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五輪男子サッカー日本vsスペインをタラレバで振り返る


スペインが強かった。


パリオリンピックサッカー男子準々決勝、日本vsスペイン、0−3完敗。スコア的にも内容的にも完敗だった。

応援しているチームが負けたとき、たらればを考えてしまう。あのときああしていたら、こうしていれば、結果は変わっていたのだろうか、と。

いちファンとしては、試合が終わった後、タラレバをアテに飲むのも悪くない。ベスト4まで行って、もう2試合観戦したかったのは、山々ではあるが。。。

さて、スペイン戦。
タラレバを考える。


ただなぁ。。。
残念ながら、あまり思い浮かばない。

それくらいスペインが強かったし、うまかった。トラップ、パス、シュートの基礎的な技術において、個人の能力差があった。

つけいる隙があったとすれば、後半15~25分。スペイン、自陣から攻撃を組み立てる際にパスミスが多かった時間帯。スペインの中盤の選手が疲労からフォローにいけなくなり、前と後ろにスペースが少しだけ空いていた10分間。

この時間、日本が相手の陣地でボールを拾い何度か好機を作った。しかし、最後の最後でミス(トラップミスやパスミス)が出て、決定的なチャンスにはならなかった。

せっかくの攻撃をシュートに至るまでもなく、自分たちのミスで相手にボールを渡してしまう。もったいない時間だった。

個人的には「ここで点を取る!」というチームの意思統一があれば、少し違ったのかな、と。お相手と一緒にダラっとした印象を受けた。

ミスは仕方がない。スペインが疲れていたように、日本の選手も疲れていたのだろう。ならば、このタイミングで攻撃のフレッシュな選手を1〜2枚投入して、こちらからアクションして欲しかった。

スペインは、後半25分の選手交代で修正を加える。

ディフェンスラインからパスを引き出し、ボールを散らす系タイプのMFアドリアン・ベルナベを入れた。

交代直後のパス回しは圧巻。ダイレクトとツータッチを組み合わせて、日本のプレスをいとも簡単にかわしていく。そこからチャンスが生まれ、失点シーンのコーナーキックへとつながっていく。

その後は、スペインペースで試合が進み、ダメ押しも決められてしまい、0-3での試合終了。

フェルミンロペスがすんごい


それにしても1点目、2点目もスペインの得点は、スーパーだった。得点したフェルミンロペスは、出ているメンバーの中で別格だった。得点以外のシーンもいいプレー多く、日本の鋭いDFをさらりと闘牛士の如く簡単にかわして、なんてことない場面から決定機を作っていた。違いを作れる選手だった。

さすが、世界のトップオブトップの大会(EURO)に出て、優勝まで経験した選手。見えている世界が違うというか、フィジカルから何からレベルの違いを見せつけていた。終始、天晴れだった。


フェルミーん

ある意味、オリンピックのベスト4に残るには、フル代表の中軸クラスのメンバーがチームに数名は欲しいなぁと思い知らされた。実際、フランスもモロッコもそのクラスの選手でOA枠を使い、メンバーに入れている。

今回、OA枠なしでのオリンピック日本代表は、いいメンバーが揃ったし、ベスト8にも残った。しかし、大会直前の親善試合では、フランス代表に内容で圧倒され、本大会準々決勝では、スペインに完敗。

この結果をみると、オリンピックでメダル取るためには、OA枠を使うのは必須なのかもしれない。(前回大会、日本ベスト4の際は、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航をメンバーに入れている。)

OA枠について思うこと


とはいえ、今回、パリオリンピックでOA枠なしの日本がベスト8に勝ち進んだことは、紛れもない事実。グループステージでは、OA枠をフルに使っているパラグアイ、マリ、イスラエルを相手に無失点3連勝。日本サッカー界的には、明るい話題だし、ベスト8でスペインと試合出来たことは、育成面で考えるといい経験ができた。

FIFAランク20位クラスの日本でもOA枠のあるチームに3連勝したこと、OA枠なしの日本がオリンピックベスト8のサッカーができることが証明されたことも大きい。ならば「この際、もうOA枠は必要ないんじゃね?」と個人的には思っている。

OA枠が採用されたのが、1996年のアトランタオリンピック。当時、「無名の選手だけの大会なんて観客入んねえじゃん!少しでもレベル高い試合の方が観客喜ぶでしょ!」的な意味合いで採用されたルール。あれからもう30年近く経っているし、サッカーの競技レベルも上がってる。

OA枠がなくても、オリンピック23歳以下のサッカーレベルは決して低くはない。10代から続いている世代別代表の総決算的な立ち位置にすれば、もっと試合が熱くなる気がするし、観客を楽しませることができるんじゃね?と思う。

ま、そんな感じ。


・こぼれ話

前半終了間際、VARで細谷の得点が取り消しになった場面は、不運ではあった。しかし、現状のサッカーはVARを採用している以上、もはやどうすることもできない。あまりにも慈悲のない判定ではあるが、数ミリでも出ている以上あれはオフサイドで仕方がない。個人的には、ここはタラレバポイントではない。VARの前に人はひれ伏すしかないと思っている😭

・こぼれ話のこぼれ話

パリ世代からどれだけA代表のメンバーに食い込んでくるかが楽しみでしかない。

キーパー小久保は、言わずもがなの評価爆上げ。スペイン戦で安定感があったのは、センターバックDF高井。全体通してサイドバックもよかった。DF関根、DF大畑は今後要チェックや。中盤の選手は、みな技術レベルが高いし、既に海外組が多い。ガンガン、ステップアップしていって欲しい。斉藤、三戸、藤田、山本は4大リーグのチームで普通に活躍して欲しい。そして、パリ世代のエースFW細谷は、フィジカルでパワー負けしないし、足腰の強さはいい意味で日本人っぽくない。海外の選手と対峙しても体負けしないゴリゴリの点取り屋になって欲しい。個人的パリ五輪男子サッカーMVPは、細谷で。


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