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#12 ウォーキングスナップ(広島編)

47都道府県の内、40ほどは行っていると思う(通過を含む)。
行ったことのない場所で「行くべきだ」と思っていたのが広島県だった。
そんなアラサー会社員の旅の記録です。

広島へ

2024年3月8日、私は羽田空港へ向かっていた。
その前日に、空港近辺で“ウィルコ”というバンドのライブを見て宿泊。
「どうせなら!」と、週末を利用した2泊3日の旅を計画した。

お供はライカQ2と当時購入したばかりのMDa(フィルム機)。
MDaが届いたのは、この旅の2日前ぐらいだったと思う。
旅の直前にカメラをポチってしまう癖はどうにかしたい。

MDa用のフィルムは“とりあえず”このようにして手荷物検査へ。
「フィルムなのでハンドチェックをお願いできますか?」と伺う。
すると、意外にすんなりと対応していただけた(多謝)。

ということで、カードラウンジでフィルムを装填してパシャリ。
旅の前に問題なく撮れることは確認していたが不安だった。
幼少期によく見ていた『ティモンとプンバァ』のマインドで乗り切る。

新幹線だと、東京駅から広島駅まで約4時間。
飛行機では羽田から1時間20分ほどだが、広島空港から高速バスに乗る。
広島駅までは50分ほど掛かるので、どちらにすべきか悩み続けた。

どんな悩みも、空の上に行けばどうすることもできない。
何も考えずQ2はオーバーヘッドに収納してしまった。
でも大丈夫、iPhoneは常に持っているから。

ここ数年のコロナ禍で、飛行機に乗る機会が減った。
出張も打ち合わせもパソコンやスマホがあれば行えると分かってきたのだ。
でも、旅はそういうものではない。

なんてことを思ったり思わなかったりしているうちに到着。
タブレット端末にダウンロードしてきた映画やドラマはほぼ進まない。
ここは、初めて訪れる広島県だ。


広島市内

色々と行きたい場所はあるが、週末旅行では広島市内が限界と判断。
市内は、松山(愛媛県)などと同様に路面電車が走っていた。
今回は機会がなかったが、とても便利そうである。

ちょっと散策してみると“ザ”といった感じのお店。
住んでいる方々の日常風景は、エイリアンズにとって興味深いことが多い。
そして、野球のルールを分かっていない私。

こちらも“ザ”を感じる販売機。
明らかに観光客向けだろうけれど、名物がある場所は羨ましい。
ちなみに、宮島の参道?では右も左も饅頭だらけであった(後述)。

大きなアーケード。
この近くのカメラ屋さんで、追加のフィルムを購入した。
自分用の土産といったところ。

到着した夜は、吸い込まれるようにお好み焼きへ。
週末だったからか、店内でもしばし待った。
“広島風”というものは“存在しない”らしく言葉には注意したい。

どんっ!した見た目だが、軽やかに思えた。
ソースは自分で好きにかけられたり、自由度が高い(のかも)。
この旅では、3軒巡ることになった。

そんな夜に出会った狸。
目を光らせながら、平然と小水をしている。
あまりの怖さに急いでホテルへ戻ったことは綴るまでもない。

原爆ドーム / 平和記念公園

広島県を訪れたかった理由は、この目で原爆ドームを見るため。
授業で、教科書で、テレビで何度も見ている。
けれども、実際に見て感じることが大事なのではないかと思った。

そこまで遠く昔の話ではない。
パラレルワールドの世界の話ではない。
私に何ができるわけでもない、けれど、この気持ちは忘れずに生きる。


厳島(宮島)

“宮島”と呼称していたが(いるが)、これは通称らしい。
正式には島内の神社と同様に“厳島(いつくしま)”だそう。
私は市内からフェリーに乗って向かった。

「行けたら良いなぁ〜〜」ぐらいに思っていた宮島。
偶然にフェリー乗り場を見つけたことで上陸が叶った。
相変わらず、激しく無計画な旅である。

約50分ほどで到着。
乗船時は曇りだったが、宮島へ降りると晴れてきた。
どうでも良いが、私は“霧雨男”とのこと(両親談)。

「あ、シカがいる場所か!」と思い出す。
別にハングリーさはなさそうで、寄ってくるわけでもない。
もはや人間が来ても避けないメンタルを持っている。

宮島の参道には銘菓である“もみじ饅頭”の専門店が並ぶ。
ただ作るだけに飽き足らず、どうやら揚げてみたらしい。
これは確かに美味しい。

参拝前に饅頭を堪能してしまったが、歩いて厳島神社へ。
“お清め”が実にモダンだった。
時代に合わせていくというのは、必ずしも簡単ではない(意味深)。

干潮だったので、大鳥居まで歩くことができた。
昔、家族で行った潮干狩りを思い出す(広島関係ない)。
雲は多いが、空の青に鳥居の朱が映えていた。

MDaに慣れていないが、何となく距離計を合わせる。
この旅で撮影した写真を現像して「なんとか使えそう」と確信した。
でも、ファインダーがあったほうが楽(そりゃそう)。

島内では、幾つか写真店の名残のようなお店を見た。
フィルムが売ってたりするかなと思ったが、取り扱いは無さそう。
“写ルンです”も売り切れだった。

途中、ベンチでフィルムを交換する。
その横では、梅が咲き始めていた。
柔らかで鮮やかな春を堪能して、再びフェリーに乗り込んだ。


広島城

最終日、チェックアウトまでやることがない。
そういえば、散歩に最適な距離に広島城があったことを思い出す。
朝食バイキング後に外へ出た。

広島城は、安土桃山から江戸時代に掛けて築城されたらしい。
ちなみに私にはそうした知識(教養)がない。
「そんな昔にどうやって??」と驚くのが常だ。

堀の様子。
最終日が最も天気が良さそうな予感。
これもまた旅だ。

広島城の天守閣。
原爆で倒壊したため、天守は1958年に再建されたそう。
こうした所にも“跡”を感じる。


東京へ

何泊しても、旅はあっという間に終わる。
日常から抜け出す、非日常の期間。
それが長くなれば“生活”になってしまうだろう。

ホテルから広島駅まではタクシーを利用。
運転手さんの腕時計がカープっぽい配色に見える。
けれど、違ったら気まずいので話しかけなかった。

広島駅からは空港行きのバスに乗る。
待ち時間に駅ビルのフードコートで最後のお好み焼きを味わう。
「今度訪れる時は、新幹線が楽だな」と思った(高いけど)。

MDaのフィルムは、市内で購入したコダックの“T-MAX 100”に。
旅の終わりのセンチメンタルさにマッチしたかも。
M11モノクロームとは違う柔らかさを感じる。

ドリンクサービスが始まったと思えば、すぐに着陸準備へ。
帰りも、Q2はオーバーヘッドへ収納した。
でも大丈夫、iPhoneは常に持っているから(リプライズ)。

旅はいつか終わる。
だからこその旅か。
また、次のウォーキングへ。


これまで

付録(ザ・食物)

「むすびのむさし」
「あなごめし(宮島)」
「ザ・牡蠣」
「がんす」
「みんな違ってみんな好み」


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