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【エッセイ】夢で逢えたらビジネス

「夢に出てくる人は、あなたに想いを寄せている」古典の授業で聞いたことある人も多いだろう。
なんて、ロマンチックかつ自己中心的な仮説。いや、仮説ですらなく、願望である。
そりゃ〜当人が四六時中、眠っている間も考えていれば、夢にも出てくるのでしょうよ、ねえ〜〜〜〜〜。

私はよく夢を見る。
登場するのは、身近な人間が多く、たまに著名人も。

ある日の夢。
私はハライチ岩井と一緒に、高校で放送委員会の仕事をしていた。
他人の夢の話なんて聞いても面白くないだろうので、詳細は記さないでおく。
今回もなんとまあ、脈絡のない夢なのだろう。起きたときの私はそう思った。

彼のことはまあ、嫌いな風体ではない。かといって、コンテンツに金を出すほどのファンでもない(偉そうに)。
だから夢に出るほど、考えている訳でもないのに。

しかしその朝から、なんとなく彼のことが気になって仕方がない。

「ハライチ岩井 かっこいい」で検索をかけてみたり(本当に気持ち悪い)、
久方ぶりにラジオを聞いてみたり・・・
ついには、彼のエッセイまで購入してしまったのだ(しかも2冊)。

以来、彼はボワ〜っと心の隅を占拠し続けており、
元来芸人を色眼鏡で見ることを好まない私は、
上記の行動をとる自分自身を気味悪がって観察している。

夢には、普段意識していない相手も登場し、
目覚めた時には「何故!?」とつい考えてしまう。
分からなければ分からないほど、考える時間が増える。相手のことが気になってしまうのだろう。

ここで平安の夢分析を振り返る。

平安貴族の夢に出てくるのは、きっと想い人だけではなかったのだ。
記憶の隅にある人物が、突然登場することもあったはず。
だからこそ「相手が私を想っているからこそ、夢に出て来たのだ」という解釈が、違和感なく流行したのではないだろうか。
その考えに至った時点で人は、すでに恋に落ちてしまっている・・・。

近い未来、夢を利用した広告、なんて流行るかもしれない。

例えば無数の夢を乗っ取り、新人俳優のプロモーションを行う。
眠りの中で、恋人にでも、憧れの先輩にでもなってやるのだ。
起き抜け、寝惚けながらも検索をかけるだろう。
「〇〇(名前) かっこいい」と・・・

さながら集団催眠のようだが、アイデアとしては悪くない自信がある。
えらい大人たち、いかがだろうか。


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