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[1]Save James:我が子が去勢されるその前に

わたしがTwitterを始めてまもなくバズったニュースのひとつが、"Save James"のジェームス・ヤング裁判についてだった。


上記のツイート時、ジェームス・ヤンガー(James Younger)はまだ8歳、2歳の時に小児科医の母親から「あなたは女の子よ」と言われ、以降ドレスやリボンを纏い、女児「ルナ」として学校に通っていた

「幼い息子が実は娘であり、性別移行治療が必要」と主張する母親に真っ向から反対してきたジェームスの父親ジェフ・ヤンガー(Jeffrey Younger)は、莫大な費用と長い年月、途方もない労力をかけて、ジェームスの親権を巡り争って来たが、2021年の夏に、父親としての権利をほぼ全て奪われてしまった。

Save James”というFacebookグループは、そんなジェフとジェームス、そしてジェームスの双子の兄ジュードのために寄付を募り啓蒙活動を続けている。


2022年5月に10歳を迎えるジェームスは今、母親の手によって第二次性徴抑制剤(思春期ブロッカー)の治療を施され、本格的に「去勢」されて女子へと移行する時期に差し掛かっている

これまでに1.2ミリオンドル以上を裁判費用につぎ込んできたジェフ・ヤンガーは、教育・政治・医学・司法のあらゆる機関にトランスジェンダリズムが蔓延していることを知り、驚愕する。

そしてジェームスと他の子供たちをこのトランスカルトから救うには、法改正が不可欠と気づき、現在、テキサス州63区より州議会議員候補として出馬中である。

クリックで選挙広報公式サイトへ


息子たちのために精力的に活動を続けるジェフだが、先日、UNT(University of North Texas)で講演を行った際、黒づくめの学生プロテスターたちに妨害された。

「トランスフォビアのファシスト、ジェフ・ヤンガーへの抗議を行ったまで」と、目に憎悪を宿らせ、ジェフに唾を吐きかけ、大声で喚き散らして、暴力的な言論封殺を正当化する学生の集団。その挙動があまりにカルト的で常軌を逸していたため、講演の様子を収めた動画は瞬く間に拡散された。

しかし彼らも、サヨクアカデミアによって狂信的なジェンダー思想を植え付けられ、LGBTQ運動の駒として大量生産された被害者であり、未来のジェームスの姿でもある。ジェフの絶望は計り知れない。




今回の2本立て記事の内容は以下の通り;

[1]息子ジェームスのために戦い続ける父親ジェフ・ヤンガーの闘争

[2]LGBTQ/ANTIFA学生暴徒たちに潰されたジェフの大学講演の様子




夫婦仲の終焉


ジェームスの父親ジェフリー・ヤンガーと母親アン・ジョジューラス(Anne Georgulas)は2010年12月に結婚した。婚姻前、ジョジューラスにはすでに養女がふたりいた。ジェフとジョジューラスはIVF(体外受精)で男の子を望み、2012年に双子のジェームスとジュードをもうけた。

裁判記録によるとジェフとジョジューラスは卵子提供を受けており、ジョジューラスはジェームスとジュードの生物学的母親ではない

ほどなくしてジェフとジョジューラスは不仲になり、2015年の春から別居、2016年に法廷での争いを経て離婚が成立している。

ジョジューラスは離婚の申し立て理由として、ジェフの学歴・職歴・過去の婚姻歴に虚偽があったことや金銭問題、さらに自身が「ホモセクシュアルである」として陸軍を除隊していたことなどを挙げている。

一方でジェフは、婚姻前に両者とも弁護士を介してあらゆる身辺調査を終えており、虚偽があったのはジョジューラスの側であるとする。

そしてジョジューラスの二人の養女の一人は犯罪者であるジョジューラスの弟と薬物常用者であった女性との間にできた子ども、もう一人は精子提供者によるものだったという。

さらにジョジューラスはこの二名の養子をジョジューラスとレズビアンである彼女の妹との共同生活で育て、父親不在のまま成長させたとジェフは指摘する。(男性嫌悪はしばしば母親が男児をトランス女児として育てる要因と言われる。)

