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課題解決は「ビジョン設定」から始まる~ビジョンなくして行動なし!~

本日、リーダーシップ養成講座運営団体の学生との定例ミーティングに参加してきました。
その中で相談された企画に関して感じた「違和感」をベースに、『課題解決におけるビジョン設定の重要性』について書いてみたいと思います。

ちょうど今、とある大学で課題解決の講義を担当しているので、そこで紹介している課題解決のプロセスをベースに話を進めます。

<課題解決プロセス>
①問題の定義・問題の発生箇所の特定
②原因の分析
③解決策の策定

ここで重要になってくるのは、「解決策の策定」や「原因の分析」よりもまず先に、『問題の定義と発生箇所の特定』の段階がある、ということです。

学生や若手社会人(もちろん出来ている人はいますし、年齢だけが要因ではないですが)に多く見られる傾向としては、問題を見つけた際に割とすぐに解決策=Howを求めてしまうということが挙げられます。
※この辺りは、周りと異なること=ギャップがあることを良しとしない日本のカルチャーによるものもあるかもしれませんが、それはまた別の議論として…
すぐに解決策を考えてしまうことの何が良くないか、と言うと、「その解決策が、問題を発生させている真の原因に対応している可能性が検証されていないこと」に尽きます。簡単に言えば、『その解決策を実行しても、根本原因が取り除かれる可能性が不明確である』ということです。
例えば、「筋力が落ちてきている」という問題があった時に、「筋トレをたくさんする」という解決策を直ちに実行してみても、真の原因が「食生活(過度なアルコールの摂取)」であれば、問題は解消されません。ここですべきは、筋力が落ちている要因がどこからきているのかを分解し、どこに問題が生じているか、その原因が何なのかを全体像を持って確認してくことです。

これをふまえて、本日の打合せの内容で感じた違和感を振り返ると、以下の通りです。


(相談の背景)
マネージャーを対象とした月イチの定例ミーティングにおいて、マネージャーたちが前向きに参加できていない。
☞リーダーシップ養成講座の講師から各種スキルを定例ミーティングで紹介してもらえれば、ミーティングに付加価値がつけられるのではないか、という相談があった。

(Takの違和感)
そもそも、定例ミーティングの目的は何なのか?マネージャーに対する諸連絡の周知徹底が主目的であれば、ミーティングの実施を止めて、SNSやグループウェアの活用によってマネージャーの不満を解消することはできる。
・ミーティングの主催者はこの会を通してマネージャーたちにどうなってもらいたいのか?どうにも、不満が目の前にあるから解消してしまいたい、という発想に陥っているように感じる。
・上記にも関連するが、主催者の主体性を感じられない。スキル・能力があるから、リーダーシップ養成講座の講師にお願いすれば何とかなるのでは、という「他人事」意識を強く感じる。

本ケースの問題点は以下の2つです。
①問題がどこから生じているかや、それが生じている真の原因の分析をせずに解決策ありきで相談がきているように思われ、このやり方では根本原因が解消しない。
②また、主催者自身が「このミーティングはこうあるべき」という明確なビジョンがないために、理想と現実の間にどのようなギャップ=問題が生じているかを理解できておらず、どこまでやれば目標を達成したと言えるのかが非常にあいまい。

いずれにおいても、『ビジョン(ありたい姿)』が明確に描けていないこと、が違和感の主要因ですが、こうしたケースは部活動や学生スポーツの場において非常によく見られます。

皆さまの身の回りにおいても、「とりあえず問題の解決を」というスタンスがあるかもしれません。そうした場面を目にしたときはぜひ、『あなたの描いているビジョン=あるべき姿は何ですか?』という問いかけをしてあげてください!

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