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Close to the Edge -危機- (Yes) #私を構成する42枚 より

#私を構成する42枚
より14枚目の紹介はYesの『Close to the Edge(危機)』(1972年)です。

プログレッシブ・ロックの金字塔の一つであろうこの作品には3曲が収録されています。
長尺曲はプログレのお約束でもありますが、この作品はA面にアルバムタイトルトラックの1曲『Close to the Edge』18分が収録されています。
メインはこの1曲と言っても過言ではありませんが、B面収録の『Siberian Khatru』は伝説のライブアルバム『Yessongs』においてその魅力を数倍にも引き上げ、私のイエスお気に入りの3曲には入ります。

私がイエスというバンドを知ったのは、はっきり覚えていませんが、プログレにはまった後に、必然的に辿り着いたバンド、と言えると思います。
何より、大好きなドラマー、ビル・ブラッフォードが初期イエスに在籍していましたから、その流れで聴いたのかもしれません。

最近ではビル・ブルーフォードというカタカナ表記がされるようですが、私的にはビル・ブラッフォードのイメージです。
彼のドラムはキング・クリムゾン在籍時の作品で先に知りました。時系列的にはイエスが先ですけどね。

個人的にプログレにおけるドラマーの位置はギターよりも重要だと思っています。
トリッキーなギターはそれ自体面白いかもしれませんが、音楽はやはりリズムです。どの楽器が一つだけ目立っても完成度としては高くなりません。
その中で変拍子も多用されるプログレ界においてドラムは重要です。

ちなみに、今現在の私的ドラマーベスト3はこちらでしょうか。

1位 ダニー・ケアリー Danny Carey(Tool)
2位 ビル・ブラッフォード Bill Bruford(Yes、King Crimson、U.K他)
3位 マイク・ポートノイ Mike Portnoy(Dream Theater他)

話が逸れましたが、『Close to the Edge』はとても複雑な構成で、たくさんのパートがありますが、組曲になっており飽きさせずに18分完走できます。
「指輪物語」やシベリウスの交響曲第6番と第7番にインスパイアされたということで、ドラマチックで叙情的です。

歌詞も意味深です。

このような作品がセールス的にも成功していたこの時代が羨ましいとも感じます。
ロック黎明期を終えて発展期となった70年代はやはり面白いですね。
絵画で言うと、産業革命により近代化した欧州で、宮廷画家から解放されたアーティストによる印象派の全盛は、やはり面白いのです。
未開の地を探索する楽しさが、彼らにはあったでしょう。

そうしてあらゆることが試されてしまったかのような現代、私は何故プログレを作ろうとするのか。
その理由は簡単で、自分自身がより楽しむためです。
既に試されたことの焼き直しではない、結果的にそうなってしまったとしても、精神だけはそれを持ち続けたいと思うからではないかと思います。

70年代プログレ、やはりいいですね。


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