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5分でわかるカトリックとプロテスタントの違い! 万人平等と人種差別

カトリックとプロテスタントは、実は完全に別の宗教である。

同じ神を信仰していることになっているが、戒律や教義の在り方が完全に異なっていて、信仰している価値観は完全に別なのだ。

日本人には理解しにくいが、キリスト教において、神とは人格を持った人物を示す言葉ではなくて、信仰すべき正しい価値観を示す言葉でもある。
故に、価値観を理解しなければ、彼等の宗教については何も理解出来ない。
そして、キリスト教が社会に必要というわけではないが、何らかの社会理念が存在しない限りは、人々は分断され、社会が成立しなくなることは事実だ。

カトリック
開祖 イエス・キリストとその最初の弟子達
神=価値観 平和主義・無抵抗主義・隣人愛・非拝金主義・非人種差別・万人平等
神殿 バチカンという最大の神殿を中心に、確立された指揮系統を有している。
最大の問題 カトリック以外の宗教を否定する点 無抵抗主義ではどうにもならない状況では何も出来ない点

プロテスタント
開祖 ルターとカルヴァン
神=価値観 選民思想(どちらも)・攻撃思想(どちらも)・拝金主義(カルヴァンのみ)・人種差別(どちらも)・自由意思の否定(どちらも)
神殿 中心の神殿を持たず、ネットワーク的な分散構造を持つ。ある意味で、極左暴力集団の組織に似ている。そもそも16世紀や17世紀のプロテスタント集団は、50年前の日本の極左暴力集団と同じようなテロリズムを行っている。
最大の問題 全てが最大の問題であるが、ナチスを成立させる基盤となった。実際にドイツのプロテスタント教会は、ナチス政権を強烈に支持していた。(カトリック教会は、一応は消極的抵抗を行っていた。だが、カトリックは本質的に無抵抗主義であるが故に、ナチスに対抗する力を持ちえないという現実がある。)
実は、現世利益教であって、この点がカトリックと最も対立的な部分である。

ルター派とカルヴァン派が本流で、他の支流もあるが、本流のこの二つについて知っておかねばならない
ルター派は人種差別を否定することも有るが、ルター自身はゲルマン民族選民思想を持っていた。

カトリックの価値観
「金持ちが天国に行くことは、ラクダが針の穴を通るよりも難しい」(拝金主義の否定)
「金持ちが10を寄付するよりも、貧乏人が1を寄付することが、より多くを寄付したということだ」(寄付の推奨)
「右の頬を打たれれば、左の頬を差し出せ」(無抵抗主義)
助け合いの強制=個人主義の否定

ルター派の価値観
奴隷意思論
実体的な寄付には意味がなく、神と聖書への絶対的な信仰のみが人間を救う。
実体がどうあれども、精神の在り方によって、天国に行けるかどうかが決まる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E6%84%8F%E5%BF%97%E8%AB%96
キルケゴールは、これを実体的な隣人愛を否定する個人主義的な偽善だと批判した。

カルヴァン派の価値観
運命予定説
誰が救われて、誰が救われないかは、あらかじめ決定されている。(南アフリカではこれがアパルトヘイトを正当化した。白人=救われた者とされた。)
救われる者は、現世において蓄財することが出来る。(マックス・ウェーバーはこの点を批判している。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%88%E5%AE%9A%E8%AA%AC

アメリカの北部ではルター派が強く、南部ではカルヴァン派が強い。
アメリカにおける人種差別の度合いは、これで理解出来る。
なお、トランプ前大統領の家はカルヴァン派であって、彼の父親はKKKのメンバーであったという疑惑がある。

ちなみに、伝統的にドイツではカルヴァン派よりもルター派の方が強いが、ナチスは両者を融合した性質を持っている。
ナチスには、アメリカから人種差別思想を輸入した部分が存在するからであって、ナチスのニュルンベルク法はアメリカの人種法を参考にして作ったものなのだ。

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