ジェフはこれらを彼女が婚姻前に打ち明けていたら、結婚はしていなかったと述べた。

いずれにせよ、元夫婦の裁判劇はここで終わらず、愛息ジェームスとジュードの親権及び、ジョジューラスが主張するジェームスの性別移行治療の方針を巡って、終わらない戦いが続く。


2019年


離婚調停後も続いていた息子ジェームスをめぐる親権争いだが、地元テキサスを越えて全米で大きく話題になったのは2019年10月の判決時である。当時ジェームスは7歳であった。

この裁判は、これまで双子の管理監督者はジェフとジョジューラスの両方であったのを、「子どもたちに対するジェフの権利を一部制限し、ジェームスが女の子であることをジェフが認識するよう」に、ジョジューラスが共同親権の変更を申し立てたものである。

これに対しジェフは、自身が単独で管理するよう裁判所に求める反対請願を提出した。



ダラスの陪審員は11対1でジョジューラスに有利な判決を下し、事実上、彼女に2人の子供の単独管理監督権を認め、ジョジューラスに双子の医療上および精神上の決定を下す権利を与えた。

その後、キム・クックス判事はジェフとジョジューラス両名による管理監督権を復活させた。判事は、「子育てに関する仲介人を任命し、両親が子どもの医療に関する決定を含む子どもの権利と義務を分担すべし」との判決を下した。

注:テキサス家庭裁判所の場合、陪審員による評決は「勧告・参考」で、判事が陪審の結果を考慮した上で最終的な判決を言い渡すことができる。

しかし、この「仲介人(facilitator)」がジェフに利することはまずない。後にジェフは親としてほぼ全ての権利を失うことになる。子どもの性別違和・性別移行に異を唱える親を「不適任」として親権を剥奪する巧妙な司法システムは、ジェフとほぼ同じ境遇にあるテッド・フダコ氏のエピソードでも詳しく紹介している;


判決後、テキサス州知事のグレッグ・アボットは、陪審員の判決について州司法長官が調査していると発言し、LGBT・ジェンダー団体は抗議の声を上げた。

また同州司法長官ケン・パクストンはテキサス州家族保護サービス局(DFPS)に文書を送り、「息子がトランスジェンダーと信じた母親が、投薬治療および外科手術による性転換を模索しており、息子に対する児童虐待の可能性を調査するよう」同局に促した。

文書には、ジョジューラスが 「息子の生理機能を根本的に変えるために、不確かな医療専門家を利用している」とあり、「母親による永久的かつ潜在的に取り返しのつかない被害から少年を保護するよう」書かれていた。


この裁判はテキサス州選出テッド・クルーズ連邦上院議員やチップ・ロイ連邦下院議員、さらにドナルド・トランプJr.などの保守派を中心に、多くの人々が関心を寄せた。

そして、「早期のジェンダー思想植え付け(グルーミング)により子どもを混乱させ、未成熟の体にホルモン治療や身体改造を施すのは児童虐待」という、子どもの社会的・医学的性別移行(トランジション)に反対する動きが高まるようになった。


公判中、キム・クックス判事はメディアの関心にあからさまな不快感を示した。さらに判決を読み上げる中で、「父親であるジェフはメディア露出を心地よく思っており、またそこから利益を得ている」と非難した。(これまでの裁判や法改正に向けての政治運動に一億円を越す多額の費用がかかっていることは周知の事実で、遊興費や私利目的でジェフが寄付金や出演料を要求したという話はない。)

そして、ジェフに「発言禁止命令(gag order)」を出し、ジェームスが18歳になるまでジェームス問題に関する一切及び政治的発言を禁じてしまったのである。

これによりジェフは、今まで裁判記録や動画などをまとめ、寄付を募ってきたサイト、SaveJames.comの閉鎖を余儀なくされてしまった。(FacebookのSave Jamesは知人が管理者として運営している。)

ジェフは、この発言禁止命令がジェフの影響力を押さえつけ、子どものトランスに反対する運動の勢いを弱めようとする措置だと推察している。


いずれにせよ、この後ジェフとジェームスを襲う裁判の結果を考えれば、キム・クックス判事の裁定はよほどフェアなものだった。ジェームスを「女子」として扱うことの強制はされなかったからである。

