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食べ物の話12〜夏の食べ物編〜

みなさまに好きな食べ物を伺ってエッセイを書くコーナーです! 滞っておりすみません!
マシュマロにメッセージをくださった方ありがとうございます。

こんにちは。村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

いただいたメッセージはこちらです。

スイートコーン美味しいですよね。確かにお高いので一人暮らしの身にはなかなか手が出ない代物なのですが、実家にいたころは夏場に茹でたスイートコーンを食べておりました。

とうもろこしを食べているときって完全に思考が無になりませんか。わたしはあの粒々を食べている間マジで粒々を食べること以外何にも考えられなくなります。

夏の食べ物と聞いてまず思い浮かぶのはきゅうりですね。きゅうりが好きです。
ご存知の方も多いかと思いますが、きゅうりは95%が水分です。もうそれ水じゃん。牛乳の水分が88%くらいなので、液体の牛乳よりきゅうりの方が全然水です。

執筆をしているとストレスが尋常じゃないのでめちゃくちゃものを食べてしまう、という話は以前もしたかもしれません。ラムネ回のときにしたかな。
せんべいやポテチは胃がやられるので基本的にラムネとかグミを食べているのですが、その辺も糖分が尋常じゃないので、夏場は積極的にきゅうりを食べるようにしています。
水だから太らないし!
好きな味付けはごま油と塩をまぜたやつです。油を取ることに関してはもう目を瞑ってほしい。

3本で97円のきゅうりの袋を買ってきて、洗ってヘタを取ったものをそのままばりばり齧って食べます。スーパーには年がら年中きゅうりが売ってあるのだから、夏にこだわる必要はないのかもしれませんが、なんとなく夏季限定にしています。

例によって、大学生のころの話をします。
全然お金がない宅飲みで、安い缶チューハイときゅうりだけ買って友達の家に集まって、もくもくときゅうりを齧るのが好きでした。

クーラーのない部屋だったんですよね。当時はまだ今みたいな殺人的な暑さじゃなかったから、暑い暑いと言いながらも夜風が入り込めば涼しかった。ぬるくなった缶チューハイも、単調なきゅうりも、本当に貧乏の極みみたいな味だったのに、夏だというだけで絵になっていました。

遠い、青春の終わりかけの景色です。
あれを思い出すから、わたしは夏場にきゅうりを齧るのかもしれません。わたしの小説にはいつも、どんな話でも、大学時代の自分や誰かがいる。そして夏の話ばかり書いてしまうんですよね。青くさいきゅうりの味が、何かのスイッチになっているのかも。

そしてそんな夏の記憶も、本当は実在なんてしなくて、いつかわたしが書いた小説のワンシーンに過ぎなかったりするんです。

夏は自分と世界の境界線が曖昧になりますが、夏の記憶は虚構との境界線が曖昧になる。
それでも、わたしは夏にきゅうりを食べます。自分が作った物語かもしれない、愉快な記憶を呼び覚ますために。

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