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妊娠初期とわかったら〜妊娠初期にすべき検査内容と対応について〜

はじめに

妊活をするなかで「妊娠した!」とわかったら、必ず産婦人科へ受診を行いますよね。これはなぜかというと、産婦人科で妊娠の診断をしてもらう必要があるからです。そして、妊娠の診断後には妊娠初期の間に採血やほか感染症類の検査を行なっていく必要があるからです。
今回は妊娠初期に行う検査内容や対応について、詳しくご紹介していきます。

〈このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です〉

妊婦健診の時期と間隔の目安

妊娠がわかったら、妊娠の診断を受けた後お住まいの区役所などへ妊娠届を行い、母子手帳・妊婦健康診査の受診票をもらいましょう。妊娠中の記録は基本的に母子手帳に行なっていきますので健診や検査の際、外出の際には必ず持ち歩くようにします。

妊婦健診を受ける間隔

■妊娠8週頃
分娩予定日を決め、妊娠初期検査を行います。以後、健診は4週間に1回です。

■妊娠23週(第6ヶ月末)まで
4週間に1回

■妊娠24週(第7ヶ月)から妊娠35週(第9ヶ月)まで
2週間に1回

■妊娠36週(第10ヶ月)から妊娠40週(分娩予定日)まで
1週間に1回

妊娠初期検査は上記でもご紹介しているように、妊娠8週頃に検査を行なっていきます。なぜ、妊娠初期に行うのかというと妊婦の今までの病気の有無や感染症の有無、採血検査からわかる結果で母体と胎児の健康状態を確認・管理することが目的としています。
妊娠初期の採血結果だけでも多くのことがわかります。


妊娠初期に行う検査内容

■問診
・年齢

妊娠合併症、胎児異常、分娩への影響の予測をするため
・産科歴
妊娠歴や前回の分娩の様子を把握することで妊娠・分娩経過の予測となる
・病歴と家族歴
今までの病気になったものや家族の病気、現在治療中の病気などを確認することで
妊娠合併症や胎児への影響を考える指標になるため
・婚姻状況、家族構成
出産や育児への心理的準備、家族のサポート状況を把握する必要があるため
・月経歴
分娩予定算出のため
・体格
母の低身長や骨盤が狭い場合には、低体重出生児や児頭骨盤不均衡の関連因子となることから、妊娠・分娩経過への影響を予測するため
母の肥満は、妊娠高血圧症候群の発生が高いことから、食事指導を妊娠初期から行う必要があるため
・生活習慣
飲酒、喫煙、食生活、睡眠状況は特に胎児の成長に影響するための把握する必要があるため

■身体計測
・身長/体重
妊娠中の栄養状態の悪化が進んでしまう場合も多く、栄養状態の把握をする指標の一つになります。また、身長と体重を計測することでBMI指数を計算し体重増加の目安を決定します。
・腹囲測定
子宮底長は妊娠初期には子宮が小さく測れないためこれは妊娠5ヶ月頃より開始。
・血圧測定
収縮機140mmHg、拡張機血圧90mmHg以上だと妊娠高血圧症候群も疑う必要があります。

■採血検査
・血液一般検査
貧血や妊娠を保つうえで感染をしないために必要です。とくに、妊娠中は貧血になりやすいので注意が必要です。
・HBs抗原
B型肝炎ウィルスの検査です。こちらのウィルスは分娩児に赤ちゃんに感染する恐れがあるので感染予防処置を行う必要があります。
・HCV交体
C型ウィルス感染の検査です。こちらも母の血液を介して感染するリスクが高いです。こちらも感染予防が必要になります。
・梅毒検査
性病の一種で、未治療だと赤ちゃんが先天性梅毒症候群になる場合があります。
・HIV抗体
エイズの原因となるウィルスに感染しているかどうかを調べます。こちらが陽性になると、専門の病院で確認検査が必要になります。通常の分娩の場合には、こちらも高い確率で赤ちゃんに感染するリスクが高いです。きちんとした対応が必要になります。
・風疹抗体
妊娠初期に初めて風疹にかかってしまうと、流産のリスクが上がったり胎児が先天性風疹症候群になることがあります。抗体が16倍以下の方は風疹の患者さんとの接触を避ける必要があります。
・トキソプラズマ抗体
犬や猫から感染するトキソプラズマという虫の検査です。妊娠中、初めてトキソプラズマに感染すると流産や胎児の先天性異常が見られることがあります。
・血液型/不規則抗体
分娩児の出血を考えて、あらかじめ検査をとっておきます。(輸血などの際に必要になる検査です)
・甲状腺機能検査
甲状腺機能異常があると流産、早産などのリスクがたかまるため異常がないかを調べておきます。
・血糖、糖負荷検査
糖尿病を調べます。糖尿病があると、胎児奇形の率が上昇したり、新生児低血糖の原因となったりします。
・肝機能・腎機能検査
肝臓や腎臓に分娩の際に問題になるような異常がないかを確認します。
・血液凝固検査
血液の固まりやすさの検査です。分娩時に出血が止まり難くないか調べます。
・クラミジア抗原
性病の一種です。クラミジアにかかっていると、胎児の目に感染してしまうことがあります。

検査はママと赤ちゃんを守るために必要

「こんなにも検査があるんだ…」と思われた方も多いのではないでしょうか。
必要であればこれに加えて+αで検査をされる産婦人科もありますよ。
それほどに、妊娠初期の母体状況の確認や検査はママと赤ちゃんである胎児を守るために必要なものといえます。

少し前には風疹の感染が流行っていて、これだけ予防接種などが行える現代でも赤ちゃんが感染してしまった症例がありました。
 赤ちゃんがママのお腹の中にいるうちに風疹に感染してしまうと、お腹の中の胎児にも影響し先天性の病気で心臓の病気・難聴・白内障を患ってしまうことがあります。

ママも赤ちゃんも元気に10ヶ月を過ごすためにも、妊娠初期検査はとても重要なものなんですよね。

妊娠初期検査はたくさんあって大変かもしれませんが、ママ自身と赤ちゃんのためにもしっかり検査をしてもらっておきましょう。


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