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束の間小説

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以前なるべく一日一本投稿していたもの。 ほんのすこし読みたいのに、本一冊は重すぎる、と思っている人に。 束の間の小説を贈ります。 あなたの京都になれなくても、あなたの箱庭になり…
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#現代自由詩

頭痛のしない音はないんだった。

耳に異物をつけたまま、各駅停車に揺られる。 再生リストをしばらく眺めて、頭痛のしない音楽…

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7か月前
3

冬の息、意外と

白い、暑い、湿っぽい。 喉を焼き切るような冷たさ。 君の亡霊は地平線の向こう側を走っている…

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7か月前
3

駅前の明るい階段をのぼってた。神殿へと続くらしい。どろどろに酔って足元がふらふらしてた。…

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7か月前
3

初めましての場所

 どこかであった気がするとか、そういうのは置いておいて、ただ新鮮な風をそのままにスカート…

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7か月前
6

いつも。

寂しい。それ以外の感情はあるんだけど、ごった返していて、引っ越したばかりの部屋に積まれた…

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7か月前
2

夜を歩く胎児

生まれてからこんなにも経ったのに、まだ生きている心地がしない。 私の中に眠っている胎児の…

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7か月前
6

束の間小説 3本

生きていたとして。あなたが生きていたとして。ずっと胸の奥がえぐられるように傷んだとして。それでも立っていたんだとして。あなたはモアイ像が風化していくことを考えるだろうか。あなたの今と彼らの今が酷似していることは覚えている?死にたいよね。生きていたとしても。 「明日からまた生きていこう」 明日からまた歌詞を紡いでいこうと思う。明日からまた何かどう、みたいな歌詞を書こうと思う。ありきたりだと言われるらしいが私もそう思う。明日はありきたりだ。ありきたりだから明日なのであって、あり