【詩】記憶を殺して
つむじ風よ、私のお願いを聞いてくれないか。
願わくば私が要らぬとする記憶を空へ羽ばたかせてくれないか。
その記憶は私の手元に置いておきたくない記憶なのだ。
幸せと感じる記憶だけ残しておきたいのだ。
責務で誤りを起こして上司や同僚にしかられる。
その光景が頭から離れられない。
再発するという恐怖が自分に付きまとう。
不安とストレスという名の圧力で潰されてしまいそうだ。
受験で不合格になってしまった。
みんなの思いを報いることができなかった。
真面に人の顔を見ることができない。
止まらない涙、覆いたくなる現実。
こんな記憶がなかったことになるなら。
それらを忘れて何事もなかったかのようになれるなら。
つむじ風よ、この記憶を連れて行ってくれ。
空高く舞い上げてこれらを処してくれ。
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