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会社の妖精さん、noteやりませんか。

世の中には、「妖精さん」という言葉がある。職場でろくな仕事もしていないくせに高い給料を貰っている中高年サラリーマンを若手が揶揄した呼び方だ。「妖精さん」って、なんだか可愛いなと思ったら、朝出社して、タイムカード押して、新聞読んで、お茶飲んだら、どこかにスッといなくなるという幻のような存在だから「妖精さん」と呼ぶらしい。これじゃ、可愛くないよね。

朝日新聞でも「『妖精さん』どう思う?」という特集をやっていて、いろんな世代からの声を紹介していたが、その中のアンケートでは、働きに見合わない給与をもらう社員がいると社内で不公平だ。(69回答/191回答 複数回答可。)とする意見が多数を占めていた。若い時は、「賃金<生産性」だが、齢を取ると「賃金>生産性」となり、このギャップ分が貰いすぎに見える。すなわち、新卒一括採用日本型終身雇用制度の弊害というわけだ。

それでは、どうすれば「働かない中高年」現象が改善し、誰もが働きやすい公平な仕組みになるのか、朝日新聞の同じアンケートでは、年功序列賃金はやめ、仕事に応じた報酬とする。(79回答)、各企業がもっと個人を適材適所で生かす工夫をする(99回答)。あれれ、適材適所が年功序列賃金廃止を上回っている。回答者の中には、中高年以上の年代も含まれているので断言するのはよくないが、「妖精さん」の能力自体を否定するものではなく、あくまで妖精さんのスキルと与えられた業務のミスマッチが原因と考えているのだろう。

私は、この問題を、経営者の立場でもなく、若手社員の立場でもない。他ならぬ「妖精さん」の立場から、真正面ではなく、斜に構えて考えていきたいと思う。

結論から先に言うのは嫌いだが。結論から言うと、

妖精さん、noteやろうよ。

ということだ。

会社に勤めていて、50代っていろんなことが起こる。役職定年、配置転換、再雇用。それで、やる気を失って「妖精さん」の誕生。でも、ここで、日本型終身雇用制度や企業内の人事戦略を論じたところで、当の「妖精さん」にとっては、定年まで逃げ切った者勝ちなので馬の耳に念仏なのだ。逃げ恥でも何でも、家族のために逃げ切って何が悪い。

じゃあ、定年まで「妖精さん」という幻の存在で大人しくしていろと言うのかと言うとそうではない。今与えられた「妖精さん」という立場をチャンスと捕らえ、最大限に生かしてみないかと言いたいのだ。そもそも、給料もらって、それに見合わない仕事しかせずに首を切られないなんて、かつての「窓際族」もそうだったんだろうけれども、もう世間が許してくれないだろう。終身雇用制度も崩壊寸前だ。「妖精さん」になれるのも、今の50代が最後だろう。「妖精さん」に与えられた最後の特権を最大限に生かそうじゃないか。

「妖精さん」、あなたの会社には、ボランティア休暇や社会貢献活動休暇という休暇制度はありませんか。どうせ朝出社して、タイムカード押して、新聞読んで、お茶飲んだら、どこかにスッといなくなるくらいなら、その一日をボランティア活動や社会貢献活動に費やしませんか。どこかにスッと消えた先で、ボランティアや社会貢献をしているのなら、素敵な「妖精さん」ですよね。そんな休暇制度がなかったら有給休暇取るのはいかがでしょう。どうせ、会社は年休を消化させたいのでしょうから喜ぶのではないでしょうか。

「妖精さん」、あなたの会社にはリモートワークの制度はありませんか。出社しなくても、PCを会社のサーバーと接続して家で仕事するあれです。PCが苦手ですか。苦手だからこそ「妖精さん」でもできることを実証したら会社にとっても意義があることだと思いませんか。会社でどこに行ったか分からない幻の「妖精さん」より、家にいてPCに繋がって存在している「妖精さん」の方が若手社員のみなさんから見ればリアルな存在に感じるかもしれませんね。

「妖精さん」、あなたの会社には副業を認める制度はありませんか。会社に埋もれてしまったあなたのスキルを外部で生かせるチャンスじゃないですか。副業においても「妖精さん」はとても有利な立場にいると思います。だって、既に働き以上の給料を貰っているのですから、副業で儲けることをあまり考えなくてもいい。これって好きなことが好きなだけできるということだからすごいですよね。損しちゃダメだけど。

ボランティア、社会貢献活動、リモートワーク、副業、少し考えただけで「妖精さん」だからこそ有利に展開できそうな活動がたくさんあるように思います。今の50代に与えられたせっかくの特権なんだから、このチャンスを生かさない手はないと思うのですが、いかがでしょう。

藤田まこと演じる必殺仕事人の中村主税に憧れたことはなかったですか。中村主税は昼行燈だったけど、みんなに好かれてましたよね。それは、社会に役立つ活動をしているから。そのことをみんなは知らないけど、やはり醸し出すんでしょうね、その人の雰囲気が。そんな「妖精さん」なら、賃金>生産性だけで測られることもないのかも知れません。マズローは、晩年、自己実現を最上位に据えた5段階要求の上に自己超越要求の段階を加えたそうです。もしかすると、この自己超越要求を実現するのが「妖精さん」なのかも知れないと密かに思っています。

で、「妖精さん」、とりあえずnoteから始めてみませんか。

noteは、日本のSNSの中で最もとっつきやすいSNSだと思います。いまや、アクティブユーザーが2000万人を超えたと言われており、若い人の利用も多いのですが、私は、ここで、若い人が何考えているかを知れと言ってるのではありません。「妖精さん」にnoteを書いてほしいのです。noteに書くのは日記でも小説でもマンガでも何でも構いません。何でもいいから、とにかく書いてみませんか。あなたがnoteを書くと、あなたはもう「妖精さん」という幻の存在じゃなくなります。noteにはリアルなあなたが存在します。そこから、何かが掴めるのではないでしょうか。そんなあなたを優しく迎えることができるのがnoteというSNSだと思います。だから、noteから始めてみませんか。「妖精さん」としていられる期間もそう長くないと思います。「妖精さん」が新たなスタートを踏み出すのに、noteは必ず役立つと思います。

なぜ、そう言えるかって、そう言われても根拠はありません。私が「妖精さん」で、私がこれからやろうとしていることを書いているだけなのですから。

(おわり)

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