見出し画像

(日記)めざせケモビール:完成編


前回までのあらすじ

 ニンジャスレイヤーに登場するビールの銘柄・ケモビールを作るべく集まった福岡ニンジャヘッズたちは、醸造所の主・アッキーさんの助力のもと無事にビールを仕込み終えた。酵母が原液を醸してくれている隙にラベルを作ったりパーティメンバーが充実したりして、宴に臨む。

ラベルの準備

 ビールができるまでには1ヶ月前後かかるらしい。この隙にラベルを作る。印刷所をいくつか調べて締切を割り出した結果、9月末には絵が必要。絵を描く人間が2名いたので、印刷所には2種類のラベル(八上1、津々浦々1:敬称略)を刷ってもらう。サムネは八上案(彩色前)。後で写真を載せるのでそのまんまの元絵は貼らない。

 そしてこの頃、世の中にコンビニ印刷シールなるものがあることも思い出す。ローソンやファミマのコピー機はシール紙にも絵が刷れる優れものだ。

 寸法を調べて試し刷りしたところ、ちょっと裁断するだけでビール瓶の寸法に合う。耐水・耐冷蔵仕様の印刷所ラベルはもちろん作りが強いのでメインに据えるが、コンビニラベルがあれば強度はさておき図案が直前まで増やせて楽しい。

 絵を描く福岡のニンジャヘッズには結構心当たりがあった。コンビニラベルが選択肢に入ると、この時点は3名だったパーティメンバーが増やしやすくなる。ラベルの具体的な仕様とかの話をしたいのもあり、とりあえずビールを仕込んだ3名で集まることに。

 主催であるnaggyさんは自前のコーヒー焙煎アジトを持っており、焙煎アジトとは一体?ともかく、ラベルを貼る際もそこを会場にしてOKと言ってくださったため、道順確認もかねて謎のアジトに迫る。

9月30日 ラベル相談会

 9月30日、naggyさんのアジト最寄駅に集まる。アジト来訪前にnaggyさん行きつけのカフェでお昼をいただく。ご本人は月に30日通っておられるとのこと。住民?

イノシシ肉のジビエサンドと非常にうまいコーヒー

 naggyさんはコーヒーに造詣が深い。彼のコーヒー友達であるアッキーさんが偶然醸造所の持ち主だったおかげでこうなっているのを踏まえると、全てはコーヒーから始まっている。ありがたい。ここのコーヒーもうまい。

 腹ごしらえ後、焙煎アジトに。カウンター席、コーヒー豆を焙煎するマシン、豆を挽くやつ、コーヒーポット、TRPGの本、かわいいカップたち、完全にアジトとしかいえないアジトがそこにはあった。

この日2杯めのコーヒー 香り高すぎる

 アジトでは目の前で挽いてもらったコーヒーをいただきつつ追加戦士の話をする。

 まず、前回人数制限で仕込みにお呼びできなかった方、稀川さん。ツイートから近所を感じるうえよくキュートなウキヨエを描いておられるのもあり、ご一緒したいと思っていた。(片メカクレのサツガイ=サンなど大変お世話になっております)

 次に、津々浦々くんの大学の友人・有波さん。『魔女見習いめいと死霊魔術』や『デス鮭ハンター』などの作者でもあり、たまにデソレイションとか描いてくださるヘッズでもある。(デソレイションの供給ありがとうございます)(ダム階段間詰の供給もありがとうございます)

 他にもお呼びしてみたい方はいたが連絡手段とかの兼ね合いで上記2名にお声がけすることになり、あとは翻訳チームにおすそわけしたい件や、D&Dを見てない件、naggyさんの推しニンであるコルヴェット=サンのビール腹可能性とかについて話して楽しく過ごした。

10月21日 ラベル貼り会

 前回会合後、稀川さんを招聘したところ速やかにノって頂けた。有波さんも、来れないがラベルは描けるとのことでデザインしてくださった。これでラベルは4種類。あと個人的につい2種類描いてしまった。合計6種類。

