〜難病とはりきゅう〜その2「指定難病2:筋萎縮性側索硬化症」とは
2020.3/4に出会ってから、この病気の事ばかり考えている。
筋萎縮性側索硬化症という病気は、改めて非常に恐ろしい病気だ。
この病気は体の電気の回路と言える「神経」が徐々に進行的に働かなくなる病気と言える。
ちょっとむずかしいのだけれど、神経の話をしておこうと思う。
ここがわかっていないと、あまりイメージができないと思ったから書き残しておきます。
神経の働きは少し複雑なのだけれど(私は学生時代から学習するのがとっても苦手だった。)
この病気を理解する上で、大きく2つの働きだけ覚えてください
1.脳から出る電気による指令を細胞に伝えて「動作」させるもの
頭(脳)→体(細胞)なので下向きの回路(専門的には遠心性といいます)
です(下の図で言う③運動神経)
もう一つは
2.細胞からの「情報」を脳に電気信号で伝えるもの
体(細胞)→頭(脳)なので上向きの回路(専門的には求心性といいます)
です。(以下の図でいう①知覚神経)
堺章:新訂目でみるからだのメカニズム.p.136、医学書院、2000より改変
私たちの体は、脳からの電気で情報を得て、働いています。
手を動かしたいときは
①脳→②脳から出る神経→③※接続部→④背骨から出る神経→⑤※接続部→⑥手の筋肉
という流れで電気が走るし(遠心性)
「手を触られた」ことがわかるのは
①手の皮膚→②接続部→③背骨に向かう神経→④接続部→脳に向かう神経→⑥脳
という流れで電気が走る(求心性)
手が動いたり、触られたことがわかるのは
①脳からの指令が⑥まで問題なく働いている証明でもある
(少し複雑になってきましたかね?本題ではないのでお気にせず)
先ほどの遠心性の神経を、身近な物に例えてみると
家電が動く仕組みを電気で読み解いてみましょう。
・「脳」:分電盤(ブレーカーとは違うけどイメージはブレーカー)
・「脳から出る神経」:ブレーカーとコンセントの間の配線
・「接続部」:コンセント
・「背骨から出る神経」:家電から延びるコード
・「接続部」:家電から延びるコードの根元
・「筋肉」:家電本体
こんな様子に例えられます。
少し強引に思うかもしれないけれどお付き合い下さい。
例えばかりでばかばかしいように思うかもしれませんが、
しっかりイメージできているかどうかでこの病気の理解が変わるんです。
本番前のウォーミングアップみたいなものです。
日常的にも起こることとして
「家電が動かなくなる」という事があるけれど、↑を考えると
いくつかの原因があることがわかりますよね
一つは、分電盤が壊れる
一つは、分電盤からのコードが壊れる
一つは、コンセントが壊れる
一つは、家電から出るコードが壊れる
一つは、家電とコードのつなぎ目が壊れる
最後に、家電自体が壊れる。
(いくつも同時に壊れたりするのもあるけれどね)
「あれ、このドライヤー動かない壊れたのかな?」
って思っても、ドライヤーは全く壊れていないこともあるわけですよね。
隣の家に持って行って差したら動いた、とか。例えばですけれどね。
神経=電気っていうのは、こういう事が起こるものだと思ってもらうといいです。
そろそろ助走は置いておいて。
本題はここからです。
「筋萎縮性側索硬化症」とは何か
「神経」の動きが進行性に悪くなっていく病気です。
先ほどの
・「脳」:分電盤(ブレーカーとは違うけどイメージはブレーカー)
・「脳から出る神経」:ブレーカーとコンセントの間の配線
・「接続部」:コンセント
・「背骨から出る神経」:家電から延びるコード
・「接続部」:家電から延びるコードの根元
・「筋肉」:家電本体
のうち
脳から出る神経や背骨から出る神経だけが悪くなっていきます。
配線やコードだけです。
脳や筋肉(電気自体や家電)は全く問題ありません。
ただただ動かなくなってしまいます。
そして、この症状では遠心性の流れが弱まるが
求心性の流れはほとんど弱まりません。
つまり、「感覚はあるけれど動かない」のです。
電話、相手の声は聞こえるけれど、自分の声は届かない状況に似ています。
神経が働かなくなる事で
手足は、弱くなり
呼吸もできなくなり
飲み込む(筋肉の働き)ことや、喋ることもできなくなってくるのです。
感覚はあるのに
ただただ動けず、何もできなくなってしまう進行性の病気です。
原因は不明で、現状では打つ手がありません。
薬もあるのですが、進行を抑えているだけで原因にはアプローチできていません。
本人もご家族も、きっと不安な日々を過ごされていることだと思います。
私の行なっている治療法は
「病の原因」を徹底的に洗い出し、体の改善を図ります。
どこまで改善するかは本当にわかりません。初回は、体の緊張こそ取れてきましたが「動くようには」変わっていかもしれません。
でも、きっと何か出来る手があると思っています。
この難病に、いかに立ち向かえばいいのかをしっかり考えていきます、
まずはなんども伺うことを考えます。
予約も多く、実は地方にも往診に伺う予定があるので
工面しなければならないのですが、何とか時間を多く作って伺っていきたいと思います。
頑張っていきます。
今日は、ALSの概要についてのお話でした。
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