【短編小説】漂
535文字/1分
ここのところ、かなりメンタルがやられている。そう思えるくらいには正常。でも、普段ほとんど浮き沈みがないから、落ちた時の戻り方がわからない。
一日終える時の疲労感が半端じゃない。
休んでも休まらない。考えていないのに頭がまわっている。心がずっとざわざわしている。意識してしまうと一気に疲れる。
全部置き去りに、ただ息をして朝と夜を繰り返すのが楽。なかなかできることじゃない。
こんなことをして、たぶん一か月くらい。実はこれが普通のことなのかもしれない。
口を開けば暗い話ばっかり。すべて吐き出せたらいいけど、一つ一つ愚痴るのはちょっと怖い。愚痴る相手もいない。
愚痴は聞く側もエネルギーを使う。というより、話す側が奪っている。自分の中で完結できたらいいけど、そうするとやっぱり自分が疲れていく。
そもそも言葉にして話すことができない。
自分が口に出すことはたぶんわかりにくい。伝えたくても伝わらない。聞いてほしいのに聞かせたくない。面倒だ、誰か勝手に読み取ってくれ。
こんなことを思っていたって、結局明日になれば何もなかったように振る舞うだけ。どんどん自分が重くなる。
こんなことを思ったって、酒でも飲めばどうでもいいってことにできてしまう。
ぺらっぺらの白い紙のよう。
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