 10月21日にビールが出来るとnaggyさんから連絡いただいたため、その日にラベル貼り会をやることになる。ほんチ送付用にボックスとかプチプチとか郵送手段調査結果とかを用意して集合。

 今回もまたコーヒーから。そして前回あまりにおいしかったのでまたジビエサンドを食べる。稀川さんともスムーズに打ち解ける。

召喚シーン(浦々くん撮影)

 腹ごしらえ後に焙煎アジトへ。しっかり瓶ビールが届いていた。自分は郵送手配で頭がいっぱいになりつまみを忘れる大ポカをしでかしたが、諸氏の持ち寄りおつまみがいい感じで一命を取り留める。今回の瓶寸法から選んだ箱寸法ではヤマトで送ると最安値になることとか、最寄りのヤマトは19時までとかの情報も共有。

宴の始まり(naggyさん撮影)

 この時点では瓶の表が無地。これに各自の持ち寄ったラベルを手分けして貼っていく。貼った瞬間にもう「ケモビール」なる銘柄のビールがそこに現れて非常にすごい。以下どんどん紹介していく。これがケモビールだ。

ケモビール・シックスゲイツ
1. 津々浦々くん作

 左端は津々浦々くんの描いた分。前回記事サムネでもある「玉乃井」の窓からの景色にウィンドサーフィン・ケモチャンがかわいさを添え、スリケンピースがさらに覗き窓になっている。前回記事に書いたとおり、窓から見える風景はFOCの元ラベルでもあり、アッキーさんが目指すビールの在り方でもある。そして福津の海はウィンドサーフィンの聖地。総じてビール作りの思い出をギュッと閉じ込めた一作。

2. 有波さん作

 左から2番目は有波さんの描いたもの。moon shineは密造酒のこと。(とりあえずこのケモビールは密造ではない。)密造を自称しつつ「maybe legal」で煙に巻き、『月世界旅行』のオマージュでもあり、月にスリケンの図案が月破砕も思わせる洒落の効いた一作。

 なお、津々浦々くんはこのラベルの印刷時に寸法を間違って見切れやサイズ違いのあるエラーラベルを色々発生させたらしく、禁酒法時代らしさが光る。一個もらったがカッコいい。端が見切れてるやつを瓶に貼ってもあやしげで良いかも。

3. 稀川さん作

 左から3番目は稀川さんのラベル。ポップではっきりした描線が王道ど真ん中のロゴらしくカワイイ作品。背景の色も相まって、ジョッキを横から見ているような雰囲気もことさら明るい。他3人が全員イラスト寄りなのに対してデザイン部分がかっちりしており、丁重なフォントワーク(4フォントある)やキャッチコピーなど、一本筋の通ったラベルらしさは唯一無二。

4. 八上作(1)

 左から4番目は自分で描いた。印刷所に出すからには手作業では難しいことをしたくなり、丸くした。キリンビールやニッカのロゴをイメージ元としつつ、ケモチャンは描き込みすぎると獅子像になるのでほどほどにゆるさを取る。ロゴはフォントそのままだと浮くため、プロクリで手なぞり。

5. 八上作(2)

 5番目も自分で描いた。浦々くんの思い出の夏路線がよすぎたのでこっちも夏がしたくなり、ゴウランガニを描いた。しっかりした線を引く体力は4番目のやつで使い果たしたのでチルくする。線画が苦手。

6. 八上作(3)

 6番目も自分で描いた。極度に簡略化されたサツガイ=サンは前方後円墳と見分けがつかない。元々は4番目のやつが描けなさすぎて唸っていたときに、かんたんなサツガイ=サン以外全ての描画能力を失って百舌鳥古墳群みたいなメモを産生してしまったのが原因の一つ。他にも夢とか、本編におけるサツガイ=サンの墓暴き属性とか着想元は色々あるが、書くと怪文書になるから書かない。ケモチャンは右上にいる。

古墳群
どこかの段階で古墳群のほうに舵を切ってしまったが、途中まではかんたんなサツガイ=サンのことしか考えていなかった

 ビール瓶は冷え冷えのため汗をかいていた。コンビニラベルはちょっと浮きやすかったが、タオル等でしばらく押さえつければ貼れることが分かり無事に任務完遂。後は飲む。ドリトスも食べる。かつおも食べる。

