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ぴかぴかの中学1年生



最初に症状が出たのは中学生のはじめ

一年生 まだまだ小学生みたいな体型で中身も年齢なりにとっても幼かった


受験したのは有名な中学校、名前を出すだけで頭がいいのねと褒められた 

勉強を頑張ったのね、素行が良いのね、偉いね、将来有望だ、なんて小学生から電車や道でおじさんおばさんに言われていたから胸を張って生きていた

エスカレーター式で受験自体は形だけのようなものだったけれど、それでもなんだか誇らしくって。 勉強もすきだった




入学して一ヶ月するあたり


朝 起きられなくなった

遅刻する自分は怠けているのだと思った

授業中 お腹が痛い

消化に良いものをよく噛むようにした 

体調崩してるのかな。春だから気温の上がり下がりもはげしいもんね、風邪かな。


           …


不安感がつきまとう、風邪かな、

なんだか気持ちが悪い、風邪かな、

頭が痛い、風邪かな、

疲れが取れない、風邪かな、

風邪かな、風邪かな、風邪かな、



風邪かな。

調子悪いな。




学校を休んだり、抜けたり。


授業を抜けると少しやんちゃなクラスメイトから「また?」と言う声があがるようになった

悪気はないのだろう、でもクラスを抜けるのが怖くなる、緊張やプレッシャーでお腹が痛くなってまた授業を抜けるのだけど。

内科に通い続ける

薬は増えるが体調は全く良くならないのだ

毎週小テストがあった

遅れを取らないように家で、図書館で友達にノートのコピーを貰って勉強した




体育祭の練習が始まる 

未だに体調不良で授業を毎日のように抜ける

放課後に体育祭で披露するダンスの練習、スピードがあがる勉強

どっちも追いつかなくなっていく 両方頭に叩き込むように必死で覚えた ダンスはメモを取って家で見返した、みんなで踊るダンスだから足を引っ張りたくない


勉強したい練習をしたい気持ちとは反対に、体は眠いと言う、疲れたと言う

一日中学校を休んで寝たりもした



内科の薬は増え、種類も変わるけれど体調は何も変わらない

採血をされ、血圧が低すぎると言われる

血圧を上げるため三食きちんと食べ、毎朝五時半に嫌がる体を叩き起こして30分歩いてから一日を始めるようにした



友人関係のストレスを抱えて、そこから体調はさらに悪くなるのも知らず、健気とも言えるくらいきちんと内科の先生の言うことを聞いて毎日過ごしていた、


中学1年生になりたての頃

澄んだ青い春にならないだなんて想像すらしなかったころ


後に中高の記憶を辿ると未熟でまっすぐな姿の自分が痛々しくすらも思える その始まりのころ


私の人生がはじまったころ




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