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田中絹代の第一回監督作品「恋文」。松竹の名監督たちが団結して応援した力作である。
田中絹代の第一回監督作品「恋文」は絹代を愛する映画人たちが
総力を結集した作品である。
シナリオは木下恵介が二回書き直し、
それに成瀬巳喜男が手を入れ、
最後に小津安二郎が厳しくチェックした。
4人の助監督からキャメラ、照明のスタッフも
木下と成瀬が厳選し、最強のスタッフを集めた。
ただひとり溝口健二だけが「田中絹代の頭では監督はムリだ」と
冷ややかだった。
撮影現場では絹代は「映画監督」を演じた。
モデルは皮肉にも「溝口健二」だった。
粘りに粘った。
主演の森雅之が「これで決まりだ」と思っても、
「もう一度おねがいいたします」と繰り返し
同じ芝居をさせた。
取材していた記者たちも「こりゃあ、本格的だ」と感心した。
完成した作品は、シナリオがよかったおかげもあって
「そこそこの評価」を得られ。興行的にも田中絹代の監督作品ということで「そこそこ」成功した。
溝口健二も「まあ、無難でよかったです。恥をかかなくて良かった」という彼らしい褒め方をした。
ところで、この映画。木下恵介監督が「チョイ役」で出演しているそうだが、どこだかわからなかった。なんとしても突き止めよう。
◆◇◆
ちなみにこの映画のDVD。アマゾンで「¥17,600」と高騰している。十年ほど前に私が買ったときは2000円ぐらいだった。転売屋は嫌だな。
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