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自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その3:天皇編)

2012年に自民党が発表した日本国憲法改正案の内容を読み、思った事を書いています。今回は、「第一章 天皇」についてです。

※ちなみに、このブログで書いたことはあくまで私の個人的な考えです。当然、異なる考えの方もおられるでしょう。それに、私の調査不足や認識不足による思考の薄っぺらさなどもどうぞご容赦を。。

2012年の改正案で自民党は天皇のあり方について、第一条で非常に重要な改定を盛り込みました。それは戦後、議論がタブー視され、封印されてきたテーマである

「天皇」とは日本国の何であるのか?

についてです。

現行憲法では天皇を「日本の象徴」としています。それを改正案では「日本国の元首」としました。

いったい「元首」とは何なのでしょうか?辞書によりますと。。。

【元首(げんしゅ)】

1 国の首長。
2 国際法上、外部に対して一国を代表する資格をもつ国家機関。君主国では君主、共和国では大統領など。
(goo辞書より)

つまり、日本国の「代表」足りうる存在であるといえます。では、諸外国から見て、日本の元首とはいったい誰なのでしょうか?

他国を見みますと、元首と言える方には、その国の国王、大統領、総督といった方々が該当します。こちらに、世界各国の元首と首相リストがあります。

日本において、天皇陛下以外に元首の候補として考えられるのは内閣総理大臣(首相)ではないかと思いますが、首相はあくまで日本国の行政のトップであり、元首とは大きく意味合いを異にします。

首相は、元首によって任命されます。国によっては元首と首相が分かれておらず、同一人物が行うような場合もあります。例えばアメリカ合衆国は大統領のみで首相は存在しません。

さて、日本に戻ります。諸外国に日本の代表が誰であるかと問うと、これはもう議論の余地なく、天皇陛下と回答が返ってきます。

それが証拠に、海外諸国に天皇陛下が訪問されたことはその国の大きなニュースとなります。しかし、首相が訪問しても、たいした記事としては扱われません。

2011年当時の宮内庁のホームページに、平成天皇(現上皇陛下)の国賓、公賓のご接遇一覧が公開されています。これによると、2011年は18回となっております。つまり、毎月何らかの形で海外の国賓・公賓とのご接遇をなさっておられるのです。(ちなみに2009年年は35回、2010年は28回です。陛下のご体調を勘案し、公務の回数を減らされたことがここに反映されていますね。)

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海外から日本の元首がどう見られているかという事は、日本のメディアによる国内報道しか見ていない状況では決してわからないことですね。なんせ報道しませんから。皇室に関する報道は、驚くほど内向きの一面しか放送しませんからね。

「天皇は日本国の元首である」と明記することは、たいへん意味のあることだと思います。「日本国の元首」と定めることは当然であり、私は賛成します。

ちなみに現行憲法では、天皇を「日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴」としています。しかし、「象徴とは具体的に何なのか」という事を考えると非常に難解です。私たち平民の立場であっても、「あなたは日本国の象徴です。そのようにふるまってください」と言われたら、たいへん悩むことになると思います。

昭和天皇、上皇陛下はそれに対し、常に「天皇のあり方」を考えられてこられたであろうと思います。様々な行事への参加や、海外からの来賓との謁見などだけで論じるのは(失礼ながら)表面的な見方です。

私自身は、無私の心で日本国民の幸せを日々祈願され(宮中祭祀)る陛下の御心と姿勢こそ、世界に誇るべき「日本国の象徴」の本質ではないかと考えています。

この象徴天皇とはどうあるべきか、ということを常に考え、体現されるお姿は、今上陛下にも受け継がれているものと私は考えています。

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さて、この第一章ですが、他にも追加された条項があります。一つは、「国旗及び国歌」についてです。ここに、自民党の保守としての姿勢をさらに明確にしていると思います。

私は、国旗/国歌というものに対して何ら嫌悪感や反抗心などを抱いたことはありません。私が小学校の頃は、運動会の開会式で「国旗掲揚」、閉会式で「国旗貢納」という儀式があり、その時君が代が流れました。

日章旗を掲揚するとき、青い空になびく日の丸の美しさに、なんとも晴れやかで誇らしい気持ちになったことを思い出します。


現在はどうでしょうか。私の子供たちの小学校の運動会では、君が代を斉唱したり、国旗を掲揚するといったことはしません。(既に掲揚されており、小学生に掲揚させたりしません。)

戦後、私たちは、戦争に負けたから、国を愛してはいけないという教育を受けてきました。しかし、本当にそれは正しいのでしょうか。戦争はいけません。それと国を愛することとは別の事であると、もうそろそろ私たちは考えていかなければならないのではないでしょうか。

オリンピックやプロ野球など、スポーツの世界では君が代が歌われることは普通に行われても、学校行事では実施されないのは、子供たちにミスリードを行っているように思えてなりません。

私個人は、国旗及び国歌に関する規定を憲法に盛り込むことはそれほど強く賛成するというわけではありません。

なぜなら国旗及び国歌については既に「国旗及び国歌に関する法律」が平成11年に施行されており、それで十分ではないかと考えているからです。ただ憲法で定められるということで、国旗と国歌に関し、より強い意味合いを持つことになると思います。

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もうひとつ追加された条項として、「元号」があります。これは、なぜわざわざ憲法の条項として追加したのだろうか?これも現在は「元号法」という法律があり、それによって運用されています。

大日本帝国憲法下の頃には、旧皇室典範に元号に関する記載があったようですが、その後、戦後の皇室典範からは元号に関する記載が削除されてしまったのだそうです。


日本の元号は皇位継承に従って脈脈と続いてきたものであり、確かに憲法に書かれていてもいいのではないか、という印象を持ちます。すいません、ここはこの程度の知識しかありません。。もう少し勉強したら認識が変わるかもしれません。

その他については、多少文言の修正、追加されたものなどありますが、ざっと私が関心を持った部分はこんなところです。

やはり、あらためて天皇は憲法でひとつの章として記述される位日本では特別な存在であり、一般国民と同列の目線で見てはいけないなぁ、ということを改めて感じました。

その天皇を日本の元首と明確に位置付けるこの改正案は、私としてはおおむね支持できるものだと感じました。

皇室に関しては、皇位継承に関する深刻な問題もあります。ここには「女系天皇容認」や「女性宮家創設」、「旧宮家の皇族復帰」といった議論があります。それについてはまた別の機会に気が向けば書いてみたいと思います。

さあ、次はこれまた重い、「安全保障編」を考えたいと思います。


#フー、疲れた。しかしこれ、読む人いるのかな???
#はは。。。。


#日々感謝 m(_ _)m

(憲法シリーズインデックスはこちら)


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