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まちづくりと療法士

理学療法士(PT)でコンサルタントのです。

まちづくりの仕事などをさせてもらう中で、PTが地域や予防などで活動する際に気になっていることを記載していきたいと思います。

療法士は、
できた場に呼ばれる運動指導者だけでなく
地域の場のデザインをする人材になるべきだと思っている

1.目指すべき方向性と課題

まちづくりにおけるPTの現在の課題と今後の方向性として、
地域・予防の理学療法士の現状である「場に呼ばれた運動指導者」の立ち位置を脱却しなければ、負の循環に陥る可能性もある。

現在は、運動指導者:下流工程(収入低めorボランティア)
であるが、
今後は、地域をデザイン:上流工程(収入高め)
も担う必要があると思う。

図1に、活動場、視点、姿勢、介入方式、給与、人材の項目を設け、現在と今後を比較した。
出来上がった場で活動するのではなく、場を創ることが重要となる。
その為には、広い視点、積極性、言語化能力は課題であるが、極めて重要となる。

まちづくりにおけるPTの現在の課題と今後の方向性02

図1 まちづくりにおけるPTの現在の課題と今後の方向性

臨床PTとして、プレイヤーも経験しているからこそ、デザインをする時に強みとなることも多くあるはずだし、地域と高齢者についてよく知っているPTは地域のデザインをする際にも心強い。

現場も知っていて、マネジメントやデザインもできる人材は貴重であり必要とされる。


使われる身だけになってしまうと、本当により良いサービスが提供できなくなくなる。
PTがまちづくりで担うべきところとして、プレイヤーも経験した身だからこそわかるマネジメントや場のデザインを今後は強みにして担っていくべきだと思っている。(図2)

地域の場をデザインできないと、いつまでも、出来た場に安い値段またはボランティアで誘われる運動や体操の指導ができる都合のいい存在(プレイヤー)となる。

(プレイヤーの立場の場合としても、予防と機能訓練は、ある意味、真逆だから、スキルも違うと思っている。)


PTがまちづくりで担うべきところ

図2 PTがまちづくりで担うべきところ


2.今後の流れ

上述の「1.目指すべき方向性と課題」を踏まえて、今後どういう勉強・スキルが必要か考えてみた。

理学療法スキルはもちろんのこと、理学療法だけでできることにも限界があり、共通言語の獲得や今までの知見も活かせ、広い視点をという点でも、公衆衛生を学びたいという人が増えてくるであろう。その次には、政策(健康政策など)を学びたいという人が増えて、政策を行う上でも、ただ良いものというだけでなく、費用対効果や持続可能的なものにするため経営・経済を学びたいという人が出てくる流れになると思う(図3)。

今後のPTの流れ

図3 今後のPTの流れ

ストレッチや筋肉などのニッチな部分の研究ももちろん重要であるが、
職域拡大や地位向上を目指すのであれば、もう少し、地域のデザインなど上流工程の研究やビジネスを地域や予防では行うべきだと個人的には思っている。
(体操の効果が少し向上したくらいでは、職域拡大や地位向上はしないと思う。)


私見を述べてきましたが、これはあくまでも一例である。

例えば、上流工程の元請(1次請け)けと下流工程の3次請け以下の格差が顕著なSIerの世界で、
プレイヤーでもAIエンジニアやビッグデータスペシャリストなどの超高スキル人材は、超高待遇であり、世の中をより良くしている。
療法士業界であると、めちゃめちゃ徒手療法が上手い人に、当てはまるのかもしれない。

目的によって、手段も変わる。
あくまでも参考までに。

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