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風街ろまん/はっぴいえんど
今日はあの伝説のバンド、はっぴいえんどのアルバム「風街ろまん」について。
というのも、私の好きなユーチューバー、みのミュージックさんが昨年末に「はっぴいえんど中心史観」についての動画を出しており、その動画をきっかけに私もはっぴいえんどいついて再度考えを巡らせる、ということがあったからだった。
「はっぴいえんど中心史観」というのは、はっぴえんどを中心に据えれば、ほとんどの日本の音楽界を鳥瞰できる、という考え方のことだ。
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私がこのアルバムをはじめに手にとったのは恐らく高校三年生の頃だったと思う。
よく通っていた新宿のタワーレコードで、何気なく試聴したのがきっかけだった(はず)。それまでもはっぴいえんどという存在は知っていたものの、同年代に活動していたガロやかぐや姫などのフォーク・グループと同様だと勘違いしていた。
後々知ったが、はっぴいえんどはそういったフォークのムーヴメントとはまた別のところにおり、まだバンドが日本語でロックを演奏することが定着していなかった時代にいち早く「日本語ロック」の制作に着手し、今回紹介する「風街ろまん」をもって完成させた、という定説があった。
そんなこととはつゆ知らず、視聴した一曲めの「抱きしめたい」に一耳惚れして、アルバムを購入した。
彼らはビートルズをはじめとしたブリティッシュ勢が人気だった当時の日本では珍しく、モビー・グレープやバッファロー・スプリングフィールド(以降「バッファロー」)などのアメリカン・ロックに影響を受けた音楽を演奏していた。
この曲も、小節の頭を強く強調したり、ヴァースが終わるごとに短いギター・ソロを挟んだりする部分が、バッファローの「フォー・ホワット・イッツ・ワース」を思わせる。
その頃の自分は、邦ロックやビートルズ中心の音楽嗜好から、ドアーズやニール・ヤングなどのアメリカ音楽に興味を持ち始めた時期で、はっぴいえんどの楽曲から何処と無くそういったエッセンスを汲み取り、魅力を感じたのかもしれない。
他にもこのような他アーティストからの影響を強く感じさせる楽曲は多く、「空色のくれよん」は同じくバッファローの「カインド・ウーマン」だし、「はいからはくち」はモビー・グレープの「オマハ」だ(比較しやすいよう、最後に該当曲と元ネタ両方を貼っておきました)。
どちからかというと音楽に対し分析志向な私は、このように元ネタがわかる音楽は探究心をくすぐられるし、新しい音楽を知る手立てにもなるので、ものすごく好きな方だ(アヴァランチーズやフリッパーズ・ギター然り)。
当時の私は自身のバンド用にオリジナル楽曲を作り始めた頃で、自分がハマり始めていたアメリカン・ロックを、どうオリジナル曲として消化できるか悩んでいた時期でもあった。
はっぴいえんどはその点での一つの答えを教えてくれたようなものだったし、はっぴいえんどと出会ってからは、作曲の「コツ」を一つ掴めたような気さえする。
歌詞にしても同様で、私に多くのヒントを与えてくれた。
ドラムの松本隆さんが書く詞の文学的な言葉選び、抽象的かつ風景描写に多くを割くスタイルは、情報量がもともと少ないため、リズムに乗せやすい。このアルバムで特徴的な「です、ます」調は脚韻を揃えることもできる。
もともと読書が好きだった私には、このような歌詞が深く突き刺さり、どのようにしたらこのような詞が書けるのかと、当時の彼が読んでいたという文学作品などを読み漁るようにまでなった。
そのようにして私にどんな力がもたらされたかはわからないが、日本語の歌詞でこういった表現もできる、ということを知ることができただけでも大きな収穫だっただろう。
Rubber Soulの記事の時のように、何か一曲ピック・アップしようと思ったが、このアルバムに関しては特にこの曲が、というより、全体の雰囲気(曲順も含め)が好きなんだな、と思ったのでやめた。
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高校時代、同じくはっぴいえんどが好きなクラスメイトがいて、よく二人で話していたなあ。
彼はゆらゆら帝国やつげ義春も好きで、趣味からわかるように私と同じ社会不適合者なので、元気にやってるか心配になった。
・はっぴいえんど「空色のくれよん」
・バッファロー・スプリングフィールド「カインド・ウーマン」
・はっぴいえんど「はいからはくち」
・モビー・グレープ「オマハ」
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