見出し画像

2023年6月 信州温泉逍遥2023②【田沢温泉 ますや旅館】

前回

6/3 前回〜長野県青木村

「東横イン 群馬伊勢崎駅前」をチェックアウトし、向かったのは高崎市の「少林山 達磨寺」。縁起だるまの発祥とされる

達磨堂にすっぽりと収まっている体長約2mのだるま。目の前で見ると想像以上の威圧感。こっちに倒れてきそう

本堂の霊符堂。気温が上がってきて汗ばむような陽気のなかでの参拝であった

御堂には数多の達磨が祀られていた

ここを訪問した理由はいわゆる聖地巡礼。大泉洋(タレント)の出世作である水曜どうでしょうの「72時間!原付東日本縦断ラリー」に登場しており、その筋の連中にはあまりにも有名

まるっこくて愛らしいだるまの面々とも仲良くなった。これがanju旅

引き続きR18を西に進み、安中市「ニューアルプス」へ開店突撃

以前からロードサイドに佇む昭和チックなファサードに惹かれており、この日の昼餉はここと決めていた。特徴的なオレンジ色の日除けが目を引く

内装も完全にストライク。やさしいおばちゃんが接客してくれた

ポークソテー(ライス・サラダ付)をいただく。バチバチと音を鳴らす鉄板は年季が感じられた

熱いうちにポークソテーにナイフを入れ、老舗の味に舌鼓を打つ。半熟とろとろの卵だけが正義ではありません。カリッと焼けた卵もまた、老舗感が出ていて良いじゃありませんか

碓氷バイパスを抜けて長野県へ突入。宿へ向かう以外の予定は何も立てていなかったので、無闇に寄り道したりしていた。ここは何処だ……

無計画下道ドライブの末、石畳の坂道が印象的な青木村の田沢温泉に到着。ここで今回の同行者であるSさんと落ち合った。
Twitterで知り合って以降、何度か顔を合わせていた。お互いにソロでの温泉旅が多く、泊まれる宿に制限があるという話題から、1人では泊まれない温泉宿(部屋)に泊まろうということで同盟を結んだ経緯がある。

そしてこの日の宿、「田沢温泉 ますや旅館」。5月に投宿した霧積温泉 金湯館と並んで、長らく憧憬の宿であった

貫禄の建屋は登録有形文化財。iPhoneの広角撮影でやっと画角に収まった

チェックインの少し前に到着したのだが、写真を撮っている自分達を見つけた主人が玄関を開けてくれた。
近ごろお世話になった宿の中ではどちらかといえばハイランクな方なので、ちょっと恭しく接客されただけで恐縮してしまう

今回お世話になったのは、本館を臨む眺望が素晴らしい二間続きの五十一号室。感嘆の声しか出ない

この部屋がある階の宿泊客は自分達だけとのことで、実質1フロア貸切でした。

温泉も気になるところだが、Sさんが廊下の窓からネコを見つけたというので外に出てみることにした。
裏手から見た建屋もこの迫力。湯治客で賑わう昔日の幻影をみた気がした

田沢温泉のネコ。自分達の前に近づいてきたかと思えば、徐ろにアスファルトの上に寝転び始め、はよ撫でろと言わんばかりのこの態度。完全に失われた野生

なに見とんねん

野生というより温泉街で人間とともに暮らしているといった方が正しいかもしれない。温泉街とネコの組み合わせは心の栄養になる

宿に戻り、まずは大浴場へ。緩やかな下り坂の渡り廊下を進む

分岐を真っ直ぐ進み階段を降りると卓球室(ピンポン室)がある

1998年公開の映画「卓球温泉」の舞台になったとのこと。入浴前に暫し卓球に興じた

壁にはピースの広告ポスターが貼られていた。そもそもタバコのポスター自体が現代では絶滅状態だが、キャッチコピーのセンスにもだいぶ時代を感じる

大浴場と露天風呂は、2号泉と3号泉の混合泉が素晴らしい塩梅の湯温でかけ流されている。体感的にはだいたい38℃〜39℃。ふわっと薫る硫黄の香で笑顔になりました。

大浴場にさっと沈んだ後は2つある貸切風呂へ。
こちらは贅沢なことに1号泉が単独でかけ流されている貸切風呂。もとの湯温に加え、投入量がかなり絞られている関係で、浴槽の湯温は30℃前半くらいだった。もう片方の貸切風呂は大浴場と同じくらいの湯温だったので、そちらにじっくりと浸かっていた

18時から夕餉。地のものが並ぶ景色に期待が高まる中、食前酒の梅酒のカクテルを吸い込んだ

自分は上田の地酒「和田龍」、Sさんはラガー大瓶で乾杯。「一緒に酒を飲みたいですね」と以前から話していたのだが、今回ついに盃を酌み交わすことができた

枝豆餡でコーティングされた茶碗蒸し。中にはチーズのほか、なんと鰻が入っていた

信州サーモン、馬刺し、鯉の三点盛り。

焼き物は筍。「焼き物」と聞いて、勝手に鮎の塩焼き的なものを想像していたので驚いた。皮を剥くと現れる艶やかなその代物は、歯ごたえと柔らかさが両立された素晴らしい食感

郷土料理の鯉こく。この時点で腹がはちきれそうだったので、次の日の朝餉に持ち越した。とにかく口にするものが全て美味しかった。
そして何より、本当にスタンダードプランなのか仲居さんに確認してしまうくらい凄まじいヴォリュームだった

玄関
本館と別館を結ぶ階段

食休みがてら軽くカメラを携え館内を歩く。夜もまた素晴らしい趣です

昼間は手先を浸けるだけにとどめた1号泉のぬる湯に沈没。流石にひやっとしたが、品のある硫黄の香りがすうっと鼻腔を満たした。猛暑日の昼間に浴びたら昇天ものの爽快感が味わえそうです。そして再び隣の適温貸切風呂へ

昼間撮ったやつ

外部からほんのりと明かりが差し込んでいたので、照明を落として1時間近く入浴。貸切風呂の入浴は21時までなのだが、あまりの気持ち良さに15分ほどオーバーしてしまった

ここにきてやっと胃のキャパが復活してきたので、仲居さんが運んでくれたデザートと追加の酒を広縁で嗜みながら時間を過ごした 

広縁から臨む本館。雲ひとつない夜空に満月と、この景色を楽しむ為の最高のコンディションが揃っていた

気が付くと日付が変わっていた。2日目終了

続く

この記事が参加している募集

#旅のフォトアルバム

38,108件

#至福の温泉

4,458件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?