同年11月4日、ジェームスは女子「ルナ」としてではなく、男子ジェームスとして通学することを自ら選択する


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しかしクックス判事の判決に納得しなかったジョジューラスは、クックス判事のSNS投稿を理由に判事を「不適格」として、今件から辞退するよう申し入れる。

さらにジョジューラスはジェームスの学校に女子用の服を持ち込み、またジェフとの子どもたちとのFacetime時に、ジェームスにドラァグの格好をさせた。

同年12月、キム・クックス判事はジョジューラスの申し立てを受けて今件からその責任を退いた。


単なる子育て方針の違いに基づく親権争いであれば、事態はここまでセンセーショナルにならなかった。

しかしジェームス問題の本質は、トランスジェンダリズムの真偽であり、幼い子供へ医学的な性別移行治療を施すことの是非である。

ここでもう一度、母と父それぞれの言い分を確認する。


母親の主張


小児科医であるジェームスの母ジョジューラスの言い分はこうだ;

・ジェームスがマクドナルドの女の子のおもちゃを欲しがったり、ドレスを着たがったり、ディズニー作品Frozenの女性キャラクターの真似をしたときに、女の子として自認していることに気付いた。

・Children's Hospital CenterのGENECIS(ジェネシス)クリニックのカウンセラーから、ジェームスは女の子として「社会的移行」を始めるべきだとアドバイスを受けた。

・3人のメンタルヘルス専門医がジェームスを性同一性障害と診断した。あるセラピストは、「ジェームスはジェフのそばにいる時に『男の子でいなければならない』ので、不安をあらわにする」と証言した。また別のセラピストは、「ジェームスに『ルナ』と『ジェームス』どちらになりたいかと聞くと、ルナと書かれた付箋を選んだ」と述べている。

・2018年の裁判調書でジョジューラスは、「具体的にはジェームスは『ジェンダーエキスパンシブ』あるいは『トランスジェンダー』の子どもです。ルナと名乗ることを選び、クラスメイトには女の子として認識されています」と発言。

・また同調書より、「ジェフはわたしに対し、身体的な力を含むますます攻撃的な行動をとっています。彼の行動は明らかにわたしを脅し、威嚇するためのものです。さらに、ジェフはジェームスに対して感情的な虐待行為(例として、散髪やその他の非肯定的な行為)を行っています。現時点でこれらの行為が家庭内暴力のレベルに達するかどうかは不明ですが、ジェフの攻撃性はより頻繁かつ激しくなってきています」と証言している。

・ジョジューラスは、ジェフが子供たちの髪を切るのを止めさせ、「父親としてルナを肯定し、家庭の内外でルナの選択を尊重することを求める」と要望。

・さらに、ジェフが「トランスジェンダー児童やトランスジェンダーの可能性がある子どもの親のためのカウンセリングや教育クラスに出席すること」を裁判所から命ぜられるよう望んだ。具体的には、「父親の行動や非肯定的な行動が、いかに子どもの精神的・幸福に害を及ぼす可能性があるかを教育するクラス」を挙げている。

・またジョジューラスの弁護士は、「ジェフが事実とかけ離れたことばかりメディアに喧伝するため、ジョジューラスと彼女の小児医院は誹謗中傷に晒されている。11名の陪審員の内10名がジェフの単独親権に反対したことを考えれば、話の真相は自ずと見えてくるはずだ」と声明を出している。


父親の主張


・ジェフは、母のジェームスに対する幼少期からの「グルーミング」を主張している。最初にその兆候を確認したのはジェームスがまだ2歳の時で、ジェフとジョジューラスはまだ婚姻関係にあった。ジョジューラスがジェームスにタイムアウト(仕置きとして部屋の片隅などに一定期間子どもを押しやり、反省を促すこと)を課すようになり、「Don't be a boy. The monster's only gonna eat a boy(男の子になってはダメよ。モンスターは男の子だけを食べるのよ。)」と言っていたという。


・ジェフがジョジューラスによるグルーミングの証拠として挙げる、ジェームスが3歳の時に撮影された動画がこちらである;

