デザイン思考を用いた改善活動のご紹介
UXデザインチームの柳本です。
今回は、デザイン思考のプロセスを用いたUX向上の取り組みについてご紹介しようと思います。
プロジェクトのテーマ
弊社が運営する「アドエビス」はリリースから18年が経とうとしていますが、まだまだサービスを進化させるため、常に社内各所で活発な議論や取り組みが行われています。
我がUXデザインチームでも、ロードマップ上の機能に留まらず、より良いユーザー体験を目指したリサーチや改善活動を行っており、現在とあるプロジェクトを進めています。
テーマは「アドエビスの引き継ぎ」です。
実は過去のリサーチで、アドエビスをお使いになるご担当者様が変わられる際、運用を引き継ぐ方も引き継がれる方も少なからず苦労されているという結果がありました。
ここに着目し、アドエビスの引き継ぎに関わるユーザー様の課題解決を目的として取り組んでいます。
当社のカスタマーサクセスメンバーによる引継ぎサポートやご案内などの人的支援はすでに行っていますので、今回はプロダクト側からの支援を検討するため、新たな目線でのアイデアを引き出しやすい「デザイン思考」プロセスを用いることにしました。
今回はデザイン思考プロセスを、プロジェクトのリソース状況に合わせて以下のように計画し、実施しました。
STEP1:共感
過去のユーザーインタビューのうち、アドエビスの引き継ぎを経験された数人分のデータを抽出。
インタビューデータから抽出した要素を付箋で整理し、見やすくした状態で、全員で読み合わせ(そして深く共感……!)
STEP2:問題定義
読み合わせた内容から、解決すべき課題を各自で考えて「問題定義文」に落とし込む。(インサイトまで掘り下げるのがなかなか難しい。)
量産した「問題定義文」から、メンバーがより共感できるものに投票して1つに選定。
STEP3:創造
選定した「問題定義文」を解決するための「質問文」を量産。問題に対していきなり解決策を考えるのではなく、このプロセスを挟むのがポイントです。
ここでも量産した「質問文」をメンバーの投票によって選定。
そしていよいよ、選んだ「質問文」に対するアイデアをブレスト。質より量・荒削りOK・他人のアイデア乗っかりOKのポリシーで、どんどん出します。
今回は少し工夫して、1回目に出したアイデアをいちど2軸に分類してディスカッション。「問題定義文」に立ち返り、このユーザーのためになる解決策の軸を絞り込んで、さらにアイデア出し。
最後に、実現性・有用性・革新性の観点で投票。投票数が多くバランスの良いアイデアを選定。
……と、現時点で実施できているのはここまで。ここから先は今後の計画になります。
STEP4:プロトタイプ
選定したアイデア(複数でもOK)が実現された結果の理想シナリオを、ストーリーボードで描く。
ストーリーボードに対応するインターフェスを検討して、簡易なプロトタイプ作成。
STEP5:テスト
作成したプロトタイプを、まずは社内のいろんな人に見せて意見収集。(一周目はだいたい「それやったことあるよ」って言われがち。)
検証結果をもとに、二周目へ。プロトタイプの見直しで良さそうな場合もあれば、問題定義まで立ち返る場合もあります。
以上のような活動を、東京・大阪のメンバーがTV会議やオンライン付箋ツールを使って一緒に行っています。
振り返り
まだアイデア出しの途中ではありますが、メンバー間では
全員が1つのフレームワークに沿って検討することで、同じ目線をもって課題解決に取り組める。
共感の部分は特に時間をかけたが、ユーザーの発言や行動だけでなくその裏にある背景を正しく理解することがUXデザインをする上で大事だと再認識。
1人ではなくチームだと「それも良い!」「たしかに」というところからどんどんアイディアが生まれていくのを実感。
といった手応えを感じています。
限られたリソースなので計画どおりに進めるのはなかなか大変ですが、小さく始めて、確度を高めながら大きくしていけるデザイン思考のような手法は、少人数チームにとってはとても有用です。
今後の結果については、またの機会にご報告します!
最後に
イルグルムに興味をもってくださった方、一緒にUXデザインを行いたいと思ってくださった方。
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