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運動神経は7つ? ~"コーディネーション能力" による分析(弓道編)~

先日とても興味深い記事を見つけましたので、本日はこちら☟の記事に記載されている "コーディネーション能力" を自分なりに解釈して弓道に当てはめ、自身の経験も踏まえた考えを書いてみたいと思います。
(出所:剣道コーディネーショントレーニング研究所さま)

【記事概要】
コーディネーション能力とは、ざっくり言えば運動神経を7つに分解したもので、以下の種類がある。競技における各種動作は、これらの組み合わせで構成されている。
①リズム能力:イメージ通りに身体を動かす能力
②連結能力:身体の様々な部分を同時に思い通りに動かすことができる
または2つ以上のことを同時にする能力
③バランス能力:身体の体制が崩れてもプレーを続ける能力
④変換能力:状況に応じて身体の動きを切り換える能力
⑤反応能力:合図などに正確に素早く対処できる能力
⑥識別能力:道具や用具を適切な力で正確に操作できる能力
⑦定位能力:自分と相手や物との位置関係や距離感覚を正確につかむ能力

【考察】
上記の理論をもとに、弓道に当てはめて考えてみました。
弓道はよく、『初心者からでも始めやすい』とか『運動が苦手でも活躍できる』と言われますが、この理論をふまえると『必要とされる能力が他競技対比限定的であること』がその要因なのかもしれません。

<重要であると思われる能力>
 ①リズム能力
 ②連結能力
(③バランス能力)
 ⑥識別能力
☞弓道においては、「イメージ通りに身体と道具を動かせること」が最も重要な要素。①・②・⑥がこれに該当する。③のバランス能力については、そもそも体勢が崩れないように工夫する必要があるが、体幹強化や正しい姿勢の維持は、再現性・安定感の向上につながるため、特に試合で有利となる可能性が高い。
①リズム能力を高めるためには『負荷が無い状態での型のトレーニング』と『弓の負荷に楽々と耐えうる筋力』が重要。「イメージ通りに」の部分を前者、「身体を動かす」の部分を後者が担っている。
②連結能力を高めるためには『身体パーツ別練習』と『左右バランスの確認』が重要。弓道の場合は主には「右半身」と「左半身」との連結が必要であり、それぞれで動作が異なる。それらを分けて練習して習得することと、左右のバランス(正中線の意識など)を整えることが大事。
⑥識別能力を高めるためには『指標の設定』と『練習の記録』が重要。何となくの感覚で身体・道具を動かすのではなく、具体的に「何をどこまで」動かすのかの指標・目安を設定して繰り返す。加えて、身体・道具をどう動かすと、どういう結果につながるのかを逐一記録し、「原因と結果」を常に紐づけて練習を行うようにすることが大事。

<それほど必要とされないと思われる能力>
 ④変換能力
 ⑤反応能力
 ⑦定位能力
☞弓道の競技特性は『いついかなる時も条件は変わらず、相手や環境に左右されないこと』です。つまり、「状況の変化への対応」「反応の速さ」「相手や物との位置関係の把握」に関する能力はほぼ使用しなくて良いのです。
これらは、特に球技において重要な能力となりますが、これが必要ないため先ほど挙げた『運動が苦手でも活躍できる』というコメントにつながるのでしょう。

このコーディネーション能力ごとにいろいろなスポーツを分析してまとめられたら、自分の特性が活かせる競技を見つけることができるかもしれませんね!!こうしたスポーツ医学的な要素も頭に入れながら、コーチ活動ができるととても有意義になりそうです。

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