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【留学】欧さんのブログ日本留学シリーズ第2弾「日本留学いろいろ〜日本の大学(学部)編〜」

こんにちは!欧です!

「日本留学シリーズ」の1回目、「日本語学校編」をお読みになった方もいると思いますが、いかがでしたか。日本語学校に対して、少しでも理解を深めていただけたかと思います。
 また、読んだ後、日本語学校卒業後の進路に疑問を持った方もいると考え、今回は「日本留学シリーズ」の2回目として、進路の一つである日本の大学(学部)をテーマに、紹介していきたいです。

日本の大学の概観
 日本の大学は大きく、国立大学・公立大学・私立大学の3種類に分類することができます。また、学年制で大別すると、2・3年制の短期大学、4年制の大学、6年制の医学部・薬科大学があります。
国立大学と私立大学は海外のuniversityに当たり、教育に一環とされているとみなさんはご存知だと思いますが、短期大学というと、イメージがつかない方がいるかもしれないですね。全く同じとは言えませんが、短期大学はアメリカのcommunity college(community university)に類似するような教育機関で、社会人として必要な教養を身につける科目と、職業に直結する実務的な知識・技術の両方を、1年次からバランスよく学べるのが短期大学の魅力的なところです。また、資格取得をめざす学生のためにサポート体制を取っているところも多く、栄養士、看護師、歯科衛生士、介護福祉士などの職業に就くために必要な特定の資格取得対策講座を設置しているところもあります。
そして、日本の大学には学問分野ごとに「学部」として設置され、さらに学部は一般的に「学科」、「専攻」に細分化されることが多いです。具体的には人文科学、社会科学、理学、工学、農学、保健、家政、教育、芸術の9つに分けることができます。それをまとめた図表は以下のものとなります。

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出典:SCIENCE COUNCIL OF JAPAN(日本学術会議)に提示された学科系統を元に筆者により作成

今の時代は大学で何を学んだから、将来、必ず関連業界の関連職につくとは限らないと言われていますが、自分の将来像を考える際、卒業後の進路を考える際にはこの学科系統の分類を参考にしながら、将来自分の夢を実現するために、少しでも役に立ちそうな学問分野か自分が興味を持つ学問分野を見つけて、それが属する学部や専攻に進学するのが良いでしょう。より細い分類はこちらからチェックしてください。

日本の大学に進学するには
 日本の大学学部では、一般入試、AO入試、推薦入試などの日本人受験者のための入試制度の他に、外国人留学生のための特別選考が行われています。外国人留学生のための特別選考は、出題や回答にあたって日本語の点で配慮されたり、入試科目が軽減されたりしているため、外国籍の方はこの特別選考を受験するのがおすすめです。
 外国人留学生入試は大学、学部、または選考の時期により、選考の内容やステップは異なりますが、基本的に次のものから構成されます。
・日本留学試験(通称EJU)
・日本語能力試験(JLPT)
・外国語外部試験(TOEFL、TOEICなど)
・大学独自の筆記試験(専門知識、小論文、英語の試験問題など)
・面接
・書類審査(高校時代の成績、志望理由書など)

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出典:早稲田大学ホームページの2022年度外国学生のための学部入学試験要項を元に筆者が作成

学校ごとにこれらのいくつかを組み合わせて入学試験を行っているため、どの学校でどんな入学試験が実施されているかについては、大学のホームページや入学試験募集要項を参照してください。
その中でも、日本学生支援機構2021年9月の調査によると、国立大学法人の96%、公立大学法人の60%、私立大学法人の53%が学部の入学試験において、日本留学試験(EJU)の受験を義務化としています。日本留学試験の成績を持っていないと学校選択の幅が狭くなりますので、可能であれば、受験しましょう。ということで、ここでは日本留学試験(EJU)を特筆していきたいです。
日本留学試験は、毎年6月と11月の年2回実施されます。日本国内以外にも、アジアの
いくつかの国でも実施されています。
以下の科目から受験希望の大学等が指定する受験科目を選択して受験する形になります。

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出典:筆者作成

理科と総合科目を同時に選択することはできません。また、理科を選択する場合は物理・化学・生物の中から2科目を選択します。
ここではよくある例を挙げる。
例)某大学の2021年度募集要項の一部(EJU受験科目の指定)

