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【ゲーパス】日本語字幕付きだが、なぜか「九州弁」!?高所ホラーゲーム『Still Wakes the Deep』レビュー。

スコットランド沖に浮かぶ石油掘削リグ“ベイラD”で大事故が発生。施設がまるごと崩壊する危機が迫るなかで決死の対応に追われる作業員たちに、異形のクリーチャーまで襲いかかってくる! The Chinese Roomの『Still Wakes the Deep』は、そんな極限的状況のサバイバルを描く一人称視点ホラーアドベンチャーゲームだ。

XBOXのゲームパスに対応しているので、加入している人は無料で遊べる。
それほどボリュームもないので、気楽に恐怖を味わおう。

足を踏み外したら真っ逆さまの高所を進み、意を決して崩れた廊下を飛び越え、すぐ目の前に奇怪なクリーチャーがいる中で息を殺して潜む……。

本作でプレイヤーは、そんなピンチを次々とくぐり抜けるサバイバル映画の主人公のような体験ができる。

高所恐怖症のワタシは足がすくんで、おしりの穴がキュッとした。こわいよ〜。。。

しかしこのゲーム、一般的なサバイバルホラーゲーム“ではない”。戦闘要素や限られた物資をやりくりするようなサバイバル要素はなく、ステルス要素も簡易的なもの。

全体の構造も直線的で、ゲーム的な選択の幅はあまりない。

「ホラー的なサバイバルを体験するウォーキングシム」と言っていいだろう。ゲーム的なチャレンジや選択の楽しさよりも、主人公に次々とピンチが訪れるサバイバル映画的な状況とそこで繰り広げられる物語を、一人称視点で体験することそのものに軸足がある。

 正直、サバイバルホラーゲーム的なチャレンジを求める人がプレイすると、物足りないと感じるかもしれない。というか記者自身も勝手に身構えて「あれ、なんか違うな?」と困惑したりもした。だが本作の方向性に慣れると、そのユニークな良さもわかってくる。


QTEで危機を脱する箇所もある。

さて、プレイヤーは粗野な作業員の“カズ”となり、刻々と変わる状況に応じて石油掘削リグの中を奔走することになる。

ディザスター映画『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)とSFホラー映画『遊星からの物体X』(1982年)が融合したかのようにさまざまなトラブルが襲いかかる本作で、この石油掘削リグは最大のスターだ。

音響演出も力が入っていて、低く響き続ける鋼鉄の軋む音は巨大な怪物のうなり声のようだ。

カズは生存者を振り落とすかのように崩れていくリグにしがみつきながら、その配管だらけの腸(はらわた)の中を進んでいくことになる。

まぁ、「音がした方に行く」という行動原則がはっきりしていてステルスゲームの敵としてはややシンプルすぎるのだが、物を投げて注意をそらして横をすり抜けた……かと思いきや狭い通路などで追い回されたりもするシーンもあるので緊張感はハンパない。

サバイバル状況のドラマ体験を重視した作品として重要な役割を担うのが、方言によるセリフの数々だ。

そして日本語ローカライズでは、長崎や博多などの九州弁を中心とした大胆な翻訳が行われている。

はじめは、誤植かと思った九州弁の字幕。


これは日本語だけトリッキーなことをしているのではなく、原語である英語版がそもそも方言を重視していて、ベイラDはスコットランドを始めとするさまざまな訛りが飛び交う場所として書かれている。英語版字幕も、わざわざ訛りの音に合わせたものとUKでの文字表記に直したもの(たとえば「Wean(子供たち)」が「Kids」になるなど)の2種類が用意されているぐらいだ。

 各国語版でのローカライズにあたっては、スコットランドやイングランドのその他の地域の労働者階級の人々がそれぞれの方言で軽口を飛ばし合いながら働いている雰囲気をそれぞれの言語でも感じられるよう、開発側から訳者に注文があったのだという。パブリッシャーを通じて確認したところ、日本語版の訳者は自身の出身や工場で働いた経験などを活かして訳を行ったようだ。

まあ、死にゲーにあきたら、殺されゲーにチャレンジしてはいかがだろうか。

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