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資産形成と金融教育に関する気付き

先日、資産形成と金融教育に関して興味深い気付きが2つありましたので、ここに書きたいと思います。今回はいつもの投稿よりもややカジュアルなタッチですが、問題意識としてはかなり深いものと考えています。

2つとも、きっかけは高校生向けの金融教育授業です。去る6月11日に日経新聞グループのQUICK社と共同で、中央大学附属高校の生徒さん向けに特別授業を行いました。

https://moneyworld.jp/news/05_00078861_news

QUICK社が開発したカードゲームを使って資産形成を教えるというもので、私は授業の部分を担当しました。生徒さん達はあんなに熱中するのかというくらいゲームで盛り上がり、また授業に関しても「分かりやすく楽しかった」「複利は聞き覚えがなかったけど理解できた」「投資信託の実態を知った」など好意的なフィードバックをいただきました。

気付きその1

この話をある友人にしたところ、その友人は「高校生向けなのだから、もっとちゃんとした専門書を用いた方が良い」「カードゲームだなんて残念。それで高校生のポテンシャルを引き出せるのだろうか?」「高校生の持つ知恵が生かされない」と嘆いていました(彼は個人投資家であり、かつ専門書を読みこなすレベルです)。

ここで気付いたのは、カードゲームのレベルに関する認識の相違と、日本の金融教育の現状です。QUICKさんが開発したカードゲームは非常に優れていて、このゲームをすることによって、金融用語や資産運用の仕組みが分かるようになっています。この点については彼にカードゲームの秀逸さを説明し納得してもらえたのですが、確かにこのようなカードゲームを使っての説明が必要なほど、日本の金融教育はまだ緒についたばかりということも言えます。欧米の高校だったら、このようなカードゲームを使うことはないでしょう。

しかし、これが現実です。生徒さん達は小さい頃からお金や資産形成のことを学んできませんでした。それは彼らの親御さんや学校の先生に知識と経験がなく、教える習慣もなかったからです。私も親や先生から教わったことがありませんし、少し前までは自分の子供にも資産形成のことを教えていませんでした。ですので、子供の頃に教わっていなかったことを網羅し、かつ高校生に必要な水準を目指すという両方の目的を達成するのに、こういったカードゲームなどを使うことはもっと前向きに取り入れていったら良いなぁと思います。

気付きその2

私は現在、皆さまに資産形成の大切さを知ってもらおうと、資産形成の勉強会グループを運営したり、個別相談をお受けしたり、セミナー講師などをしています。

金融教育もその一環で行っているのですが、本質の部分では、これから資産形成を進めていこうとする大人の皆さまと、今回授業を行なったような生徒さん達にお伝えしているものは、同じなのだなと感じています。もっと言うと、投資経験のある中級レベルの方々にお話をする際の本質的な部分もほぼ同じなのです。

もちろん、知識と経験が備わってくれば、ご提供するのはより高度な知識ややり方になってきますし、話す内容も、基本的な部分に加えて、週次レポートでお伝えしているような経済や金融市場に関する深い考察が入ってきます。

しかし、本質で言えば、資産形成の目的を持ち、その目的を達成するための手段や方法を考え、実践し、必要に応じてそれらを見直し、長期にわたって継続できるように情報に触れ続ける、ということが最も大事なことで、レベルの違いはあるにせよ、資産形成を行おうとするすべての人にこれらが必要だと考えます。

実際にそれを理解して実行しているのは、今のところごく一握りの方々だと思われますが、ご自身に合ったレベルで、誰でも実践できることですし、また実践しなければならないことだと思います。これができてくると、資産形成が楽しくなり、ワクワクしてくると思います。

そんな気付きのあった、高校生向け授業でした。

引き続き楽しく増やす資産形成を行っていきましょう。

私のFB(フェイスブック)での勉強会グループの紹介投稿(冒頭に固定されています):
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https://www.facebook.com/groups/535315267271726/

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