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オペ看って

こんばんは。


繁忙期も一旦落ちつき、ここ1週間はなんだか気力の湧かない日々が続いています。。
通常であれば、五月病と呼ばれるような抑うつ状態も、今年はコロナの影響で各所6月スタートとなっていることから、五月病ではなく、”七月病”とも言われているそうですね。(弊社は全く関係なく稼働していましたが。。)

今回はオペ看について書いていこうと思います。


オペ看のイメージ

新卒1年目、実習でもオペの見学すらまともにせず、"なんとなく向いてそう"というフィーリングだけで第2希望に記入したところ、見事オペ室に配属された私は、イメージする暇もなく現場へ放り出されたのでした...

"オペ看"と聞いて、皆さんどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。


自己紹介の時に「仕事はオペ室の看護師してます。」と言うと
「えっ!?あのドラマとかでメスって言われて渡したり、医者の汗拭く人??」
と、大体こんな反応が返ってきます。

同期の病棟看護師にさえも、
「オペ看って何してるの?」
「大変そう。。」
と言われる始末。。

(ちなみに「オペ看」でググると「オペ看 怖い」という候補が出てきますw)

周りからすると謎に包まれているオペ看の仕事…


実際は?

皆さんのイメージは間違いではありませんが、オペで医師にメスなどの器械(※)を渡すのはオペ看の仕事のごくごく一部です。
※器械とは・・・メスなど、手術で使う道具のことを指します。他に鑷子、ペアン、メッツェンなど手術では様々な器械を使っています。

オペ看は手術を円滑に安全に行うため、医師と手術を受ける患者さんのサポートをしています。  

オペ看の仕事は主に2つあります。

1つは、上記で書いたようにオペ中医師に器械を渡したり、医師の直接的なサポートをする直接介助
直接看護師、器械出し看護師と呼ばれ、単に医師の指示のもと器械を渡しているように思われがちですが、術式、手術の進行に合わせて、適切な器械を適切なタイミングで渡しています。
(医師が必ずしも指示を出してくれるとは限らないので、手を差し出されたら、医師の意図をくみ取り、器械を渡すこともあります)
そのため、術式や解剖、器械の知識はもちろん、医師の好みなども把握しておく必要があります。
また、器械出し看護師は術中、器械やガーゼの位置を把握するという非常に重要な役割があります。
必要なタイミングで器械を出すためにはもちろん、体内残存を予防するため、器械台と術野を行き来する器械、ガーゼの数や位置を常に把握しています。

2つ目は、手術中の患者さんのお世話など、器械出し以外の役割を担う間接介助
間接看護師、外回り看護師と呼ばれ、患者さんが手術室に入室してから病棟へ申し送るまで、患者さんの身の回りのお世話をしたり、術中にはバイタルのチェック、手術中の記録や手術に必要な物品の提供などを行っています。
外回り看護師は器械出し看護師同様、術式や器械の知識はもちろん、全身麻酔の知識や患者さんについての理解も必要となります。
幅広い知識や臨機応変な対応力が求められることから、経験年数が上の先輩が担当することが多いです。

私のいた病院では(ほかの病院も同じ?)どちらも同様のタイミングで習得していくスタイルだったので、今日は器械出し、明日は外回りといった具合に業務に当たっていました。


病棟と比べて

私自身、就職してからオペ室のみの経験で、病棟は実習で少々雰囲気を体感したくらいなので、定かではないですが、同期の病棟看護師から聞いた話などから思うことは、”求められる知識が多く、勉強量が半端ない
ということでしょうか。

病棟の場合は、その病棟の担当診療科の知識や治療・療養に関する看護スキルが必要となりますが、呼吸器外科や消化器外科といった、特定の疾患の患者さんの対応となるので、言わば”狭く深く”知識や技術を習得していくかと思います。

それに対しオペ室は、病院の規模によって異なるかもしれませんが、あらゆる診療科の手術を担当するのに加え、全身麻酔の知識も必要になるため、”広く深く”知識を習得する必要があります。

オペ看だった時のことを振り返ると、確かに、毎日オペの予習復習に追われていました。
ある程度経験を積み、慣れてきても、毎日違う診療科の手術の担当になることが多かったので、切り替えも大変です。
(診療科や、執刀医の先生によって手術のお作法が異なってくるのです。。)

とはいえ、私自身は病棟の業務を経験したことがないので、病棟の方がはるかに大変そうに見えます。。


オペ室のいいところ


ここまでの話だけだと、「うわっ、オペ看ってやっぱ大変そう、、」と思われるかもしれませんが、いいところもたくさんあります!

まず、勤務体制。
手術は基本的に緊急の症例を除き、事前に予定されているものになり、病院の診療時間に則った時間で執り行われます。
(診療時間はだいたい平日8:30~17:00となります)
そのため、オペ看は平日8:30~17:00の勤務が基本となります。
また、夜勤もありますが、病棟ほど頻度は高くないため、子育て中の主婦が多く活躍しています。
コールや当直もありますが、基本的に休みが土日になることが多いので、独身としても、友達と休みの予定が合わせやすかったり、平日の夜もよほどのことがない限りは定時で上がれるのでプライベートの予定が組みやすいというメリットがあります。

次に、みんなゼロからのスタートであるという点です。
オペ室へ配属されたときに先輩方から「大丈夫、みんなゼロからのスタートだから!」と励まされた記憶があります(笑)
その言葉の通り、大学の授業でも、実習でも、オペについてはあまり触れずに終わってしまうので、新卒やオペ室未経験の人は知識も経験もみんなゼロからスタートします。
全くと言って、というのは言い過ぎかも知れませんが、それまでに学んだことが通用しません。
そのため、先輩方や医師も一から手取り足取り丁寧に指導してくれます。

最後に様々な知識が得られるという点です。
特に私の勤めていた病院は500床ほどの総合病院だったので、毎日様々な診療科の手術が行われていました。
外科系疾患が中心ではありましたが、疾患の病態生理などはもちろん、患者さんの既往歴についても把握しておく必要があるので、幅広い疾患の知識が身につきます。
私は比較的新しい知識を得ることに抵抗がないタイプだったので、様々な診療科、患者さんのことを知れて面白いなと感じていました。

最後に

書いていて、私、意外とオペ看に未練あるなと気が付きました。
やりたい仕事をやるためにオペ看を辞めましたが、やっぱり戻りたいなという気持ちもふつふつと。。
今の仕事と比べると、オペ室は結構刺激的な職場だったので、当時の雰囲気を思い出しつつ、いいなぁと思ってしまいました。
大変だし、つらいこともいっぱいあるけどね(笑)


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