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覚悟

自分を曝け出すことを恐れて、どこかで格好をつけているから、書いているものに深みがない。本心を晒すことを躊躇うから凄みがでない。何かひと味足りないから迫力がない。つまりは面白くない。


こうしてnoteを使って人様に自分の仕事とは全く関係のない駄文を開帳するようになって半年位になります。楽しみでやっていることではあるけれど、知らない方に読んでもらうことも、色んな個性あふれる皆様の作品・記事を読ませていただくこともとても勉強になっています。自分の書いたものは、少し寝かせてから読み返して修正したり、それなりに推敲も重ねたりして、誰かにお見せするのにまあ恥ずかしくない程度にはしているつもりなのですが、読み返してみるとどうにも今ひとつ。何か足りないと感じるのです。なるべくなら公開してから編集はしたくないのでそのままにしていますが、いまいちだなあと思う作品もいくつか、というかたくさんあります。

そこでいろいろと考えてみたわけですが、何か足りないひと味は、「覚悟」だろうなと思い至った次第です。

勢いがあって、読んでいて引き込まれるような文章には何か覚悟のようなものを感じます。技術云々の前に作者の意気込みやどうしても伝えたい、書かずにおれぬという気迫が感じられる。少々の誤字なんて蹴散らして真っ直ぐに射貫いてくる、そんな文章に出会うとき、作者さんの気持ちの強さを感じるのです。それは力の抜けた柔らかい文章だったり、軽妙なものであっても同じことで、どこかに作者の覚悟を感じられる文章にはやはり惹きつけられるものがあります。

僕の書くものは、そのつもりはないけれど出し惜しんでいる、あるいは出し切れていないとどうしても感じます。どこかでぼかしてディテールに踏み込むことを回避して、抽象に走るからどうしてもイメージの焦点が合わない。あいまいな逃げ道だらけなので、無難に着地しようとしているくせに逆にきちんと落ち着いていない。つまりは覚悟に欠けるから、仕留め切れていないのです。

今後僕が自分の書くものとどう向き合っていくかという問題は、どんな風にこの後の人生と対峙していくのかという問題とほぼ同義と思っているので、だからこそ覚悟を決めて、選び取る言葉に気持ちを込めて精一杯書き切りたい、そう思うのです。



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