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本を一番おもしろくする方法。夏に夜更かしして泣いてほしいファンタジー「書く習慣」DAY9

こんばんは、今日はまた急に暑くなりましたね。
朝暑くて起きてしまって、「今年もこの季節がやってきたか」なんて毎年思っていることを今年も思ってしまいました。

そして夜!日中の暑さが収まり、過ごしやすい夜になると、つい夜更かししたくなりませんか。
寝る前に少しだけ、と思ったマンガや小説がついつい「あと少し…」とおページをめくる手がとまらなくなってしまします。
本当に夜更かしして読む物語ほどおもしろいものはない。ファンタジーだとなおよい。不思議です…。

「読みたいときに読むのが、その作品を一番楽しめる」という持論を持つ私は、そんな時は己の欲望に忠実に「よし、今日はあきらめよう」と夜更かしする準備をします。

体験はプライスレスです。同じ本でも、読む時期やタイミングによって受ける印象は変わるものです。今、眠りたい気持ちより、その物語に触れたい!と思ったら、その時が一番おもしろく感じられるタイミングに違いありません!
ぜひ読みたいときにマンガでも小説でも映画でも見てあげてください!

私だけかもしれませんが、年を経るにつれて何かにハマる感覚を持つのが難しくなっているように感じます。見たい本やマンガを後回しにするなんて、以前では信じられなかった現象です。
悪魔の囁きに聞こえるかもしれませんが、「今読みたい!」の気持ちを可能な限り尊重してあげたいです。もしかしたらそれは一生記憶に残る楽しさを味わえるチャンスかもしれません。

ということで、夏の夜更かしにおすすめ!泣けるファンタジー系物語を、ジャンルを問わず、私の体験を添えて紹介したいと思います。
本との出会いは一期一会。
いつ読むか、どうやって読むか、一気読みか更新読みかでも味わい方は変わります。
ネタバレはできるだけしないようにしていますが、紹介するためにあらすじなどは書いてあります。あしからず!

1、中華・妖怪好きにおすすめ。雪乃紗衣「彩雲国物語」


私の中イチで「もっと評価されるべき」部類に入る小説。
中華風ファンタジー小説。
不老不死や神仙などの要素もあるのが好き。十二国記よりも怖さはうすめ。

主人公は名門貴族だけど超貧乏な快活な少女、紅秀麗。彼女が国初の女性官吏として活躍していく様が描かれています。

小学校4年生の時にアニメで見てからドはまりしました。
年に一度の新刊発売を楽しみに(最後の方は2年に一冊とかだった)、既刊本を繰り返し繰り返し読みました。待っている間は本当に一日千秋でした…。

みなさんにも、そういう人生の「刻印」となったような本が1冊はあるのではないでしょうか。
私はそれがこれでした。

8巻で、夢の官吏になったものの、治める民に禍の元凶として非難される姿は、何もわからないながらも読んでいて本当につらかった。と同時に、まさにその民衆たちをすくために、自分の意思をはっきりと告げる秀麗の姿は、何度読み返しても胸がいっぱいになって泣いてしまします。

何度も読んだらこの感動が薄れてしまうのではないか、と読むのを控えたほどに私にとって大切で、唯一無二で、これ以上の感動はない、と思わされた場面でした。

私はちゃんと幸せよ。夢見た道を突っ走ってるんだから。
紅秀麗

夢見た世界でも楽しいことばかりじゃない。でもこれは自分で選んだ道。
自分に言い聞かせる強がりが必要な時もある。その覚悟が今読んでも共感できます。
成長し読み返すと、物語への理解や考え方も変わっていることに気づかされました。

一生かけて一緒に成長していきたい、そんな物語です。



2,男装の王道ファンタジー。田村由美「BASARA」


このマンガとの出会いは、小さい時に通っていた歯医者さんの待合室でした。
田村由美さんと言えば、3年前にアニメ化された「7SEEDS」や、最近菅田将暉さんが演じられた「ミステリと言う勿れ」などが有名ですね。
ぼんやりと覚えていたこの作品を、大学生になって読み返した私はあまりの深さに号泣しました。

舞台は地球滅亡の300年後。
日本は4つの州にわかれ、それぞれが絶対王政のもとに苦しめられていた。
そんななか、世界を変える「運命の子」と予言された双子の兄を持つ少女、更紗が主人公です。
兄が殺され、兄の代わりに「運命の子」として生きる決意をした更紗は正体を隠す必要があり、それによって敵の王子との悲劇を生むこととなります。

「ベルサイユの薔薇」しかり、男装の少女が陥る困難といえば決まっています。わかってはいるけれども…わかっていたけれども…!

スラムや奴隷、戦争や政治の描写がリアルすぎるだけに、登場人物たちの苦悩がダイレクトに伝わってきます。

それぞれに
自分のための戦いがある
幸せであるために
生きてゆくために
幸せであるために
更紗

この物語では、すべての登場人物が変わります。成長していきます。
更紗のために、世界を変えるために。そんな人を動かす力、変える力は、更紗が魅力的な主人公であるからかもしれません。

しかし、周りの人を動かすエンパワーメントは誰にだってあるはずです。人との出会いを大切にしたい、そしてその人たちの期待に応えたい、義理に報いたい。そんな自分の感情に気づかれた物語でした。



3、主義と主義のぶつかり合い。壮大な宇宙戦争。田中芳樹「銀河英雄伝説」


これはもう…もう…語るとすべてがネタバレになってしまう。
信念と信念のぶつかり合い。
簡単にいうと帝国主義VS民主主義。
絶対有能な君主をもつ帝国主義は、腐敗した民主主義よりよいのではないか。

それでも無能な上司のために死んでいく仲間を目の当たりにしながらも、自らの信念のもと民主主義を目指すヤン・ウェンリー。

…私は最悪の民主政治でも最良の専制政治にまさると思っている。
ヤン・ウェンリー

誰よりも権力を嫌悪しながら、誰よりも優秀な為政者であったローエングラム。自らもが腐敗したときには、自らですら斃されるべしと誰よりも己に厳しいからこそなしえたローエングラム王朝の建立。

体制に対する民衆の信頼を得えるには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。それだけだ。
ラインハルト・フォン・ローエングラム

それぞれの信念、守りたい人、その方法でぶつかり合う2人の主人公の攻防もさることながら、本当に「歴史書」を見ているような圧倒的世界観。

戦争だけあってどんどん人が減っていく。魅力的な人ほど。
かなり重めの話なので、勧めておいてなんですが、見る時期は選んだ方が良いと思います。

原作の小説、1988年放送開始のアニメ、2022年放送開始の「銀河英雄伝説 Die Neue These」。宇宙戦争の壮大さと登場人物のわかりやすさからまずは2022年アニメ版から見ることをお勧めします!
ちなみに私は気づいたら外伝まですべての媒体で見終わっていました。
絶対ハマります。


おわりに


今日のお題「最近泣いたこと」。
しみじみと大人になって泣くこと少なくなるよね、弱音はけなくなっているよね、という方向性の記事と迷ったけど、今日はわくわくの気分だったので、ワクワク&泣ける本の話題にしました。

思い出すだけでその時の感情や自分の状況を思い出す…。
本が節目になっているのか、節目に本を読んでいるのか?
とにかく本てすごい…。

しみじみ泣くことに関する話はまた今度書きたい。

おやすみなさい。

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