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UXライティングを学ぶ

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UXライティングとは、「ソフトウェアやインターフェースを言葉で対話可能にすることを目的としたコピー」のこと。勉強中なので、参考になった記事をピックアップしていきます。
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UXライティングについて考える。「使う人に寄り添った文章」はなぜ大切?

プロダクトのおしらせ系の文章は、「やってほしいこと」があった上で、使う人にわかりやすく伝えるというのが役割です。でもそれだけだと、コンテンツ過多な状況では難しいのでは? と感じることが増えてきました。 なぜなら読む側は、つねに「読まない」「行動しない」という選択ができるから。 これからのプロダクトは、使う人の感情に寄り添い(共感して)、使う人の言葉で説明できるという新しいスキルが求められるのではないか? そんなふうに思ったので、この機会にまとめてみました。 ・・・ き

ライティングガイドラインの作り方

SmartHRでUXライターをしている私は、非デザイナーでありながらも、立ちあげ初期からデザインシステムに関わっています。 エージェンシー時代のコンセプトワーク、コピーライティングの経験を生かして、立ち上げ未明のブランドパーソナリティの定義、プロダクトのデザイン原則、今年1月のリニューアル時の運営理念のライティングのアンカーを務めたりもしました。 2022年6月で、SmartHR Design Systemとしての公開からちょうど2年を迎えます。当時はまさに「有志」が集

SmartHRのUXライティンググループが目指すもの

はじめにSmartHRのUXライティンググループのマネージャーをしているotapoと申します。 2020年8月に、当時のSmartHRではまだ海の物とも山の物ともつかぬ「UXライティング」を冠したチームを立ち上げてから約1年半が経ち、SmartHRでのUXライターの動き方や、今後目指していく方向が見えてきたので、一度まとめておく目的で、この記事を書いています。 抽象度高めの内容になっておりますが、具体的な業務について触れている記事やスライドへのリンクもあるので、「具体的な

【10,000字で解説】UXライティングにおけるボイスアンドトーンのデザイン

ボイスアンドトーンとは UXライティングの役割において、最も重要なことのひとつがボイスアンドトーンの設計です。 Appleがアプリ開発者向けに公開しているドキュメント「Human Interface Guidelines」でも、ボイスアンドトーンについて次のように書かれています。 スマートフォンアプリのほとんどがiOSで公開されていることを考えると、ボイスアンドトーンはすべてのアプリ開発者が考えるべきものであると言えます。 ボイスアンドトーンの役割は、ブランドの人格に

AppleのUXライターに学ぶ「言葉のレンズを通してデザインする方法」

先日行われたAppleの開発者向けイベント「WWDC22」で、AppleのUXライターが登壇してインターフェースのライティングについて解説するセッションがあったことを、こちらのツイートで知りました。 早速動画をチェックしたところ、あまりにも学びが多過ぎて大興奮だったので、自分にとって学びや発見があった部分を中心にまとめておきたいと思います。有難いことにTranscriptが公開されているのでその翻訳(DeepLは神)と要約がメインになりますが、私は決して英語が得意ではないの

💬 Design Term :インクルーシブなUXライティングとは?英語でインクルーシブでアクセシブルなデジタルプロダクトのマクロコピーの書き方

優れたUXライティングとは、誰もが理解しやすく、親しみを感じ、インターフェイスを使用しやすくする助けをします。 私が最近、注目しているテーマはデジタルプロダクトの包括的なマイクロコピーを書くことについてです。マイクロコピーを書くことは、私が過去のキャリアで避けようとしたことの一つで、こんな風に考えていました。 → 私はビジュアルデザイナーで、コピーは私の問題ではない、 → 私よりも、コピーを書くのが上人がたくさんいるし、 → 誰が修正してくれるだろう。 以前、逆転の発想

noteのiOSアプリのリリースノートを書き続けて約1年が経つので振り返り

モバイルチームに誘ってもらい、noteのiOSアプリ(以下アプリと表記)のリリースノート作成を担当しています。ver 3.6.0(現在は ver 5.10.2)から担当し、その数もかなり多くなってきたので、自分がどういう意図を込めて書いてきたのか、振り返ってみようと思います。 リリースノートを担当するようになったきっかけ2020年5月のことでした。CXOの深津さんがSlackのリリースノートがいいとシェアしていて、それにのっかる感じで「大きいカイゼンのときはやってみたい」と