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志望校が指定する科目・言語を毎年の募集要項に確認した上で、日本語留学試験の科目の受験を申し込んだ方が無難でしょう。
 また、EJUで優秀な成績を修めて、日本の大学(学部)、短期大学、高等専門学校(第3学年以上)または専門学校に正規生として入学する私費外国人留学生には、EJUを行う機構であるJASSOが奨学金「文部科学省外国人留学生学習奨励費(留学生受入れ促進プログラム予約制度)」を給付する制度を設けています。EJU出願時に申し込み用紙にチェックを入れるだけで申請できるので、ぜひ選考を受けてください。

受験勉強から合格へ
それでは、筆者当時の受験スケジュールに沿って、受験勉強から合格までの道のりを紹介していきます。ご参考までに。

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出典:筆者作成

1)オープンキャンパスの参加や志望校の選択:4月〜5月 
この時期は、各私立大学の募集要項が続々公開され、郵送での願書の申請やオンライン出願が開始している大学もあります。私立大学が年間2回もしくは2回以上の入学試験があるのに対し、国公立大学の入試は基本的に年間一回で後期入試しかないため、募集要項が公開されるのが秋となります。筆者は当時五校の大学のイベントに参加していました。その中でも、いきたい大学が3校あって、その後もこの3校を出願しました。
 すでに将来やりたいことが決まっている方にも、もしくはまだ将来のビジョンやキャリアプランが漠然としている方にも、大学側が開催するオープンキャンパスに参加することがお勧めです。オープンキャンパスは、大学や専門学校が「学校のウリ」や「特色」をアピールする場所です。パンフレットに記載されている文字情報だけではわからないキャンパスの雰囲気や授業内容などのリアルな学校の様子を伝えるため、学校側がをオープンキャンパス開催しています。また、「先輩たちはどんな分野に就職したのか」「どんな資格を取ることができるのか」といった卒業後の進路に関することや、「時間割の組み方」といった大学ならではのしくみについての情報もオープンキャンパスで入手できるので、志望校を決める前にはきちんとオープンキャンパスや学校説明会に参加しておくといいですね。

 2)志望理由書などの書類の作成: 6月〜7月
筆者が志望理由書を書く頃、市販のテキストの数が想像以上に多かったですが、読み比べたところ、なかなか差がなかったため、ベストセラーを購入しました。志望理由書の基本構成の学習などのインプットよりも、重要だと考えていたのが実際に自分がアウトプットした文章をネイティブの方にチェックしてもらって、いただいた意見に基づいて、また文章を修正し、再びネイティブの方にチェックしてもらうという繰り返しです。ちょっと自己流のやり方ですが、みなさんもぜひ試してみてください。また、どの大学の出願にあったても、必要とされる高校成績証明書と高校卒業証明書は来日する前に充分な部数(五、六通くらい?)用意しておくのを推奨します。筆者は4つの大学に出願したくても、3通しかもってこなかったため、大学も3校しか出願できませでした。すごく残念なことになりました。

 3)受験勉強:5月〜11月
 日本留学試験の重要性は前もお話したと思いますが、筆者日本留学試験を非常に重要視し、受験に向けて、半年間ぐらいの勉強漬けの生活を送っていました。基本的には、日本留学試験とトーイックの勉強を並行して、それに加えて、大学独自試験の直前に、独自試験の過去問にひたすら没頭しました。筆者は最初から文系の経済学部志望だったため、日本留学試験で日本語・総合科目・数学コース1を受験しました。ここではぜひ日本留学試験の文系総合科目を受験する人に愛用していたテキストをお勧めしたいです。

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本書は日本留学試験のテキスト、問題集、模擬試験から構成されています。全体的にルビが振られていて読みやすいのと、図解が多く挿し込まれているので、見やすいです。解説本文の重要語句には「赤字強調」が施されており、要点を把握しやすく学科の理解度が高まります。テキストの後は、頻出過去問題で練習し、本試験レベルの模擬試験で腕試しするという内容になっており、インプット・アウトプットを繰り返すことで、しっかりと知識を定着できるようになっています。文系総合科目以外の科目「日本語」と「数学コース1」については正直お勧めしたい本はなくて、市販の教科書はあまりにも差がないようで、ブックオフで安価な中古本を買えばいいと思います。これらの教科書に加えて、筆者は基礎から理解まで日本留学試験の過去15年分を何回も何回も繰り返し解きました。
最後に大学独自試験に関しては、いうまでもなく暦年の過去問題を解くほかにありません。過去問題をホームページに掲載している大学もある一方、その大学の図書館でしか過去問題見られない大学もあります。また、全然公開しない大学もしばしばあります。その場合は前文で言及したオープンキャンパスや説明会に参加することで、過去問題をゲットすることができるかもしれないし、受験予定の学部の先生との相談を通じて、独自試験の主題傾向を把握すること、受験する前に読んでおくべき本を教えてもらうことも可能かもしれません。
 人には食べ物の好き嫌いがあるように、自分が教科書や勉強法にも合うか合わないかというのもあるので、やはり、人それぞれです。ここまで述べたことはあくまで筆者自身の経験話にすぎませんが、少しでもご参考になれば幸いです。

