昨日、8月9日、 77年目の長崎原爆の日。この少年の写真は死ぬまで忘れない。写真集「トランクの中の日本」 米従軍カメラマンの非公式記録より文章一部抜粋 写真/ジョー・オダネル

画像1 焼き場に10歳ぐらいの少年がやってきた。 少年の背中には2歳にもならない幼い男の子が、くくりつけられていた。 その子はまるで眠っているようで見たところ、体のどこにも火傷の跡は見当たらない。 少年は焼き場のふちまで進むとそこで立ち止まる。 わき上がる熱風にも動じない。 係員は背中の幼児を下ろし 足元の燃えさかる火の上に乗せた。 まもなく、脂の焼ける音がジュウと私の耳にも届く。 炎は勢いよく燃え上がり、立ちつくす 少年の顔を赤く染めた。 気落ちしたかのように背が丸くなった少年は、またすぐに背筋を伸ばす。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私の記事はすべてが「無料」です。売り物になるような文章はまだまだ書けません。できれば「スキ」をポチッとしていただければ、うれしゅうございます。あなたの明日に幸せあれ。