ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」の和訳
こんばんわんこそばんそうこう。
今回は洋楽の歌詞の和訳。
イギリスのアーティスト、ギルバート・オサリバンが1971年に発表した、アローン・アゲインを。かなり有名な曲だよね、たぶん(世代ではないので)。
私がこの曲を知ったのは、アルバイト先のコーヒーショップでかかっていたときで、声が若干似ていることから、(恥ずかしながら)てっきりポール・マッカートニーが歌っているのかと思っていた。
「ポールこんな曲出してたんだー」と思い、曲名が気になったので、聞き取った一節をGoogleに検索をかけると、ポールではなく、ギルバート・オサリバンというアーティストだと知った。
私が働いていたコーヒーショップは、ネッド・ドヒニーやジェームス・テイラーなど、BGMの選曲がなかなか通だったため(この時点でわかる人はどの店かわかってしまうだろう)、勉強の意味も含め、このように気になった曲はすぐ調べる癖がついていたのだ。
それ以降、その穏やかな曲調に親しみを覚え、主にチルしたいときにこの曲を聴いていたのをよく覚えている。
しかし、歌詞の内容を知ってからは、印象がガラッと変わってしまったので、noteを通してみんなと共有したく、今回選んでみた。
*
In a little while from now
If I’m not feeling any less sour
I promise myself to treat myself
And visit a nearby tower
And climb to the top
Will throw myself off
In an effort to
Make it clear to whoever
Wants to know what it’s like when you’re shattered
今から少し経っても この気分が晴れないのなら
自分に誓ったんだ 近くの塔に登って
身を投げてやろうって 打ちのめされた人間が
どんなことになるかっていうことを
知らしめてあげるんだ
Left standing in the lurch at church
Were people saying, my god, that’s tough
She stood him up
No point in us remaining
We may as well go home
As I did on my own
Alone again, naturally
教会に佇み 周りが言う
「もう充分だ 彼は婚約者に見捨てられ
私たちがここに残る理由は無い」と…①
僕らは家に帰ることになるだろう
自分から仕掛けたように
僕はまた一人になった ごく自然に…②
To think that only yesterday
I was cheerful, bright and gay
Looking forward to who wouldn’t do
The role I was about to play
But as if to knock me down
Reality came around
And without so much as mere touch
Cut me into little pieces
昨日までのことだけを考えたら
僕は元気で明るい 陽気な男だった
楽しみだった 僕が務めるはずだった
ごく一部だけがつかめる幸せが
でも落としいれられたように
現実が押し迫って来て
何の前触れもなく 僕を粉々にしたんだ
Leaving me to doubt
Talk about, god in his mercy
Oh, if he really does exist
Why did he desert me
In my hour of need
I truly am indeed
Alone again, naturally
僕に疑いの心だけを残して
神にある慈悲が何か 自分に問う
ああ もし神がいるのならば
なぜ一番求めているときに
あなたは僕を見捨てたの?
そしてまた 僕は本当に
ひとりぼっちになってしまった ごく自然に
It seems to me that
There are more hearts broken in the world
That can’t be mended
Left unattended
What do we do, what do we do
この世界にはまだ他にも
救われない心がたくさんあって
誰も治しちゃくれないまま
忘れ去られて行くんだろうな
僕らはどうすればいいのだろう
何をしてあげられるのだろう
Alone again, natirally
また一人になってしまった ごく自然に
Looking back over the years
And whatever else that appears
I remember I cried when my father died
Never wising to hide the tears
And at sixty-five years old
My mother, god rest her soul
Couldn’t understand why the only man
She had ever loved had been taken
Leaving her to start
With a heart so badly broken
Despite encouragement from me
No words were ever spoken
And when she passed away
I cried and cried all day
Alone again, naturally
Alone again, naturally
何年も前のことを振り返る
前にもこんなことがあったなと
思い出したよ 父が亡くなったとき
僕は泣き明かして 涙もろくに拭わなかった
そして母が65歳のとき 彼女は亡くなった
僕は理解できなかった なぜ愛した唯一の人を
奪われ 傷ついたまま生きていかなければならないのか
彼女はどんどん喋らなくなっていた
僕が励ましたのにも関わらず
そして 彼女が亡くなったとき
僕は一日中 泣いて 泣き続けた
そしてひとりぼっちになったんだ 当然のように
また一人になるんだ 当たり前のように
①…作者は婚約者に結婚式をすっぽかされた、という設定を映画「卒業」(主人公が意中の女性を奪うために、彼女の結婚式に登場する)からヒントを得た、という情報がネットの所々で散見される。
②…このフレーズ(Alone again naturally)は何度も登場するが、その登場する場面での雰囲気に合わせて、少しずつ訳し方を変えてみたんだけど、どうかな?
とにかく、曲調と歌詞のギャップがすごい。多くの人がそうであるように、私も歌詞の内容を知った時は驚愕した。
軽い雰囲気で切ない内容を歌う曲は数多くあるものの、ここまでヘビーなのってなかなかない。なので、本人に特別な思いがあるのかと思いきや、このような境遇には陥ったことがないということなので、この壮絶な内容を、ほとんど想像で書いてしまった、ということになる。
それに、歌詞を知った後だと、間奏前のヴァース(It seems to me that…)がすごく切なく聴こえてくる。疲れている時なんて、そのあとの間奏で完璧にノック・ダウンだ。
しかし、この圧倒的な耳障りの良さ(当時はイージーリスニングチャートでもランクインしたらしい)から、日本での人気は当時から高かったようだ。
その裏付けに、私の働いていたコーヒーショップのBGMにも起用されているわけだし。しかし、こんなヘビーな歌詞とは知らず、多くの人がこの曲をバックにお茶していたと思うと、曲の印象ってすごく大切なんだなと実感した。
*
すごくお気に入りのカバーがあるので是非。
Sammy Copleyさんという方で、他にもボブ・ディランの「時代は変わる」やキャロル・キングの「ソー・ファー・アウェイ」など、クラシック・ロック好きにはたまらない楽曲を、素晴らしい歌声で聞かせてくれているので、漁って聴いてみて欲しい。
ミッフィーちゃん。
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