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タクシー会社に転職した夫が4回走って心が折れた件【隔日勤務の恐ろしさ】

タクシーの運転手さんって、本当に大変な仕事だと改めて思い知りました。

今も道を走るタクシーを見ては「事故には気を付けて頑張ってください」と思いをはせています。

こんにちは。限界通り越して臨界点到達中OL・ゆうと申します。
以前、本noteでこんな記事を公開しました。

『50歳の夫が転職した。』

夫(50歳)が転職で思い切ってタクシー業界に殴り込みをかけました。
…ここまでは良かったのですが。

えー、結論から申し上げます。

夫氏、タクシー会社をわずか2ヶ月で退職しました。

wwwwwwwwwwwwwww
(笑うしかねぇ…この状況!)

記憶がしっかり残っているうちに詳細をお伝えします。
特に『タクシーの隔日勤務に興味がある・やってみたい』と考えている方に読んでいただきたい内容になっているかと思います。

タクシーのお仕事、入り口までは良かったけど

夫は自動車の部品メーカーからタクシー会社への転職をしたわけですが
「転職エージェントからの紹介→面接→内定」
ここまでは結構スムーズだったんです。

入社した後からが問題でした。

普通免許二種・地理試験合格の壁は何とか超える

タクシードライバーやバス運転手など『車両にお客様を乗せてお金を頂くお仕事』を行うには「普通免許二種」(通称・二種免)を取る必要があります。

更に、夫が転職したタクシー会社の担当エリアは『地理試験』に合格しないとならないそうです。

タクシー運転者になるには、東京タクシーセンターで事務を代行し実施している「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に合格しなければなりません。試験は、タクシー事業に係る法令、安全及び接遇と当該指定地域に係る地理の二科目に分けられ、二科目の試験に合格点を得た者に合格証を交付します。

輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験|公益財団法人東京タクシーセンター

(※補足・東京都以外にも神奈川県・大阪府の一部地域も地理試験対象)

ちなみに「地理試験」の存在は夫がタクシー会社に転職することになって初めて知りました。
特に東京の試験は難易度が高いらしいです。
都内で走っているタクシーの人はそんな壁を越えた精鋭なんだよなぁ…と感慨深くなります。

二種免は入社後、東北地方の自動車教習所の合宿教習で2週間近くで無事に取得しました。
(※宿泊先のホテルは特にお米が美味しかったそうで感動してました)

しかし地理試験はかなり苦戦していました。
試験を11回受けてようやく受かったそうです。じゅういっかい。
(※会社支給の過去問を何度もこなしようやく受かるほどの難易度)

こうして夫は何とか『二種免取得・地理試験合格』の壁を乗り越え、タクシーのお仕事を始めることになりました!

しかし、本当の地獄はここからでした。

意気揚々と慣らし乗務…したものの

さて、タクシー会社に入社してから早1ヶ月。ようやく実地での乗務開始です。
まずは5回慣らし乗務(対応エリアの流し営業のみ。無線や「TAXI GO」のような配車アプリは利用せず)を行い、徐々に通常乗務にシフトしていくそうでした。

初回はベテランドライバーとの同乗で、以降4回は一人で運転。
いや独り立ちのタイミング早くないか?…そんな私の心配をよそに夫の慣らし乗務も始まりました。

ちなみに『7時~24時(休憩3時間)+帰庫(帰社)→翌日は必ず休み+公休』このサイクルで動くそうです。

が……。想像を絶する過酷な日々が夫を待ち受けていました。

憔悴した夫が帰ってくるのは、午前3時~4時

入社直前夫
『タクシーの隔日勤務ってさ、拘束時間は長い(20時間ほど)けど次の日は必ず休めるし、公休も別にあるから出社日は少ないんだよな』

何も知らないのんきな私
「へぇー。結構自由な時間使えてよさそうだね!」

現実をまだ知らない夫
『出勤日の明け休みは仮眠取って家のこともできそうだし楽しみだな!』

夫の転職が決まったある日の会話~本当の地獄をまだ知らないのんきな夫婦~

そんな希望的な観測は、2回目の慣らし乗務を終え帰宅した夫の姿を見て打ち砕かれました。

慣らし乗務・初日(ベテランドライバーとの同乗日)。
その日は午前6時に帰宅しましたが、何かこう…すごく、ボロボロでした。
長すぎる拘束時間と先輩からのダメ出しの嵐、前職とのギャップに心底やられたようです。

