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【オススメ書籍】人材育成とは何か?組織社会化とは何かを探求する ー経営学習論 増補新装版: 人材育成を科学するー

年末年始のまとまって時間が取れる時にこういった重めの学術書。
一部読みづらい部分はあるが、それ以上に以下の部分がまとまっているのは頭の中が整理されていく。

目の前の入社者への育成にフォーカスが当たりがち担っていたので、経営視点から見たときの人材育成とは何か?を改めて深めたく購入。


学術書を読むことでより整理されるのは、

①〇〇とは何か?という突き詰める思考を追体験できること
 例)人材育成とは何か?組織社会化とは何か?
  (新規参入者が組織に適応していくプロセスのこと。詳しくは本書で)
②どんな時代背景があるか?どんな理論がこれまであったか?深められる
 例)バブル期から人材育成ということが注目され始めた。なぜなら・・等


日常から少しひいた視点で理論を学びつつ、日常に当てはめて何が言えそうか?活かせる部分はないか?

アカデミックと実務を相互に行き来することで、再現性のあるやり方を考えるのは結構楽しい。
※クリアにそのまま活用できるというのはないが、どこかで繋がっていけばと捉えている。

■この本を読むと良い人

 ・人材育成/経験学習/組織社会化等について理論的にどうかを深めたい人
 ・経営から見たときの人材育成とは何かを深めたい人

■この本で学べること


 ・下記とは何か?これまでどのような議論がされてきたか?
  -人材育成とは
  -職場学習とは
  -組織社会化とは
  -越境学習とは

■感想

①人材育成とは何か?を改めて
 1つの定義としては以下。

企業が戦略目的達成のために必要なスキル、能力、コンピテンシーを同定し、これらの獲得のために従業員が学習するプロセスを促進支援することで、人材を経営に計画的に供給するための活動と仕組みのこと

人を育てる、一人前にするために育成することとかではなく、意図的に計画的に、あくまで戦略目的達成に寄与すること。
採用、育成、定着は手段の1つだとあくまで目的の1つの手段。
上記目的に、各種の工程で成果が測れる指標をおき、計画ー実行ー評価検証をしていく必要がある。

②組織社会化とオンボーディング
 組織社会化の1つの定義としては以下。

組織社会化とは、組織構成員として参加を達成するため、新規参入者が新しい職務・役割・職場集団や組織文化についての知識を獲得し、組織適応を達成するための過程と定義している。

1つの企業という組織に組織化していく過程をとして捉えると面白い。
※学校、部活、団体等の何らかの組織参加する際に生じるものなので、自分の参加プロセスを観察してみても参考になるかもしれない。
  
これまで主に2つの視点で議論されてきた。

①組織側が新人にどう働きかけるかにより、いかに社会化を促すかという
 組織視点
②新人側がどう行為をなすことで社会化が完遂するのかという個人視点

※オンボーディング設計は、組織側の視点がメインになりがちだが、
個人が自ら組織、職場に関する情報を探索し、社会化を能動的に行うのかを支援できるかという視点も重要。


上記観点と時間軸(採用時、入社前、入社時、入社後等)のマトリクス等で捉えると考慮されていない改善点が出てくるかもしれない。


また、組織社会化の概念をオンボーディング設計に落とし込んでいる事例としてフリーさんの記事を見かけたのでご興味ある方は読んでみると面白いかもです。
※勝手に参照リンク失礼します。NGであれば削除させていただきます。


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