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三流の自分から「超一流」の自分になるために ~相手の心に刺さるメッセージ~

私には、直接恩返しをすることができずに旅立たれてしまった恩師がいます。自分事に追われ、顔も出さず返事もせずにいたことを、今でもずっと後悔しています。

本日、大学生向けリーダシップ養成講座の後輩講師のスキルトレーニングの場にオブザーバーとして参加させてもらい、彼らへのフィードバックをする中で、恩師の記した文章(今でも自戒のために度々読み返す)を思い返し、改めて未熟な自分を見つめなおす良い機会となりました。

その文章の中から、人様に何かをお伝えするという役割を持つ今の私が、【相手の心に刺さるメッセージ】を紡ぐために、特に重要だと感じたものを記事として記録しておきたいと思います。
同じように、他の方に何かを伝えるお立場にある方は、ぜひともご参考にされてください。

< 一流のinstructor >******************************************************************************
【一流のinstructor】
自分たちが受講者に出来る最高のことは、本プログラムにより受講者が勇気と自信を再開発することであると理解している

【三流のinstructor】
自分たちが受講者に出来る最高のことは、講師が素晴らしい能力の持ち主であると理解させ、session 内容を教えることで優越感を持とうとしてる

☞伝える立場としてなすべきことは、自分の優位性を示すことではない。教えを説くことでもない。目の前にいるひとりひとりが、勇気と自信を持って、この部屋を出ていってもらうことにあると心に刻む。
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【一流のinstructor】
受講者一人ひとりの理解を得るまで、辛抱強く巧妙に優しく示唆を与え、気づかせて、鼓舞すると言う、person center management の実施を心掛けている

【三流のinstructor】
自分の優越性を充たすために、如何に影響力を持つようになったかを話し、知らず知らずのうちに教え心が芽生えている

☞相手に寄り添うということ。分かったようなフリをして、勝手に相手の意見を代弁しない。相手の歩調に合わせて、辛抱強く『待つ』こと。【答えは相手の中にある】ということを認識し、それが産まれ出てくるのを待つことを楽しむ心の余裕を持つことこそが、器の大きさであると知る。
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【一流のinstructor】
講師と受講者は対等の立場であることを認識し、「教える」という意識を持たず、常に受講者のことを理解したいと言う欲求を持っている
(セッション中はもちろん休み時間なども積極的にコミュニケーションを図る)
【 三流のinstructor】
受講者にあまり関心を示さない、必然的に自分中心のセッションになり、信念を伝えるのに必要な内面的な輝きと温かみが不足している

☞「相手を理解したい」という欲求は、自分以外に関心を向けることから始まる。健全なる好奇心を持つこと。世界を広げようとすること。自分と違う何かを探すこと。相手の語るストーリーに耳を傾けること。情緒を大事にすること。成功/失敗などの客観的な成果にとらわれ過ぎず、目の前の相手の語る言葉に全神経を注ぐことを忘れない。
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【一流のinstructor】
教室の最高潮を迎えるcrown comment では参加者一人ひとりに対し現在・過去・将来の順序で①認める②根拠を示す③期待を掛ける・・と言う振幅表現で心の襞に届くような誠実なcommentによって自信を与えるよう心掛けている

【三流のinstructor】
全sessionを通じて参加者の一人ひとりの人柄や資質について、充分な理解に達せず、通り一遍のcommentに終始し、自信を与える最大の機会を失ってしまっている

☞コメント力こそが、真の実力を示す。それまでのコミュニケーションでひとりひとりの個性や考え方のクセ、信念などのあらゆる側面に考えを巡らせ、相手と一緒に【その人らしさ】を探していく。そして、【らしさ】を受け止め、そのらしさを大事にしてもらいながらも、より高みに上っていただくために、本心から来る真摯なコメントをぶつける。「通り一遍」のコメントに逃げず、本気で向き合うことで、相手の心に火をつける。
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「うまくやりたい」「失敗したくない」という客観的な成果に引っ張られ過ぎるとどうしても知識や経験などの【後天的な力】に頼りがちになり、相手に対して優位に立てる部分を探してしまいます。そして、その態度は相手から見たら、不安に思っていること・焦っていることが一目瞭然です。結果、不信につながりかねません。

ありのままの自分が持つ【先天的な力】、すなわち個性や素直な感情、純然たる好奇心を力として相手に向き合い、『相手も自分も対等な「学び合う」関係である』、と理解する。これこそが、相手の心に刺さる伝え方で大事なことなのではないでしょうか。

恩師と答え合わせをするのは相当先になりそうですが、いつかまた議論をさせていただくことを楽しみにしています。

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