その後、数日間隔日勤務を終わらせてきましたが…帰宅時間は午前3時~4時過ぎ。
口数も減り、シャワーも浴びず布団にもぐりその後は翌日の昼過ぎまで使い物にならない日々。
その後何とか布団から出るも…夕方まではソファーから一歩も動けず。
ちなみに私は何回か寝落ちした夫を起こしています。

これ…普通にヤバくないか?……( ゚Д゚)

隔日勤務って想像してた以上にしんどいのね

私、タクシーの隔日勤務を大きく勘違いしていました。

以前の記事でも少しふれましたが、
たとえ拘束時間が長くても「ブラック企業なら平気で15~18時間近く拘束するしてくるし慣れれば案外平気じゃね?」と…。

そう、夫が実際に走り出すまでは。

タクシーの隔日勤務。
それは、適性が無い人にとってはしんどいだけの超長時間勤務+見通し悪く怖い夜道を面倒な客に怯えながら過ごすことだったわけです。

ブラック企業での労働よりヤバみが深いんじゃないか?これ…。

「深夜に走るのめっちゃ怖い!」毎日のように零れる弱音

慣らし期間中の夫がずっと言っていたのは『とにかく深夜帯に走るのが怖い』ということ。

特に怖いポイントは3つあるそうで。

  • 担当エリアは飲食店や飲み屋が多く、週末~休日の深夜は人が増える

  • 夜になると酔っ払いやクレーマー気質のお客様が急増する

  • 走る場所によっては急こう配の坂道やカーブが見通し悪くなる

特に二つ目の酔っ払い客やクレーマー気質※のお客様に絡まれるのが本当に怖いらしく、日に日に走ることへの恐怖心を募らせていました。

(※)
【ある日】
夫「シートベルトの着用をお願いしております」
客「はぁ~?何その言い方ムカつくんですけど~ww」
夫「」
【またある日】
夫「シートベルトの着用をお願いしております」
客「…何でシートベルトしなきゃならないのか意味わかりません」
夫「」

素直にシートベルトを着けると●ぬ病気疑惑のお客様(笑)VS新人ドライバー(50)の図

ちなみに、夫はお酒を一切飲まない+小さいころに悪酔いした親類にしつこ過ぎるウザ絡みをされたこともあり特に酔っ払いの人に対しての苦手意識が強いです。

とにかくこの頃の夫は毎日のように、

『深夜に走るの怖い…酔っ払いのお客様怖い…もういや…( ;ω;)( ;ω;)( ;ω;)』

と愚痴をこぼしまくっていました。

4回目の慣らし乗務終了後…ついに心が折れる

暗雲が立ち込める…どころか真っ暗でしかない先行きでしたが、その日がついにやってきました。
4日目の慣らし乗務が終わった後、夫は「もう無理、やっていけない」とギブアップ宣言。
予想はしていましたのであまりビックリはしませんでしたね。

入社からわずか2ヶ月の出来事

4回目の慣らし乗務後ギブアップ宣言をした夫は、次の出社日に会社に出向き退職の手続きを進めてきました。

ここまで入社からわずか2ヶ月の出来事。

会社からは「諦め早すぎィw」「君よりずっと年上でも隔日(勤務)やれてるのにww」「慣れれば明け休みでも遊べるのにw」「家事と両立できない?君が慣れるまでの間は奥さんにやらせれば良いじゃんwww」
など。入社わずかの人間に対しては過剰な引き留めを喰らったらしいですが、必死に振り切って辞めてきたそうです。

仮にも関東界隈の大手タクシー会社様が『夫が仕事に慣れるためなら妻を犠牲にするのは仕方ないし当たり前』的な思想を植え付けて適性が見いだせない人も無理やり働かせるスタイルなのはどうなんだよ…。
どう見てもブラックです本当にありがとうございました。なのでそういうのやめたほうがいいと、危うく我慢を強いられた妻は強く思います()

私「しゃーない。切り替えていけ」

夫「ゆうさん…50歳で転職したのに直ぐに辞めることになっちゃったよ…ごめん( ;ω;)」

私「しゃーない。合わない環境や働き方で無理してたらいつか倒れるでしょ。私はそっちのが困る。切り替えていけ!」

夫「うん。次は日勤でのタクシードライバーか、2トントラックの運転手あたりで探すわ」

よっしゃ!やったれ50歳(もうすぐ51歳)転職活動おっさん!!
…と、妻は陰で応援するしかないのが歯がゆいですが(ちなこのnoteも応援の一環)無事に働きやすい環境に移れることを願ってやみません。

最後まで読んでくださいましてありがとうございます。
皆さんの人生にも幸多からんことを。

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