見出し画像

初めて泣いた日。

昔から感受性がないことが悩みだ。

国語は激烈に苦手科目だったし、大学受験の問題なんて文章を読むだけで爆裂な眠気に襲われた。

***

初めてちゃんとした映画を見たのは小学4年、10歳のときだった。もっと小さい頃にドラえもん「ブリキのラビリンス」「夢幻三銃士」やジブリ「もののけ姫」、クレヨンしんちゃんの映画は見たことがある。

当時のボクの価値観では、アニメ=子供向けであり、洋画、実写、字幕が出てる=大人向けという認識だった。そういう意味で、映画館でちゃんとした映画をみるという行為そのものに価値があった。

1998年、正月。

おとん、おかん、ボクの3人で、繁華街にある映画館「スカラ座」にて話題沸騰中の映画「アルマゲドン」を見ることになった。ボクは初めての"ちゃんとした映画"にテンション爆上がりである。

アルマゲドンは、異常に混んでた。激混みだった。座席は満席、最後列には立ち見の人がわんさか。オカンとボクが席に座り、おとんは後ろで立ち見。(ちなみに興行収入135億。洋画のみでは歴代9位らしい。てか、立ち身とか今はもうない景色か。)

内容をざっくりいうと、急に隕石が地球に墜落してきて「やっべー!マジかよー!えらいこっちゃえらいこっちゃ〜!どうすんね〜ん!」ってなる映画だ。

その後、ブルースウィルスたちがなんやかんやあって地球を救い、エアロスミスでフィニッシュ。主題歌の「I Don't Want to Miss a Thing」をBGMに映画のクレジットが流れている。

そして、その頃、小学4年生、齢10歳のボクは、ボッロボロに泣いていた。大泣きも大泣き。エグエグと泣いていた。

映画で初めて泣いた。
感動で泣いた。
これでもかというくらい心をブルンブルンに震わせて泣いていた。

なんとまぁ。
映画の途中から涙が止まらなくなった。
こんなの初めて。

オカンいわく、横で息子が大泣き。
それを見て笑いを堪えるのに必死だったらしい。
なんとなくここは、笑ったらあかんと思ったらしい。

映画が終わり、立ち見のおとんと合流する。
おとん、ボクを見るなり爆笑。
いじったらあかんと思うオカンと素直にイジり倒すオトン。

ニヤニヤしながら、ボクに聞いてきた。
「どこが感動してん?何か学びはあったか?」



ボクは言葉をひねり出す。
「あぎらべたらあがんだぁておぼた」
(諦めたらあかんなぁって思った)

その日を境に家でおとんとちゃんとした映画を見る機会が増えた。
近所にレンタルビデオショップができたのが大きい。
家族で何本か見た。
その都度、おとんはニヤニヤと感想を聞いてきた。

ボクは答える。
が、考えても考えても、感想は一緒だった。
全ての感想は「諦めたらあかんなぁ」だった。

ちゃんとした映画、5本目でおとんに降参した。

「諦めたらあかんなぁ」しか出てこない感受性のなさに泣きそうになったのだ。考えても考えても、「結局全部それやん」くらいに思ってた。

よ「おとん、感想求めてくんのやめて。なんかしんどいわ」
父「なんでや」
よ「全部、諦めたらあかん映画しかないねんもん」
父「ハッピーエンドしか見てへんからな」
よ「やし、ボク、感想いうのイヤやねん」
父「いや、お前、あんだけ映画で『諦めたらあかん』ってこと学んだんちゃうん?」
よ「・・・うん」
父「映画の感想いうの諦めてるやん」
よ「・・・」

ぐぅの音も出ねえとはこういうことである。

・・・

以上。


・こぼれ話 〜後日〜

とある日の朝刊、京都新聞の隅の方に掲載されていた記事にショックを受ける少年よよ。

最低映画に送られる賞「ラジー賞」に軒並みノミネートされているアルマゲドン。人生で初めて泣いた映画が、世間的に最低といわれる屈辱w💦「興行的には成功したものの、映画としての評価は散々なものであった」てwikipediaもいうてる😭

けどま、今思えば、、、。
アルマゲドンほどツッコミどころ満載の映画もそうそう無いんだよなぁw。


・最後に一曲

エアロスミスといえば、断然こっち。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!サポートしていただいたお金はビールかスーパーカップかおむつ代に使わせていただきます。 これからもゆるく頑張らせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。