見出し画像

工房流トレーニングとは?【3】

前回の投稿にて、工房流トレーニングの骨組み、つまり型を紹介しました。
※宜しければ、前2回の投稿を併せて、お読み下さい。


今回は、具体的な説明をしていきます。

バーベルやダンベルを扱うウェイトトレーニングは、その目的や狙いに応じて種目を選択し、『重量・回数・セット数』を設定した上で進めます。
また、狙う効果により、セット間のインターバル(休息時間)を規定することも重要とされ、例えば筋肥大を目的とした場合には1〜2分のインターバル、あるいは筋力増大を狙う場合は3〜5分が良いとされることなどは、広く知られています。
いずれにしても、インターバルは必要不可欠であり、各セットで平均して2〜3分のインターバルを取りながら、1回のトレーニングで仮に10セット実施する場合、インターバルだけで20〜30分費やすことになります。
器具を使ったメイン種目では、挙上回数にもよりますが、1セット当たり数秒〜1分以内で完結することがほとんどで、そう考えてみると実はインターバルの時間の方が多いことが分かります。
一方、多くの競技において、限られた時間の中で専門競技の練習時間とトレーニングの時間、どちらに時間を割くかという観点では、圧倒的に競技の練習時間が多くなることが一般的で、トレーニング(フィジカルワーク)に割く時間はなるべく短く効率的に進められることが望まれます。

そういったスポーツ選手の実態を鑑みると、スポーツ選手のトレーニングにおいては【効率化を図る】ということが第一のポイントとなり、工房流トレーニングではインターバルの時間をいかに活用するかということに着目しています。

工房流トレーニングの型


バーベルエクササイズというメイン強化種目(①)を軸に進めながら、そのインターバルを利用してセット間種目(②)を組み合わせていくことが基本となります。

セット間種目は、2つに大別されます。
<A:動きづくり系>
・Jump系エクササイズ
 ⇒瞬発力や脱力,抜力を目的とする。
・Step系エクササイズ
 ⇒アジリティ要素を養う
・ドリル系エクササイズ
 ⇒ランニングドリルや専門競技の動作に関連づけたドリル
・体操系エクササイズ
 ⇒動的な可動性,柔軟性を養う

<B:補強系>
・自体重筋力補強エクササイズ
 ⇒バーベル種目の動きや筋力の補完
 ⇒追い込み的効果を狙う
・怪我予防やリハビリ的エクササイズ

上記の通り、セット間種目はアバウトな表現をすると「何を組み合わせてもOK。組み合わせ方は自由」です。
それが、前回の投稿(工房流トレーニングとは?【2】)で述べた「いろいろなものを組み合わせ、取り入れたもの」という意味で、特に投稿【1】で書いた通り、【動ける身体をつくる】というスポーツ選手のトレーニングのコンセプトを踏まえると、『セット間種目を組み合わせる』というのが、工房流トレーニングの第2のポイントと言え、またここが肝の部分でもあります。

そして、セット間種目(②)と共に、③としてストレッチを組み合わせることで、柔軟性も同時に養うことができます。
つまり、「強く・速く・柔らかく・しなやかに」という工房流トレーニングにおけるキーワードを実現させるための仕組みがこのプログラムの型に反映されているわけです。

そして、これが【工房流トレーニング】における1セットごとの構成です。
あとは、それを複数セット積み重ね、セットごとにセット間種目を変えていきながら、全体のプログラムをデザインしていきます。

なお、②のセット間種目は、Jump系のプライオメトリクストレーニングと組み合わせることもでき、あるいは動きづくりとしてファンクショナルトレーニングなどを組み合わせることもできます。また、リハビリ過程の選手においては、リハビリエクササイズを組み込むことで、競技復帰に向けたトレーニングとして組み立てることも可能となり、実際、工房において、怪我した選手の復帰トレーニングを数多く手掛けている背景にはこのようなノウハウが隠されているわけです。
※症例報告などは、いつか有料記事として投稿していく予定でいます。

さて、ここまで読んで頂いた方の中で、工房流トレーニングって、ただ色々なものをバーベルの中に組み合わせているだけで、誰でもできるのでは?と感じられた方もいるのではないでしょうか。
あるいは、セット間種目の②のような自体重系エクササイズや③のストレッチなどの領域を得意としているトレーナーは多く存在し、そのような方々がバーベルを組み込んでいけば、簡単に習得できてしまうのでは?と思われるかもしれません。

しかし、実際のところ、バーベル種目そのものを指導するにはそれなりの実践力が必要となり、また自身ができることと人に教えることには差異があり、難しさもあります。
その点においては、工房流トレーニングでは、バーベル種目を中心(軸)に据えている以上、各スタッフが実践を積み重ねながら、指導法を含めて追究していています。
そして、豊富なバリエーションと挙上重量を伸ばすノウハウ、バーベル種目とセット間エクササイズをどう組み合わせていけば相性が良いかなどは、長年のノウハウと経験の蓄積があり、それが工房の独自性になっています。

以上が、工房流トレーニングの概要です。

具体的なプログラム例などは、工房Instagramにて『Program for…』というシリーズ投稿をしておりますので、良かったら併せてご覧下さい。


『工房流トレーニングとは?』というシリーズ投稿は今回で完結となります。
今後は、過去の具体的な例も挙げながらどういう風にアプローチしたかなどを紹介していきたいと思います。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?