日本での大学生活
 今までは大学入学までの道のりを紹介しましたが、ここからは大学入学後の大学生活を紹介していきたいです。
まずは、授業ですね。大学は高校のように、先生に強制されるのではなく、自分が興味のある分野と関心のある学問を勉学する場所のため、授業は高校とは全く異なります。必修の授業もありますが、基本的に科目は学生それぞれが自由に選択できます。大学の授業は基本的に2つの形式があります。1つは教員による解説を中心に行われるもので、講義とも呼ばれます。数十人から数百人までの規模で大教室で行われることが多いです。

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もう1つは演習(ゼミ)というもので、テーマに沿った文献などから、自分の考えや実験・実習の結果を発表し、教授やほかの学生と討議するのが一般的です。数名から20名程度で教員と学生があるテーマについてディスカッションをしながら深く掘り下げて学びます。ゼミという形の授業は中国やアメリカの大学には存在しないらしく、日本の大学の特色とも言われます。ゼミでの研究は卒業論文にも関わってくる場合があります。

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また、勉強や研究、報告などの活動を円滑にし、そしてゼミ生同士や教授の親睦を深めるため、ゼミ同士は合宿で日常と離れた場所へと出かけ、遊びに行ったりすることもよくあります。

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実は授業の形式は前述した2種類以外にも他の形式があります。理系学部の場合はゼミと講義に加えて、実験という授業があります。実験は、主に理系大学生が研究室に配属される前の1~3年生時に行われる授業の一つです。実験の頻度や時期は、大学や学部学科によります。大学によっては、週2回以上実験を行うところや、1年生の間は行わなかったりするようです。筆者は理系学部出身ではないので、詳しくは解説したくても、できないですが、資料調べの時、みなさんの理系実験へ対する理解を深められそうなブログを見つけたので、もし興味があったら、
こちらへ↓


 もちろん、大学生活は講義とゼミが全てではないので、それ以外は必ず体験していただきたいのはサークル活動です!サークル活動は、部活動とも言われ、いずれも共通の趣味・興味を持つ仲間が集まった団体での活動のことです。一般的なスポーツや同好会はもちろん文化系、フェンシング、ヨット、スキー、アイスホッケーなどのマイナースポーツのサークル、さらに航空部や自動車部など競技系サークルもあります。

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サークルに入ることで多くの友達ができたり、先輩と仲良くなることができます。特に、同じ学部の人・趣味が共通する人・気が合う人と出会えたら是非仲良くしましょう。サークル活動以外でも、同じ授業を取ったり、食事したり遊んでみたり、旅行にでかけてみたりと、一緒にいることで楽しみを共有できる間柄になれますよ。

最後に
 確かに、大学生活は自由です。高校生までは宿題に追われ、自由な時間は確保しづらいですし、社会人になっても基本的には朝から夕方まで拘束される事になります。しかし大学生活は、自分で授業の時間や遊び、恋愛、アルバイトまで自由に計画できる時間でもあります。だからこそ有意義な4年間を楽しむためには自分の使いたいように時間をつかう必要があります。「この大学でよかった」、「4年間楽しかった」と思えるような大学生活を謳歌していただければと思います。

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筆者:
欧 梓涛(OU SHITOU)
九州大学大学院地球社会統合科学府1年
Kyushu University Graduate School ofIntegrated Science for Global Society
インターン生(日本)

日本で暮らしていると、言語にとどまらず、社会文化、就労、教育、日本人とのコミュニケーションなどに対して、不安や戸惑いを感じるのはすごく自然なことです。自分が外国人留学生として日本で生活、就学、就活してきた経験、または外国人からみた独特な視点を活かすことで、日本在住外国人が抱える問題の真の解決に少しでも力になれたらと思います。とにかくYOU MAKE  ITでみなさんとチーム一丸になり、ともに成長していきたいです!

I came to Japan alone to pursue study five years ago. I experienced much when I just got here for a short time, facing a lot of troubles on my study and accumulating plenty of experience of job hunting when I was in the university. Therefore I hope I could share my personal experiences with you and help others to solve the problems you might have in daily life or job hunting.I would appreciate it if I can help you and grow together with you.

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