Run,Baby,Run/Sheryl Crow

これまで生きてきて、音楽には何度となく助けられてきました。どうしても前を向けなくなったとき。これ以上人間と話すことが嫌になってしまったとき。自分の楽しみのために聴き続けてきた音楽ではあるけれど、こうして救いのような音楽に偶然出会うことがある。出会いは随分と前のことですが、Sheryl CrowのRun,Baby,Runもそんな曲のひとつです。

それは一人の女性の生き方についての曲。彼女の父親が教えてくれた、人生で為すべきたったひとつのこと、走り続けるということ。そんな人生訓を糧に彼女がそれからどんな風に生きてきたのかをまるで一編の映画のように見せてくれる。ドラマチックで詩情あふれる佳曲です。



大人になろうとするとき、誰しも慣れ親しんだ居心地の良い巣箱から、おそるおそる顔を出し、身体を空に預け羽ばたいていかなければならない。見知らぬ人々の中で、また自分の居場所をみつけて、葛藤の中で生き続けていかなければならない。



大人になった今だって楽なことなんてひとつもないし、立ち止まって、がんばったからもういいよと自分に言いたくなるときもある。めんどくさいから人の意見にあわせて迎合したくなることもある。

そんなときに、止まるな走り続けろと背中を押してくれるこの曲が、僕の勝負曲なのです。