ジェフ:おまえは男の子だろう?
ジェームス:違うよ、女の子だよ。
ジェフ:誰がおまえは女の子だと言ったんだい?
ジェームス:マミィだよ。
ジェフ:マミィがおまえは女の子だって言ったのかい?
ジェームス:そうだよ(中略)マミィがぼくにドレスを着せたり、ヘアバンドやクリップをつけたり、爪に色をぬったりする。マミィがぼくは女の子だって言うよ。
ジェフ:おまえは自分が女の子だと思うのかい?
ジェームス:うん。

・ジェフやジェフの周囲の人々といる時、ジェームスは女の子になりたがる意志を全く見せない。選択肢があっても選ぶことはない。ジェフは一応ジェームスのクローゼットにドレスを常備しているが、ジェームスがそれを手に取ることはない。

・上記はジェフとジェフの近親者のみならず、家族ぐるみで付き合いの深いジェームスとジュードの親友家族や教会関係者も、詳細な観察や日常の動画を元に証言している。以下はSave Jamesサイト運営者で、ジェームスとジュードをよく世話するサラ・スコットの証言である;

(中略)…私の子どもたちはジェームスとジュードの親友で、この1年間で私も150時間以上、彼らと過ごしました。食事を与え、本を読み聞かせ、一緒に遊び、何時間も話しながら、親友の母親だけが知りうる彼らの姿を見ています。自分の母親に話せないことも話せる相手が私です。

(中略)…ジェームスは男の子として幸せにやっています。外で行進して、「僕たちは最強のボーイスカウト隊だ」とか「僕はオオカミの群れのリーダーだ!」と叫ぶのが大好きです。グループの中で一番年上でもないのに、いつも中心にいるんです。スーパーヒーローの格好をしたり、剣で戦ったりするのもお気に入りです。

(中略)…ある日、ジェームスが服を汚してしまったので替えの短パンをはかせ、シャツを渡そうとすると、彼は「サラさん、シャツなんていらないよ、暑いもん!」と言いました。そして「それに男の子は嫌ならシャツを着なくてもいいんだよ!すごいでしょう」と。彼はとても愛らしかったです。私は「そうだね、すごいね!」と返しました。

(中略)…ジェームスは髪を切るのも好きなようですが、息子のグレイソンには、「僕はトゲトゲにしたいのに、お母さんがあまり短くさせないんだよ」とこぼしていました。

ジェームズは、お母さんとのことを明らかに恥ずかしく思っているようです。ハロウィンに何の仮装をするかみんなで話し合っていて、息子たちがジェームズに聞くと、「秘密だよ。恥ずかしいもん」と。私たちはジェームスを愛しているからこそ、彼が不快に感じているときに情報を押し付けないし、彼が話したいときに自由に話すことができるように、常に彼が無理強いされない場所であるように、と息子たちに教えました。私たちはすぐに話題を変えましたが、でも、そういうことは何度もありましたね...。

完璧な親なんていませんが、二人の子どもたちは父ジェフを慕っています。ジャングルジムのように彼にしがみついています。膝に飛び乗ったり、愛していると言ったり。彼は子供たちの扱いが上手です。ジェフは毅然としていますが、優しく、決して声を荒げることはなく、子供たちは彼の威厳にとてもよく反応します。私は時々、子供たちに3回言い聞かせなければならないことがありますが、ジェフには恐怖心からではなく、尊敬と愛情から耳を傾けているのです。二人とも、パパとずっと一緒に暮らしたいと言っているのを聞いたことがあります。

陪審員にも私が知っていることを知り、この愛らしい双子の喜びをわかってもらえたらと思います。

私の息子たちは、(今回の判決によって)親友を失ったと恐がっています。多くの人々が心を痛めていますが、最も苦しむことになるのは5人の少年たちです。彼らオオカミギャングです。

・サラ・スコットの証言を裏付けるように、Facebookグループの"Save James"ページには、幸せそうな双子と父親ジェフ、そしてサラの子どもたちと共にすくすく育つ少年たちの笑顔が溢れている。同年代の男の子と同じような服装や髪型で、スポーツやヒーローごっこに駆け回る、わんぱくで健康な双子の成長記録は、決して「やらせ」には見えない。

