少女の頃の憧れと内緒の快楽。
中学生時代
阿部定事件に何故か猛烈に心を捕らわれて、熱心に調べていた事がある。
愛する人の一部分を持ち歩き自分と同化させたい想いは
少女だったあたしの中で美化されてしまい、内緒の歪んだロマンになってしまった。
もしかすると、その世間を驚かせ怯えさせた犯罪行為は
自分にとっては羨望の恋物語だったのかもしれない。
今でも好きな人や好きな物の匂いは執拗に嗅ぐ事がある。
なんならその一部を可能な限り口に含んだりする事への高揚感がある。
そして、肌に触れる全てに全神経を集中させてコッソリと淡いトリップを味わう。
この本は、そんな全てを許してくれる深さのあるお話だった。
本当に西加奈子さんの、一般的にグロテスクだとされる事柄の描写を清々しく美しく表現出来る筆力に感動!
たくさんの方々に愛される理由が
読むほどに、解る。
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