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恋に生きた君は知る

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小説「恋に生きた君は知る」の関連記事をまとめています。
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2024年2月の記事一覧

恋に生きた君は知る【完】

恋に生きた君は知る【完】

 これまでとは違った意味で振り回され始めたユスツィートを余所にエルメリアは終始ご満悦な様子でリストの作成に取り掛かった。
 ちょっとしたことから数日は要しそうなことまで。
 思うままに書き連ねたそれがそのまま今後の楽しみに変わるのだから、まさに我が世の春。

「ユースは? 何をなさりたいですか?」
「んー。買い物、かな。やっぱり」
「ご入用の物でも?」
「まずは一通り君の好みが知りたい」

 エル

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恋に生きた君は知る【38話】

恋に生きた君は知る【38話】

 それから、魔法式の場所と詳細を知られないように諸々を遮断するために発動させていた式を解けば。
 瞬時にコンタクトを取ってきたクレアクリスからうるさいくらいの思考が飛ばされてきた。

(お前お前お前っ! マジで何処にいやがる!? つーか無茶はしてないだろうな!? 急に死にたくなったから今から自殺します、なんて言い始めたらタダじゃおかねーぞ!)
(私をいったい何だと思ってるのよ……)

 死にたい気

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恋に生きた君は知る【37話】

恋に生きた君は知る【37話】

 何百年もの間、恨みと憎しみとを募らせながらも呆気なく泉に還されたティミーの姿を思い出してしまったクレアクリスは余計なことを考え過ぎないよう、エルメリアの居場所に話を戻すことにした。

(ところで今、どこにいるんだよ?)
(ひみつ)

 珍しくも上機嫌な様子でそう返されて思わず顔をしかめてしまう。
 お互いの顔は見えないので分からないはずだが、雰囲気で伝わったのか(失礼ね)と、言葉が続けられた。

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恋に生きた君は知る【36話】

恋に生きた君は知る【36話】

(それで、結局あなたが私に従っている理由って何だったのよ)

 ヨハネスと共に精霊界から戻って来たので、報告しようとエルメリアを探すも姿が見当たらず。
 いつもだったら容易な場所の特定も困難ときて、首を傾げながらも思考を繋げてみれば。

(ティミーがどうなったのかとかティミーとの関係とか、色々ある中で真っ先に気にするところがそこかよ)
(ティミーの話なんて後で聞いても変わらないでしょ)

 第一、

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恋に生きた君は知る【35話】

恋に生きた君は知る【35話】

 対象者の死亡により効力を失っていた契約式が熱を帯びて再契約が果たされたことを知らせる。
 ——エルメリアが生まれ変わったのだ。

 精霊界で過ごす時の定位置となっている枝の上で惰眠を貪っていたクレアクリスは思わず飛び起きた。
 すぐ側にいたティミーに「どうした?」と、尋ねられて素直に答えて良いものか一瞬迷ったものの、ありのままを報告する。

「ああ、あの娘が帰ってきたのか!」
「相手が死んだこと

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恋に生きた君は知る【34話】

恋に生きた君は知る【34話】

 ——50年前。

 世話になっている古代精霊の頼みとあって、渋々ながらもヨハネスの召喚に応じ、エルメリアと契約を結ぶことになったクレアクリスは想像していたよりもはるかに退屈な日々にうんざりしていた。

 望まない侵略戦争の真っ只中なんて私欲を抱いている暇のなさそうな状況で、まともに腹を満たすことができるとは考えてすらいなかったとはいえ。
 右を見ても左を見ても、自らの死、あるいは終戦を願う奴らば

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恋に生きた君は知る【33話】

恋に生きた君は知る【33話】

 笑みを深めたエルメリアの頬に触れる。
 今この瞬間を迎えられたこと以上の報酬もそうはないだろう。

「敵わないだなんて。それは私のセリフです」

 1つ尋ねてもいいか、と言われたので頷けば。
 エルメリアはユスツィートの手に自らの手を重ねながら続けた。

「どうしてキスを?」

 一瞬、いつの話かと首を傾げかけたが転移させられた先でクレアクリスを呼び出した時のことだろう。
 秘術に組み込んだ式の

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