ソフトウェアと人との距離を近づける、ことばづかいや画面デザイン事例まとめ

「UXライティング」について勉強したり、その意識で記事を書いたりするうちに、他のサービスの中でも「使う人のことが考えられている」「このオンボーディングは参考になりそう」というものをたくさん見つけるようになりました。 それらをスクショしてまとめていた資料(Notionページ)を、社内にシェアしたところ、思ったより反応がよかったので、この機会にまとめてみることにしました。 ・・・ 1. Twitter▼ プロフィール文の作成を促すモーダルでの一言。「あまり難しく考えず、楽し

「人は記事をちゃんと読まない」からはじまる意識改革

仕事柄、日々投稿されるたくさんの記事を読みます。あたらしい視点をもらえる記事に出合えるとうれしくなる一方、もっとこうしたらいいのにな…と思ってしまうものもあります。 後者で感じるのは、書き手と読み手の「読む」に対する温度差を意識できていないことです。 基本的に、書き手は「記事を全部読んでもらえる」と思っているのに対して、読み手は「興味をひくものがあれば読む」というスタンス。興味をひかれなければ読まないと判断します。そこで大事なのが、読んでもらうための努力。それをしていない

UXライティングを5W1Hで考える

わたしのnoteではUXライティングの優れた事例を多く取り上げていますが、いざ実際に自分でUXライティングをやってみるとなると「どっから手をつけたらええねん」となる人も多いも思います。 そこで今回は、あくまで私の場合ですが、どのようなプロセスでUXライティングに取り組んでいるかをまとめてみたいと思います。 利用するフレームワークはみんな大好き5W1Hです。 5W1Hとはそもそも5W1Hとはなんやねんという話なのですが、マーケティングや製品開発から戦略まで、ビジネスのあら

読み手を思いやり、“らしさ”を追求するSlackのUXライティング | UI Design Weekly vol.04

未読メッセージを0にしたら褒めてくれて、 アップデートもわかりやすく丁寧に且つ楽しく教えてくれるし、 間違った操作をしても、怒らずに優しく正しい方法を教えてくれる。 ...そんなめちゃくちゃ信頼できる同僚のようなSlackは、私が愛して止まないサービスの1つです。 今回はSlackのUXライティングについてまとめてみました。 UXライティングとは?UXライティングと聞くと新しい分野の話のように思えてしまうのですが、 (主にデジタルの)サービスに関わる言葉をデザインすること

人のぬくもりが伝わる「顔が見えるプロダクト」

以前書いたSlackのリリースノートに関するnoteをTHE GUILDの安藤さんにシェアしていただいたのですが、そこでまたとても勉強になる事例を紹介されていました。 マンガアプリ・アルのリリースノートです。 この事例を見て、プロダクトと開発者の関係性について大きな学びがあったので、ちょっとまとめてみたいと思います。 開発者の立ち位置で書くリリースノートこちらがそのリリースノートです。 このリリースノートを見てわたしが驚いたのは、社長のけんすうさんが、けんすうさんとし

【スライド公開】オンラインでの適切なユーザーとのコミュニケーションのあり方とは?

自己紹介こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください! はじめにこちら2020年6月19日のオンラインイベント:「ユーザーコミュニケーション会議 vol.4」で使ったプレゼン、そして使ったスクリプトを公開させ

SlackのUXライティングの考え方

2020年1月に行われた Design Matters Tokyo のセッションでUXライティングについて学んだので記事にまとめます。 Slack社でUXライティングに取り組んでいるアンドリューさんのお話で、実際にUXライティングするワークショップも体験したので共有したいと思います。 Slack社のアンドリューさん UXライティングとはUXライティングとは、ソフトウェアやインターフェースを言葉で対話可能にすることを目的としたコピーです。 ユーザーの行動フローを理解し、専門