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夜を歩く胎児

生まれてからこんなにも経ったのに、まだ生きている心地がしない。

私の中に眠っている胎児の私がいて、まだ生きたくないと丸まっている気がする。その胎児のために羊水を温かくして、栄養を供給して、陽の光を浴びる。自ら生きている感覚が欠如している。

私は私自身をお腹に抱えた妊婦だと思えば許されるだろうか。すぐに傷つく感情も、感傷も、頼ることも、忘れることも。

今日も街を歩く。みんな自分を生きている。張った胸に生命が燃えている。みんなの背中がどんどん遠ざかっていく。地を浮遊しているのは私だけだろうか。未だに羊水の中にいて、電車に乗るといつも眠ってしまうのは。

私だけであってほしい、と思った。

もらったお金は雨乃よるるの事業費または自己投資に使われるかもしれないし食費に消えるかもしれない