左がジェームス、右がジュード
サラの息子たちと。真ん中がジェームス
上下写真ともFacebookページより


・母ジョジューラスは「ジェームスに女の子だとカムアウトするように強要した」とジェフは証言する。教会の人たちが大勢集まったジェームスとジュードの5歳の誕生日パーティーで、ジェームスにドレスを着るよう強要。目撃者によると、息子は隅に隠れて泣いていたという。

・女児「ルナ」としてジェームスをキンダーガーデンに通わせた。

・小学校へも「ルナ」として女子の格好をさせて通わせ、女子トイレを使わせている。教師、校長、警察官、同級生、司書など、学校関係者はみな、彼が女の子であることを認めている。ジェフは「息子を保護すべき機関によって、ジェームスは欺かれている」と主張している。

・ネイルポリッシュやつけまつげをジェームスにつけて登園・登校させることもあった。

・ジェフとのFacetime時に、ジェームスがつけまつげやラメのウィッグを施したドラァグの格好をさせられている時もあった。

・母ジョジューラスは、(エストロゲン摂取を目的として)ジェームスに極端な大豆中心のダイエットをさせている。ジェームスは豆乳しか飲むことが許されていない。

・またジョジューラスは、ジェームスの肌にエストロゲン入りのフェミナイジング・ローション(トランス女性が使用する、女性らしさを促進すると言われているローション)を塗っている。ジェームスは日毎に女性らしさを帯びてくるようになった。

・法廷において母親側は戦術的にジェフを「家父長制を振りかざし凶暴な暴君」と印象づけようとしているが事実無根である。

・ジョジューラスはジェフが暴力的行為や脅迫を行った、あるいは行いかねないと虚偽の申し立てをし、裁判を長引かせ、ジェフを経済難に陥らせようとしている。(裁判ではジェフによる暴力や恫喝は認められていない。)

・虚偽の接近禁止命令などを申し立てることで、ジェフと子どもたちを法的に引き離している。


ジェフの選挙公報公式サイトより。
母親も学校も医療機関もジェームスを洗脳していると主張。


2020年


コロナ禍にあってもジェフとジョジューラスの親権争いは続いていた。ジョジューラスは立て続けに申し立てを起こして、司法の徹底的なコントロールをジェフに課すことを試みる。

そして2020年、クックス判事に代わって担当になったダラス郡第301司法裁判所メアリー・ブラウン判事が、「ジェームスは女子の服を着て女子として通学するように」との判決を出した。

そして2021年の夏、ジェフにとっては最悪の判決が下される。


2021年


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2021年5月、ジェフはテキサス州における子供への化学的去勢及びその他のトランスジェンダー手術を禁止する法案を通すべく最後の攻勢をかけていた。

これまでジェフは、仕事や裁判の合間を縫ってテキサス州全ての上院議員のオフィスを訪ね、弁護士を雇ってアラバマ州上院の同法案を参考に作成したドラフトを配った。

またテキサスの田舎地方を中心に草の根運動を続け、フェミニストたちや黒人男性なども幅広く味方につけて、大規模な運動に成長させた。

しかし後一歩というところで、ジェフは味方と信じていた保守勢力にもジェンダーロビーの魔の手が伸びていたことを知らされる。

同年5月13日付National Fileの記事を一部引用する;

テキサス州では、児童への化学的去勢手術とトランスジェンダー手術を中止させる法案が共和党議会によって阻止されている。このような治療行為を行う医師から賠償責任保険を取り上げる法案であるH.B. 1399は、会期も残り数日となった時点で予定されていたが、数百の他の法案に埋もれるように事実上阻止された

わずか2歳で母親にドレスを着ることを強要され、自分は女の子だと言い始めた9歳のジェームズ・ヤンガー。彼の父親ジェフ・ヤンガーが、テキサス州議員ブライアン・スラトンと共にビデオに出演、幼い子どもたちを敵に回しているテキサスの議員たちに懇願し、この種の手術を児童虐待と分類する別の法案の通過を目指して、視聴者にステファニー・クリック下院議員とダスティン・バローズ下院議員に電話するよう求めている。

https://nationalfile.com/jeff-younger-rep-slaton-make-final-plea-to-end-transgender-surgeries-for-kids-this-should-not-be-happening-in-texas/

