマリーでした。
引っ越すときに株ごと掘り上げて連れてきたのですが、冷涼で乾燥した気候の八ヶ岳から、暖かく湿潤な気候の湘南へのお引越しは負担がかかったのか、ローズマリーはだんだんと元気がなくなってきて、いろいろとお世話をしてみたのですが、そろそろ限界な感じがしたので、新芽のところは挿し芽にして、その他の葉は全て摘み取ってウオッカに浸けてティンクチャーを作り、あとは土に返しました。
梅雨の時期や、とても暑い日特有の、頭がぼーっとする感じがあるときなど、お庭の植物から作ったティンクチャーが大活躍なのです。
集中して仕事をしたいとき、ぼーっとした頭をシャキッとさせたいときはローズマリー、リラックスしたいときはラベンダーやカモミールなど、その時の気分によって、お庭の植物から作ったティンクチャーを数滴お水やお湯に垂らしてそのまま飲みます。
また、ドクダミやスイカズラ、ハルジオンなどの野生の植物から作ったティンクチャーも大活躍で、これらを精製水などで10倍程度に薄めて、グリセリンを加えて作った化粧水も娘と一緒に愛用しています。
その他にも、ティンクチャーと植物オイルを混ぜて加熱し、ティンクチャーのアルコール成分を揮発させて作るハーブオイルなどもできます。
このようにティンクチャーは応用範囲が広いので、とにかく気になる植物はどんどんアルコールに浸けています。
これらのティンクチャーの何がよいかというと、材料になっている植物の生きていたころの姿を知っていること。
ローズマリーであれば、八ヶ岳に越したばかりで知り合いもひとりもいなく、仕事もまだしていなかったとき、お庭を見るとすくすくと育つその姿にとても救われました。
どくだみは、初めてどくだみの講座を開いたときに、こんな「雑草」と呼ばれるような草を使った講座をみんなは喜んでくれるだろうかと不安だったのですが、初めて開催した年から毎年人気の講座になりました。これは私の手柄などではなくて(笑)どくだみのおかげだと思っています。
こんな風に、暮らしの中で力を借りる植物を通して、それを摘んだ時の場所やその時々の気持ちともう一度繋がることができるような気がしています。
植物の力を借りるということは、そういう部分が大きいと私は思っています。
ケミカルなものを使いたくないから自然由来のもの、西洋医学の薬は不安なので植物療法という発想とはまた別に、植物と、その植物を育んだ土地や、そこに降る雨やそこを通り抜ける風と自分が繋がっているという感覚が人を安心させるのではないかなと思っています。
どこにいたとしても自分は自然と繋がっているという大きな安心感を持って生きていきたいし、そんな安心感をいつでも自分で持てるんだよということを伝えられるような仕事をしていきたいと思っています。
【 ローズマリーのティンクチャーの作り方 】
●用意するもの
ローズマリー葉
ウオッカ
保存瓶
●作り方
①ローズマリーの葉を洗って水けをふき、表面の水気がなくなるように少し乾かしておく
②保存瓶をアルコールで消毒する
③保存瓶に①を入れ、ウオッカを注ぎ入れる
④日の当たるところに二週間置き、毎日瓶を振る
⑤濾して使う
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