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I love you の伝え方

夏目漱石が、"I love you"を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話がありますが、真相はさておき、とても素敵な訳だと思います。

「わたし」の思いを伝える、というよりも「ふたりごと」として思いを共有したいという気持ちが伝わってきます。


今日は、"I love you"の表現で、私が好きな歌詞があるので紹介します。

ルイ・アームストロングの"What a wonderful world".

何気ない日常の風景を描写し、「なんて素敵な世界なんだ!」という内容です。どれも素晴らしい表現ですが、中でも私が特に好きな箇所は以下。

I see friends shaking hands.
Saying, "How do you do?".
They're really saying,
"I love you".
友だち同士が握手をして「元気?」って言っているよ
でも本当はね、彼らは「愛しているよ」って言っているんだ


日常の行為から「愛の表現」を見つけ出す表現は、素晴らしいと思いました。

直接的に「愛しているよ」「大好きだよ」と言うよりも、実はそれ以外の言葉や行為で表現することの方が多いのかもしれない。

その時に気づかない場合もあるだろうけど、少し後になってとか、もしかしたら何年後かになってしまうかもしれないけれど、時が経った分、深さが増すようにも思えます。

私もまだまだ伝え方が上手くないので、なるべく素直に伝えたいな、と思う一方で、その人ならではの愛の表現にも気づけるようになりたいと思いました。

「いってらっしゃい」「おかえり」「ごめんね」「ありがとう」「だいきらい」「またね」こんな言葉にも現れているのかもしれません。


それから、青い空、白い雲、赤い薔薇、行き交う人々、赤ちゃんの泣き声、そんな風景を「なんて素敵な世界なんだ!」と歌ったルイ・アームストロングですが、この歌が生まれた背景には、ベトナム戦争がありました。

日常とはかけ離れた時に生きた人から生まれた、日常への讃歌のように思われます。

いい時もそうでない時も、たとえどんな状況にあっても、この世界の素晴らしさに気付けるようになりたいなと思いました。


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このnoteでは、わたしから見える景色を綴っています。
読んでくださった方の心に止まり、また違う景色が広がったら嬉しいなと思います。

よかったら自己紹介を含めたこちらもご一読ください。
「わたしの景色」

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