この法案に関する一連の政治的な動き、多額の献金で保守派議員にも影響力を強めるLGBT・ジェンダー団体やジェンダークリニックについては、[3]でまとめる。


さらに追い討ちをかけるようにジェフの苦難は続いた。


2021年8月5日付の地元メディアThe Texanによれば;

メアリー・ブラウン判事は、ジェームズの住居、カウンセリング、投薬、教育、課外活動に関して、母ジョジューラスの独占的な決定権を認めた

日課であったジェームスとジュードとのFacetimeは禁止になり、子どもたちに会えるのは1回2時間、月2回までに大きく制限された。またこの面会中、ジェフは1回につき600ドル支払ってカウンセリング・サービスによる自身に対する監視を義務付けられた

判決の理由としてブラウン判事は、「ジェフ・ヤンガー氏は、要請通りの養育費、医療費、利息の支払いを適時に行うことができず、強制執行の動議が提出された後にのみ、彼の過去の支払期限内の養育費を支払ったため」と述べている。

またブラウン判事は、「子どもたちの医療行為、カウンセリング及びメンタルヘルスケアの予約、あるいは課外活動において、ジョジューラス氏がヤンガー氏に通知する義務があるとした命令は、解除される。子どもたちの精神的な幸福と物理的な安全を確保するための努力として、裁判所は、ヤング氏の所有時間のすべてを、ヤング氏の費用と経費のみでフォレンジック・カウンセリング・サービスによって継続的に監視するよう命ずる」とした。

さらに判事は続けて、母ジョジューラスは子どもたちの医療行為のみならず学校行事や課外活動、その他あらゆる行動について父であるジェフに情報開示する義務はないと述べた。

つまりジェフは父親として子どもたちの生活や教育に一切携われないどころか、面会時にはまるで自分が危険人物であるかのように自費で「監視」を付けねばならず、さらには母親側から子どもたちの暮らしぶりを全く知らされない。それでも養育費や医療費、利息を払う義務はあるのだ。


判事は、ただし唯一、ホルモン抑制療法、思春期抑制剤投与、性別移行手術に限り、ジョジューラスは独占的な決定権を持たないと付け加えた。

これは、1カ月前に開かれたオンライン公聴会において、ジョジューラスが「子供の性自認はこの件に無関係である」と主張したことに基づく。


ジョジューラスの弁護士ジェシカ・ジャニセックの主張は「この親権争いは、養育能力が欠落したジェフ自身の問題で、子どもがトランスジェンダーということは関係がない」というものだが、これは世論の反感を避けるための戦略的措置とも思われる。

ジャニセックはまた、「ジェフが子どもの養育に関する多くの命令、すなわち必要なカウンセリングや教育上の決定を拒否しているため、さらなる裁判所の介入が必要」とした上、「ジェフによる養育費の支払いが何度も遅れている」ことを非難した。

さらに、「父親は2020年12月に2回のセッションを受けた後、自分の持ち時間にセッションを受けられないことを嫌ってカウンセリングを中止した」とジャニセックは加えた。

これらの主張を鑑みるに、母親側は、「親としての責任が欠落したジェフが、自分の落ち度を息子のジェンダー問題にすり替えて批判をかわしている」というシナリオで戦うようだ。


これに対しジェフは、「私への批判の多くは、私がジェームスを女の子として扱わないことに起因している」と反論する。

また、ジェフの弁護士デイヴィッド・ハンシェンも、「これは間違いなくジェンダーの問題であり、両親がどう対処するかの問題である」としている。

養育費の支払いについてジェフは、「自分は期限内に支払っているのに、司法長官事務所からの振込手続きが遅れている」と主張している。


ハンシェンは、ジェフがカウンセリングを中止した件について認めており、「ジェフはカウンセリングそのものは否定していないが」と前置きした上で、「システムが(母親側に)利用されていると感じている」と述べた。

