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ホワイトデーの話

3月14日、世間はホワイトデーですが、わたし(フリーライター)と恋人(税理士見習い)は確定申告で忙殺されており、ここ数年バレンタインデーにお互いお菓子を渡しておしまいにしています。

こんにちは。村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

わたしの恋人は料理やお菓子作りがわたしよりはるかに得意で、今もわたしがカップラーメンや冷凍食品で日々の食事をまかなっていると甲斐甲斐しく筑前煮やミネストローネスープを鍋いっぱいに作って持ってきてくれます。福岡の母。いつもありがとう。

もう10年くらい前のホワイトデーの日、わたしたちは山口と福岡の遠距離恋愛の只中でした。当日は平日で会う予定もなく、わたしは大学の授業を午前中で終え、恋人と電話をしながらアパートに帰っていました。

わたしのアパートは大学から歩いて15分程度の場所で、路地に面した1階の角部屋でした。アパートに近づくにつれ、何だか甘い匂いがすることに気づきます。
誰かがホワイトデーのお菓子でも作っているんだろうかと考えながら部屋のドアの前に立つと、「着いたでしょ」と不意に電話の向こうの恋人が言いました。わたしが何か言う前にドアが開き、そこには福岡にいるはずの恋人がいて、携帯からも目の前からも「おかえり」という声が聞こえました。
わたしが驚いて目を白黒させていると、彼は愉快そうにけらけら笑い、
「もうすぐイチゴのタルトができるからね」
と言いました。

あのイチゴのタルトが人生で一番美味しかった、という話をあれから毎年するのですが、本人は照れくさそうに笑って「ゆかりちゃんその話ほんとに好きだよね〜僕はあんまり覚えてないな〜」と言います。

遠距離恋愛は良い思い出ばかりではありませんが、あれは本当に遠距離ならではのハッピーな演出でした。めちゃくちゃ嬉しかったので孫の代まで語り継ぎたいと思います。

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