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『未解決事件 グリコ・森永事件捜査員300人の証言』を読みました。

 
未解決事件 グリコ・森永事件捜査員300人の証言

著者:NHKスペシャル取材班


内容紹介
日本を震撼させた劇場型犯罪、グリコ・森永事件。時効も迎え、人々の記憶から忘れ去れようとしていく今、元捜査員に取材し、どうして犯人逮捕にいたらなかったのか、その総括は?にせまる。



グリコ・森永事件といえば、当然知っている。
キツネ目の男だし、毒入り菓子ばらまきだし、未解決事件だ。

しかし、よくよく考えてみると、それぐらいしか知らない。
何しろ、昭和59年に発生した事件なので、その当時俺は4歳だし、数ある事件を扱った書籍なども一冊も読んだことがないし、テレビの特集も見たことがないので、当然知るわけがない。

と、言うわけでもないが買ってしまった。

事件は江崎グリコ社長誘拐事件から始まる。
その誘拐方法も、人気の無い道ばたで誘拐するとかではなく、早朝から自宅を襲撃して攫う、という海外の犯罪さながらのやり方だった。

江崎グリコ社長は自力で逃亡し助かったが、その後、脅迫状が届いたり、工場放火、毒菓子ばらまき、かい人21面相を名乗り、マスコミにも挑戦状を送りつけ、お金の受け渡しも場所を指定し、そこに置いてある紙に書かれた指示にしたがえとたらい回しにする。

それゆえに劇場型犯罪と呼ばれたのである。

本書には元捜査員の、犯人逮捕にいたらなかった苦渋の無念が、読めば読むほどにじみ出てくる。

そして、時効を迎えてるいたったその原因が、いまいちハッキリとしない。
兵庫、大阪、滋賀、京都など、広域に広がったことで、お互いに「自分達が上げたい」というプライドがかち合ってしまったせいのか、なんなのか。
一人の元捜査員が原因はコレにある、と言えば、別の元捜査員はそこにはない、と言う。

立場が変われば考え方も変わるしそれも理解はできるし、なにより、読んでいてなんとなく原因が透けて見えてくる。

番組に対する、当時の大阪県警のトップとして捜査を指揮した人からの反論。
その反論を読んでいて、正直、怒りが沸いてきて、本を叩きつけそうになった。

むしろ、原因はひとつなんじゃないかとすら想った。

残忍な事件、あるいは未解決事件をあつかった書籍というものは、当たりが多い。

被害者のいることだから、大声でそういうのは正直気が引けるどころか、言ってはいけないのだろうが思う。

不謹慎でも、面白いのは確かなのだ。

ごめんなさい。。。






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