桃園の誓い

 また、naggyさんはD&Dの円盤を借りてきてくださっていた。ラベル貼りの作業用BGMにしてもらっていたが、貼り終わればもうD&D飲み会になる。

 D&Dはめちゃくちゃ面白かった。変身能力は楽しすぎるしセクシーパラディンは装備のランクが違うし吟遊詩人の歌は素敵だしワープアイテムは悪用されるし徐々にみんな腹が据わってくる。そして何より、飲みながらワイワイ言いつつ見たのが良かった。映画館での初見は逃したが、焙煎アジトにお邪魔してケモビールを飲みつつワイワイ話しながら見られたのはとても良かった。

 D&Dを見終わると18時を過ぎていた。naggyさんのコーヒーがここで登場し、感想戦しつつありがたく飲む。全員に全ラベルが行き渡るよう空き瓶を皆で洗って均等配分し、ほんチへ送る分の準備も手分けして進める。ヤマトへの距離を調べると、徒歩38分

 先ほどちょっと書いたとおり、最寄りのヤマトは19時に閉まる。電車もバスもショートカットにはならない位置感。そして全員アルコール入り。タクシーは最終手段として脳裏に留めておくが、まあまあまずい。慌てて箱を完成させ、片付けも後でやっとくからと言ってくださるnaggyさんの懐のでかさに甘えてスタスタと出発。いつのまにか完全に夜道。吹く風が冷たい。秋の気配。

 時間がやばすぎてやたら時計を見た記憶があるので整理すると、リミットに気づいたのは18時15分、実際にアジトを出たのは18時25分だった。つまり、徒歩38分のヤマトを目指して、閉店35分前に出発したことははっきり記しておく。Googleマップに無慈悲なる「到着予定:19時3分」の文字が光っていたのを覚えている。まあそれはそう。

 夜道を4人でスタスタ歩く。稀川さんが速い歩調でペースメイクしつつ、ウェブからの送り状作成も信号待ち中とかに進めてくださる。津々浦々くんが重い箱を持ってくれる。naggyさんはこのあと片付けもあるのに一緒に来て見守ってくれる。道は自分が調べる。なにぶん競歩的速度なので、徐々に到着予定が18時59分とかになっていく。

 太い道は明るいが、ヤマトへのラストスパートには田んぼがある。もちろん電灯一切なし。深淵のすみかはサツガイ=サンの胸郭に限らない。それを稀川さんが照らしてくださる。夜の田園もスタスタ。いろいろお喋りもする。

 そのうち文明の灯りが見えて、ヤマトになだれ込む。18時55分くらい着。そして無事に発送が終わり、任務完遂。最後にいきなり無茶な運動フェーズが入ったおかげで大学の頃のアホな強行軍の数々がよみがえり、更に充実感が心地よかった。

後日の諸々

 ラベル貼り会の思い出について稀川さんがかわいい絵日記を描いてくださり、期せずしてサツガイ=サンの絵がこの世にまた一つ増えることとなった。誠にありがとうございます。

 また、バタバタ送ったビールは1本を除き無事にほんやくアジトにも届いた。聞けばサツガイ=サンだけ爆発四散していたらしい。割れ瓶とかビールでタプタプな箱とかを考えると片付けていただいたのが非常に申し訳ないものの、箱チョイス的には他の荷物への漏水は防げていそうなことや、サツガイ=サンだけ爆発四散していた事実がおもしろすぎることもあいまって変な表情になった。ネットでの事前調査では「クール便は段ボールでいい」との情報が優勢だったのを、液漏れ耐性一点張りで発泡スチロールにしたおかげでギリギリ命拾い。瓶は怖い。

 ダントツでよくわからないラベルだったこと、全ラベル作者の作品が1種類以上は無事に届いたこと、サツガイ=サンの日頃の行いなどを踏まえると一番なるほどね感がある。せっかくなのでこのメンバーで今後TRPGなんかもやれると楽しそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?