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人間の証明

▼1977年公開の映画・『人間の証明』をNetflixで観ました。

▼公開当時は映画評論家からかなり酷評された(「暴投のファッションショーのシーンが長すぎる」「ご都合主義だ」)とも聞きますし,確かに,ここまで人間関係が繋がりすぎると「出来すぎだ」と思うところもありましたが,それでも豪華な俳優陣の出演や,ニューヨークでの激しいカーチェイスの映像などがふんだんに使われていて「なんという贅沢な映画なんだろう…今の日本ではここまで作るのは厳しいだろうな…」と思わされました。

▼個人的には,若き日の八杉恭子が電車に飛び込もうとした場面で,鶴見線の旧型国電が用いられていたのがツボで(笑),その時代考証には感動しました(もっとも,おそらく映っていたのは73形ですが,舞台となった昭和20年代前半はまだその前身の63形しかなかったはずなので,完全に再現できたわけではないと思いますが)。

▼また,"straw hat" や kiss me" の発音についての蘊蓄も(本当かどうかは確かめていませんが)興味深いところでした。

▼ニューヨークロケで思い出したのですが,3年前にマンハッタンでガイドさんから聞いた話だと,ニューヨーク市は映画のロケに協力的だ,とのことで,この映画もニューヨーク市からの全面協力があったようです。

▼日本では,映画などのロケ地について,栃木県足利市がこのような場所を作ったとのことです。

▼日本では映画のロケに関する規制が厳しいところもあるようで,特に都市部ではニューヨークと異なり大規模なロケを行うことはかなり難しそうです。しかし,たとえば各自治体がこうした都市部ロケ用の場所を作り,それを世界中に宣伝して利用してもらうこともまちおこしの一環として考えるべきではないでしょうか。たとえば,京都の町並みを北海道の原野に作るとか,歌舞伎町を岡山の山中に作るとか…。

▼足利スクランブルシティスタジオのサイトを見ると,ロケ弁の手配についても書かれています。こうした取り組みで地元の飲食店も潤うでしょうし,ロケに必要な機材や小道具などを揃えた店(レンタル店)があってもいいと思います。

▼また,映画『ラスト・サムライ』ではニュージーランドが戦闘シーンのロケ地として使われたそうですが,日本でもそうしたロケに使えるような自然環境を整備することができるのではないでしょうか。

▼コロナ禍で映画などの制作にも支障をきたしてはいますが,コロナ禍が去ったらまた様々な映画が作られるでしょうし,既にNetflixやAmazonプライムなどではオリジナル作品も沢山作られていますから,こうした映像コンテンツ作りを自治体が支援することで地域が潤うのではないか,と期待しています。

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