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『ホワイトゾンビ』観ました。


ホワイトゾンビ

監督:ヴィクター・ハルペリン
脚本:ガーネット・ウェストン

出演者
ベラ・ルゴシ
マッジ・ベラミー
ジョン・ハロン
ロバート・フレイザー
ジョセフ・カーソン

あらすじ
ニールとマデリーンは挙式をあげる為にハイチのボーモン邸を訪ねる。道中の途中で、ゾンビの集団を目にするが、愛し合う二人には何の不安もなかった。
ボーモンは二人に親切にするが、此れにはとんでもない理由があった。マデリーンをニールから奪い取る為だったのだ!ボーモンは恐怖城に住む謎の男(ベラ・ルゴシ)と恐ろしい計画を企む。それはマデリーンに毒を盛り、ゾンビにすると云うモノだった。
しかし、本当は悪魔の仕業ともいうべき謎の男の仕掛けた罠の一部にしか過ぎなかった・・・。


『ゾンビ』とはどういうものか?
そう問われたら、

●死んだ人間が理由はわからないが起き上がる。
●起き上がると、これまた理由はわからないが人を襲う。
●襲われた人は感染し、ゾンビになりまた人を襲う。

そんな姿を容易に想像するだろう。

それは、ジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でそのように設定したからで、この映画はまさしく聖典、バイブル、経典と言える。

上記で『理由はわからないが』と書いたのは、まさしくこの聖典でも、それ以降のロメロのゾンビ映画でも説明はなされなかったからだ。

感染と書いたから病原菌が理由、かと思われたかもしれないが、俺が知るかぎりバイブルにはそんな説明はなかった。

そんなモノは、あとから誰かが勝手に作った設定にすぎない。

そのそのゾンビが走ったりっての――などと言い出すと長くなるので割合しておく。

ゾンビをひとつのアイコン化したのがナイトオブザリビングデッドだとしたら、それ以前のゾンビとはどういものだったのだろうか?

そもそもゾンビ映画というのは存在していたのか?

俺が調べた限り、世界初のゾンビ映画はこの『ホワイトゾンビ』だ。

そして知っているゾンビ像と全然違う。

冒頭、ボーモン邸についた二人に、馭者が来る途中で見かけた謎の集団が何者だったのか説明するのだ。

『ヤツらは人じゃ死体ですよ、ゾンビです。墓から這い出してきた、生ける屍です。夜な夜な、砂糖工場で働かされてるんです』

さ、さ、さとう工場……で、働かされている……。
なんと恐ろしい。
しかも夜な夜な働かされるなんて、なんて恐ろしい!!
経典以前のゾンビは砂糖工場でブラック労働を強いられていたのだ!!

などとふざけてみたけど、これはハイチが舞台だと考えると、現地人、原住民労を奴隷化しているということなのだろう。

その現地人ゾンビに対して、美しい白人女性ゾンビで『ホワイトゾンビ』なのだろう。

ゾンビ自体、死体が復活と言っているものの、見ていると、どうやら仮死状態ぽい。

どうも設定が安定していない気がする。

こんな映画、俺が紹介したところで誰も観ないだろうからネタバレさせてもらうけど、ボーモンという男は本当に最低で、「家で結婚式挙げなよ」なんて言って誘いだして、横恋慕バリバリで、ブードゥー教司祭のルジャンドルの口車に乗ってマデリーンをゾンビにしたあげく、ゾンビだけに生きていても意志、自我がない、生きる人形のようなマデリーンをみて、「こんなん思てたんとちゃう!」と一人嘆き悲しむとか、胸くそです。

その点、ベラルゴシ演じるルジャンドルは、言葉巧みにゾンビ化させる方に持って行き、「こんなん思てたんとちゃう!」というボーマンに、「美しい絵を毎日いつでも眺められるようなもんだろ、すばらしいじゃないか」と、妙に達観したようなことを言う。
それでいて、こいつもこいつでマデリーンをゾンビ化させ、なにか目的があるようなことを言う。

こいつら、昏睡レイプ犯だと思う。


名場面1:な、なんて恐ろしい!!


名場面2:式場の部屋に向かう途中でもくどうこうとするクズ野郎。


名場面3:贅沢言うんじゃないの!


名場面4:ゾンビグリップ、って言うらしいです。


って感じの名場面を拝めました。
だから映画鑑賞はやめられない。





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