「息子がカウンセリングに連れてこられるとき、彼は母親のところからやってくるので、いつも小さな女の子の格好をしている。ジェフに決められた(子どもたちとの)所有時間は金曜日のみで、二人のカウンセラーのどちらも金曜日は休院。したがって、子どもをカウンセリングに連れて行くのが片親の管理下で行われるのは不公平だ、とジェフは考えていますし、私もそう思います」とハンシェン弁護士は説明した。


こうした双方の主張の食い違いや意見の対立は際限がなく、公聴会ではジェームスの髪の長さに関しても異様に長い時間がとられた。


2022年


2022年1月24日、The KGB Showに出演したジェフは、その理路整然とした語り口と、父親らしい強さと温かさで若手政治系ポッドキャスターたちを魅了した。これまでの経緯から終わりの見えない法廷闘争、法整備への弛まぬ努力などを約1時間に渡り語った。


ジェフは数々の裁判所命令を破っている。

この7年以上に及ぶ法廷闘争の中で、ジェフの私権は不当かつ違憲な裁判所命令に踏みにじられてきたという。

テキサスの家庭裁判所から出される「一時命令」は必ずしも「一時的」で終わらず、ジェフの場合8年近くに渡り「一時命令」の制約を受けている。


ジェフの個人的な収入や資産情報は全て公に開示されている。裁判所はジェフのクレジッドカードの明細まで全て把握しているという。

またジェフは「箝口令」により、自分の子どもの性別について語ったり、メディア出演したり、特定の政治トピックについて話したりできない。禁止されている話題の中には、トランスジェンダーやLGBTに関するものも含まれる。

テキサスで一番リベラルなダラス裁判所によるこの命令は、子どもの性転換に関する法改正を議会に働きかけたジェフを妨害する政治的な圧力とジェフは考えている。

上記の箝口令には、ソーシャルメディアやブログ運営の禁止も含まれる。また、「話をしてはいけない相手」のリストがあり、リポーターやポッドキャスターなどが列記されているという。


ジェフが議員として出馬を決めた理由の一つが、これらのシステムを改正することだ。

ジェフはこれらの命令を出しているダラス郡第301司法裁判所メアリー・ブラウン判事に真っ向から反抗し、法廷後カメラの前に立つたびに彼女を名指しし、「俺を逮捕してみろ。そして一体どちらが法を破っているのか、裁判で決着をつけようじゃないか」と何度も述べている。


その結果、ジェフは2021年にメアリー・ブラウン判事が下した判決によりほぼ全ての親権を剥奪された。

月2回、1回につき僅か2時間の面会に関しても、裁判所が委任したゲイの担当精神科医により厳しい制約が設けられた;

・ジェームスの着用しているドレスを着替えさせてはいけない。

・ジェームスとジェフとのどんな可能性のある未来についても語ってはいけない。

・キリスト教的教えに基づく男女の性について教えてはいけない。

ジェフは「これらの制約こそ児童虐待である」として反発、条件付きの面会を拒否した。するとブラウン判事はこれを父親の「育児放棄」と見做したのである。


「ジェンダーイデオロギーが侵食した司法システムは、実に巧妙なやり口で親子を引き離している」、とジェフは警告する。

事実、ジェフと似たケースは年々増加の一途を辿っている。



ジェフ・ヤンガーの戦いは、もはや息子ジェームス・ヤンガーためだけのものではない。

ジェンダーイデオロギーに染まり、メンタルヘルスに苦しみ、周囲の活動家や専門家に促されるまま、親に内緒で性別移行を始めてしまう子どもたちが大勢いる。そして学校、医療機関、裁判所など、あらゆる組織が親の権利を剥ぎ取り、ついには我が子まで取り上げてしまう。

まさにカルトのやり口、と陳腐な表現でこの問題を矮小化する気はさらさらないが、実際に当事者の子どもたちを見れば、尋常でないことがわかる。


[2]では、先日テキサスの大学を訪れたジェフと保守派の学生たちが、狂気的なトランスアライの暴徒たちと対峙した事件をまとめた。




日本の子どもたちの安全と健康に関わる重大な社会問題として、子どものジェンダ
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(終わり)


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