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長い冬の始まり

10月になったそうです。今年度も折り返しなんですね。長らく続いた投稿生活でいつも出していた新人賞の〆切が3月末ということもあったから、学生じゃなくなってもまともな社会人じゃなくなっても、年度を意識して生きていました。それが終わってしまってからは、暦という概念もふわふわしています。

村谷由香里です。
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高校生のころ仲の良かった友人が、昔「美しい言葉は寒いところで育つ」と言っていたのが好きで、今もときどき思い出します。彼女は太宰治の小説と秋田おさむの歌詞が好きだった。わたしはその言葉を聞いて、宮沢賢治を思い出していました。

わたしは瀬戸内海に面した町の生まれだから、冬でも滅多に雪が降らない温暖な気候の中で生きてきました。それでも、小説を書くのは確かに、寒い冬の方が適していると思っていた。小説を書く風景を思い浮かべると、足先を冷やしながら、着る毛布にくるまってキーボードを叩く感覚が蘇ります。

公募に出す小説はいつも、10月くらいからプロットを立てて、12月くらいに書き終えていました。あと1月から3月までの間にもう1本。それを創作の主軸にしてアリオトの本も作っていたんだからよくやってたもんです。

好きなものしか書けないなと思って、好きなものだけ書いていた。7年結果は出なかったけど、あれはあれで幸せな冬だった。戻れなくなってから実感しますね。
10月になったので思い出していました。わたしにとっては、長い冬季の始まりの日です。

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