見出し画像

【ショートエッセイ/仕事】財務と人事の仕事の違い

とあるベンチャー企業に、人事の仕事をやってくれないかと頼まれた。
自分は財務や経理の仕事ばかりしてきて、人事はやったことがない。

頼まれたにもかかわらず、「人事の仕事をやりたい」と全く思えなかった。
「やりたい」と思えないどころか、「めっぽうごめんだ」という感覚だった。

◆ ◆ ◆

どうして人事をやりたいと思えないのか、考えてみた。そして結論、「人間を扱うのが、怖いから」だった。

財務の仕事は、人間を扱わない。
会社が行った過去の取引を数字にしたり、今後会社が行うビジネスを数字に落としたりする。人間の感情と全く離れた業務なのだ。
モチベーションとか、面接とか採用とか、従業員満足度とか、離職率とか、
人間の感情からくる「何か」がない。

一方で、人事は、組織文化とか、従業員のモチベーションとか、
人間そのものを扱う部分が多いはずだ。
そして人間そのものは、感情とか、個人の事情とか、価値観とか、きっといろいろな要素が絡み合っている。

そんな不確定要素の多い、よくわからないものを扱うことを仕事にするなんて、
怖過ぎる。
怖いのは、コントロールできると思えないからだ。

マーケティングの仕事なんかは、人間を扱うけれど、きっと半分はデータを使って判断するだろうから、きっと真ん中あたりだろう。

私が「人間」らしさからくるものを、コントロールできると思えた時には、人事をやれると思えるかもしれない。人事のみなさんが、どうやって自分の判断基準や軸を持って、コントロールできるように仕事しているのか、聞いていきたいと思っている。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?